2009年3月26日

戸田建設(株)(井上舜三社長)は、静岡市葵区で第二東名高速道路 静岡第五トンネル工事「戸田・奥村組土木・安藤JV」(発注者 中日本道路株式会社 東京支社 静岡工事事務所)を施工しています。静岡第五トンネル工事は、静岡市新間地区の新間谷川から都沢までの全長365mの区間の静岡第四トンネル(上り線)と、全長465mの区間の静岡第五トンネル(上り線)工事と、都沢から谷津までの全長775mのうち315m(460mは施工済)の静岡第六トンネル(上り線)工事です。本工事において使用した繊維コンクリート補強材は、戸田建設(株)・西松建設(株)・宇部日東化成(株)で共同開発したポリプロピレン製短繊維「シムロック」で、フレッシュコンクリートに混入し、硬化後の曲げじん性を高め、構造物供用期間中のコンクリート片剥落防止などを行うことを目的とした補強材料です。シムロックを混入することで発注者基準(1.4N/mm2)に対して3.3N/mm2の曲げじん性係数を達成しました。これによりコンクリートの耐久性等の品質が大幅に向上できました。

「シムロック」は、新開発のポリプロピレン短繊維を採用しており標準的な長さは40mmで、断面形状はX字にし、コンクリートとの付着強度を増加させるためさらに延長方向にエンボス(凹み)加工を施し、表面積が大きくより優れた補強効果を実現しております。その他の特長として密度(0.91g/cm3)及び断面積(0.363mm2)が小さく、長さ(40mm)も短いため単位体積当たりにより多くの繊維を投入できます。シムロック表面には、特殊親水油剤を繊維表面に均一付着させておりコンクリート内での分散性向上を図っております。「シムロック」は、主成分のポリプロピレン100%とし酸・アルカリに対して侵されず、有機繊維のため従来の鋼繊維(スチールファイバー)と違って錆びが発生しません。また鋼繊維と比較して繊維投入機械を磨耗することなく繊維投入者の手に繊維が刺さったり等の怪我の恐れがありません。コンクリート体積比0.3%混入した場合、質量が2.73kg/m3と少ない添加量で高い補強効果を実現します。
本工事においては、第二東名高速道路の大断面トンネルであることより全線に渡り繊維コンクリートを使用し、曲げじん性試験結果、NEXCO基準1.4N/mm2に対して3.3N/mm2を達成し、コンクリート片剥落防止性能を大幅に向上できました。

シムロック®の形状

シムロック®の形状

シムロック®を混入したコンクリート

シムロック®を混入したコンクリート

繊維投入状況

繊維投入状況

洗い試験機

洗い試験機

繊維投入は、新たに開発された繊維分散性に優れた専用の繊維投入機を使用して投入時間をデジタル表示とアラームによって管理しました。その結果、繊維が固まってボール状になること(ファイバーボール)もありませんでした。繊維混入率試験は、注水しながら攪拌することで確実な繊維の分離が可能な洗い試験機を使用し煩雑な作業の省力化と時間短縮を図っております。
また、施工後のコンクリート片の剥落も全くありませんでした。
戸田建設は、本工事で培った繊維補強コンクリートの技術を活かし、トンネル覆工コンクリートの剥落防止効果のある「シムロック」を今後繊維コンクリート補強材料として展開を図っていく予定です。

シムロック補強コンクリート施工によるトンネル完成写真

シムロック補強コンクリート施工によるトンネル完成写真

工事概要

工事名称 第二東名高速道路 静岡第五トンネル工事
工事場所 静岡県静岡市葵区谷津~新間
発注者 中日本高速道路株式会社 東京支社 静岡工事事務所
施工者 戸田・奥村組土木・安藤JV
工期 平成17年11月11日~平成21年3月24日
工事概要 延長 1,587m 幅員(トンネル部)15.0m 土工量 225,000m3
トンネル 3カ所 総延長 1,145(365 +465+315)m
第四トンネル(上り線) 全長365m
第五トンネル(上り線) 全長465m
第六トンネル(上り線) 全長775mのうち315m
橋台 1基
基礎工 深礎(Φ3.0m)L=18 m(全3本計)

用語の説明

曲げじん性
繊維補強コンクリートが破壊強度に達した後の残存強度が大きい場合、曲げじん性が大きいコンクリートと言えます。曲げじん性の大小は曲げじん性係数(換算曲げ強度)によって評価されます。
曲げじん性係数は、土木学会・鋼繊維補強コンクリートの曲げ強度および曲げタフネス試験方法(案)(JSCE-G 552-2007)に準じて算定します。

以上

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