2008年5月16日

戸田建設株式会社
ジオスター株式会社

経緯

戸田建設(株)(社長:井上舜三)とジオスター(株)(社長:篠原喜代司)は、浅層地下構造物の急速構築技術「さくさくSLIT 工法」に関する共同開発の一環で、太洋基礎工業(株) (社長:伊藤孝芳)の協力のもとに実物大施工性能確認公開試験を、5 月15 日に実施しました。
「さくさくSLIT 工法」は、RCプレキャスト部材を使用して比較的浅層の地下構造物全般を構築する新技術であり、大幅な工期短縮を主目的としています。既に設計方法などの技術体系の整備を完了しており、今回の実物大供試体を用いての試験により施工性能を実証したことで、本工法の技術整備をほぼ確立できたことから、今後、本工法の本格的な適用を睨み、関係方面に強くアピールしていきます。

さくさくSLIT 工法の説明

近年、都市再生の一環として、立体道路トンネルや駅前地下駐輪場・駐車場などのニーズが高まっています。これらの構築法としては仮設土留を用いた開削工法が一般的ですが、工事による周辺影響が長期に及ぶという課題がありました。「さくさくSLIT 工法」(Structuringof Lower Underground by Industrial Technologies)は、プレキャスト部材を用いた逆巻きの構築法を基本として、仮設土留機能を兼ねる側壁構築後にプレキャストの頂版を先行設置するなどして、地上部を早期に完成させてから内部の掘削・構築する開削地下構造物構築技術であり、仮設土留工の省略などによる工期短縮・工費低減を実現します。
本工法の大きな特徴は、RCプレキャスト部材とH鋼とからなる側壁部材にあります。側壁本体部となるRCプレキャスト部材の底面に施工時の支持杭及び側方土圧に抵抗するH鋼を連結した構造とすることで、側壁すべてをプレキャスト部材とする場合と比較して運搬や建込みの容易性を実現します。この側壁部材の建込みには残土削減に配慮したソイルセメント壁工法を採用して施工時の遮水性を確保するとともに、建込み後に止水板を配置できる止水構造を新たに考案し側壁本体部間の止水性能を確実なものとしています。側壁部材と頂版部材のプレキャスト部材間の接合はモルタル充てん継手、場所打ちとなる底版と側壁の接合は予めプレキャストの側壁部材に機械式鉄筋継手を配置しておくことで、各部材間を剛結合とした構造形式を基本としています。運搬上で頂版部材を分割する必要がある場合には頂版部材間はループ鉄筋継手などにより一体化します。また、計画する断面が幅広の場合には、側壁部材間に支持力を有するH鋼つきの中壁部材を建て込むことで、計画断面構成に応じた柔軟性を発揮できるため、浅層地下構造物全般に適用できる汎用性を有しています。

本工法の特長

  • 1.全体工期の短縮:底版部以外はRCプレキャスト部材で構築するため、大幅な工期短縮を実現できる。
  • 2.施工の合理化:本体の側壁部材が仮設土留部材や支保部材を兼用するため、施工の合理化が図れる。
  • 3.早期の地上開放:頂版の先行構築を前提としているため早期に地上部を完成・開放できる。
  • 4.周辺環境へ配慮した施工法:幅広断面の場合には、エリア分割により限定された範囲内で順次構築していけるので、工事中の地上利用への影響が少ない施工が実現できる。

施工性能確認試験の概要

「さくさくSLIT 工法」の施工性能を確認するために、実物大の供試体による施工試験を実施しました。試験の規模は幅員5m(延長12m、深さ約2.5m)の地下トンネルをイメージし、設計計算に基づき必要となる配筋を満たした2種類(側壁部材及び頂版部材)のフルプレキャスト部材を用いて完成断面までの構築を実際におこなう試験内容としました。その結果、所期の施工精度及び工期短縮効果を確保できることを実証しました。5 月15 日(木)の公開試験では、工法全般に関する説明のほか、トンネル完成までの各施工段階の状況をご覧いただくとともに、気泡安定液を用いたTRD工法による側壁部材の建込み及び頂版部材の架設作業を実演しました。

さくさくSLIT 工法:実物大施工性能確認試験状況

写真-1 施工性能確認試験状況

写真-1 施工性能確認試験状況
(左:H鋼付側壁部材建込み、右上:頂版部材の架設、右下:内部掘削)

さくさくSLIT 工法:実物大施工性能確認公開試験状況(5月15日)

写真-2 施工性能確認公開試験状況

写真-2 施工性能確認公開試験状況
( 上:頂版部材の架設、中及び下:H鋼付側壁部材建込み)

以上

ローカルナビゲーション

新着情報

Adobe Readerのダウンロード

PDFファイルをご覧いただくには、Adobe Readerが必要です。(無料)