2008年11月12日
戸田建設(株)
積水化成品工業(株)
戸田建設(株)(社長:井上 舜三)と積水化成品工業(株)(社長:小野 惠造)とは、格子状の発泡スチロールブロックを用いた軽量盛土技術「EPラティス工法」(Expanded Polystyrol)を共同開発しました。気泡モルタルによる軽量盛土工法などより軽量であり、かつコスト縮減が図れるため、発泡スチロールブロックを用いた軽量盛土工法の適用性拡大につながる工法として、今後、関係各所に積極的に提案していきます。
軟弱地盤上に安定した盛土構造を構築する際、地盤改良などによる地盤補強を最小限に抑えることができ、有効性を発揮する技術として軽量盛土工法があります。既往の軽量盛土工法には、軽量性の高い順に、発泡スチロールブロックを用いた工法、気泡モルタルを用いた工法、軽量盛土材を用いた工法などがあり、一般に軽量性に比例してコストが割高となる傾向があるため、計画地盤の強度や圧密沈下特性等に基づき必要となる軽量性を検討して、最も経済的となる工法が選定されているのが実状です。
EPラティス工法は、発泡スチロールブロックの軽量性に着目し、そのコスト縮減及び適用性拡大を目的として、格子状の発泡スチロールブロックとその格点部に配置した柱部材からなる複合構造を基本とした新しい軽量盛土工法です。盛土に作用する上載荷重などの鉛直荷重は柱部材で受け持ち、地震時などによる水平荷重については柱部材と格子状発泡スチロールブロックとの複合構造により構造安定性を確保します。これにより、従来の発泡スチロールブロックのみによる場合の軽量性には及ばないものの、気泡モルタルを用いた場合よりも軽量であり、かつ経済的となる軽量盛土工法を実現しました。
本工法の一般的な施工方法は、まず盛土底部に鉄筋コンクリート床版を構築し、その上に格点部に有孔があいた2連十字型の発泡スチロールブロックを格子状に並べ、鉛直方向に積層して中空の盛土体を構築します。その後、格点に貫通した有孔に鋼管などの強度性能に優れた部材を挿入し、コンクリートなどで発泡スチロールブロックと一体化します。最後に、盛土体の上部に鉄筋コンクリート床版を構築して、この複合構造体を上下床版で挟み込んだサンドイッチ状の盛土体を完成させ、側部には盛土体の防護を目的とした側壁パネル部材を設置します。なお、上下床版と柱部材とはピン結合として、柱部材に大きな曲げモーメントの発生を抑制することを前提としています。
本工法によれば、発泡スチロールブロックに大きな強度性能を有する必要がなく、かつ中空率を約半分以上にできるため、材料単価の低廉化及び使用数量減によるコスト低減を図ることができます。幅8m、高さ5mの盛土を構築する場合の試算では、気泡モルタルによる場合と比べて約2割のコスト縮減が実現できるとともに、比重を約半分の0.3程度に抑えられることから軟弱地盤などへの対応性も大幅に向上させることができます。発泡スチロールブロックのもつ施工性のよさによる工期短縮及び現地に設備プラントを設置する必要がないことも、気泡モルタルによる場合より優位な点です。また、盛土に作用する上載荷重などの鉛直荷重を柱部材で支持する構造であるため、供用後に盛土部が沈下する恐れがなく、メンテナンス性に優れていることも本工法の大きなメリットです。
戸田建設と積水化成品工業は、今後、本工法を積極的に提案し、コスト縮減を図れる軽量盛土工法として実用化を推進し、良質な社会資本整備を支援していきます。

図-1 EPラティス工法説明図(道路盛土の構築例)

図-2 EPラティス工法構造図(道路盛土の構築例)
以上
