2008年3月19日
戸田建設(株)
ジオスター(株)
戸田建設(株)(社長:井上舜三)とジオスター(株)(社長:篠原喜代司)とは、プレキャスト式地下構造物構築法 「さくさくSLIT(スリット)工法」(Structuring of Lower Underground by Industrial Technologies)を共同開発 しました。新形式の浅層地下構造物の急速構築技術として、今後、関係各方面へ積極的に提案していきます。
近年、都市再生の一環として、立体道路トンネルや駅前地下駐輪場・駐車場などのニーズが高まっています。これらの構築法としては仮設土留を用いた開削工法が一般的ですが、仮設土留壁構築後に覆工板を敷設して地下工事を開始し、地下構造物の完成後に覆工板を撤去し地上部の修復を行うため、工事による周辺影響が長期に及ぶという課題がありました。
「さくさくSLIT工法」は、プレキャスト部材を用いた逆巻きの構築法を基本として、仮設土留壁を兼用する側壁構築後にプレキャストの頂版を先行設置するなどして、覆工板を設置することなく地上部を早期に完成させてから内部の掘削・構築する開削地下構造物構築技術です。地上への影響を最小限に抑制するとともに工期の短縮を図り、通常は仮設材として取り扱われる事が多い土留壁を本体利用することで合理化を図り工費低減することを目的としています。
本工法の大きな特徴は、RCプレキャスト部材とH鋼とからなる側壁部材にあります。側壁本体部となるRCプレキャスト部材の底面に施工時の支持杭及び側方土圧に抵抗するH鋼を連結した構造としています。このH鋼は施工時のみの仮設材であり、側壁すべてをプレキャスト部材とする場合と比較して、運搬や建て込みの容易性を確保できるとともに、コスト低減を図ることができます。また、建て込み後に止水板を配置できる止水構造を新たに考案し、側壁部材間の止水性能を確実なものとしています。側壁部材と頂版部材のプレキャスト部材間の接合はモルタル式充填継手、場所打ちとなる底版と側壁の接合は、予めプレキャストの側壁部材に機械式鉄筋継手を配置しておくことで、各部材間を剛結合とした構造形式を実現します。運搬上で頂版部材を分割する必要がある場合には頂版部材間はループ鉄筋継手などにより一体化します。
本工法の一般的な施工手順は、1)H鋼付きの側壁部材を残土削減に配慮したソイルセメント壁工法により建て込む。2)側壁部材に頂版部材を載置し、モルタル式充填継手で一体化する。3)地上部を埋め戻して、地上部を早期開放する。4)側壁部材と頂版部材とで形成した地中門型構造内の土砂を掘削する。5)床付け完了後、側壁部材と底版の鉄筋を機械式継手で結合して鉄筋を組み立てた後に、底版コンクリートを打設して、地下構造物を完成させる。計画する断面が幅広の場合には、側壁部材間に支持力を有するH鋼つきの中壁部材を建て込むことで、計画断面構成に応じた柔軟性を発揮できるため、浅層地下構造物全般に適用できる汎用性を有しています。
本工法のメリットをまとめると次のとおりです。
- 1.全体工期の短縮
底版部以外はRCプレキャスト部材で構築するため、大幅な工期短縮を実現できる。 - 2.施工の合理化
本体の側壁部材が仮設土留部材や支保部材を兼用するため、施工の合理化が図れる。 - 3.早期の地上開放
頂版の先行構築を前提としているため早期に地上部を完成・開放できる。 - 4.周辺環境へ配慮した施工法
幅広断面の場合には、エリア分割により限定された範囲内で順次構築していけるの で、工事中の地上利用への影響が少ない施工が実現できる。
戸田建設とジオスターでは、現在、設計体系の整備を完了し、実物大供試体による施工性確認試験を太洋基礎工業 株式会社の協力のもとに計画中であり、本工法の実用化推進により社会資本整備向上に貢献したいと考えています。

図-1 浅層地下道路トンネルを例とした「さくさくSLIT 工法」の構造イメージ
| STEP1 土留め削孔 | STEP2 側壁部材建込み |
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| STEP3 布掘り掘削 | STEP4 頂版部材架設 |
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| STEP5 頂部埋戻し・躯体内部掘削 | STEP6 底版構築施工完了 |
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図-2 「さくさくSLIT 工法」の施工手順イメージ
以上






