2009年8月17日
戸田建設(株)(社長:井上 舜三)は、フジモリ産業(株) (社長:藤森 行彦)、早川ゴム(株) (社長:早川 雅則)と共同で、コンクリートの湿潤養生と保温養生を同時に行える、「うるおんマット」を開発し、当社が施工中の中日本高速道路(株)発注、首都圏中央自動車連絡道河原口高架橋(下部工)北工事(神奈川県海老名市)において試験施工を実施しました。
低温・低湿環境下や気温変動の大きい状況でのコンクリート施工において、施工直後の湿潤養生と保温養生は、コンクリート構造物の水和反応の促進、初期凍害・温度ひび割れ・乾燥収縮ひび割れの防止等、品質確保の上で極めて重要な要因です。一方、例えば高架橋梁の橋脚やトンネル覆工コンクリートにおいて湿潤養生と保温養生を同時に実施することは、現状では多くの手間や費用がかかります。
このような状況に鑑み、戸田建設は現在までにコンクリートの養生材料として湿潤・保温養生マット「Qマット」および湿潤養生マット「アクアマット」をメーカーと共同で開発し、多くの工事で採用されていますが、今回新たに、薄く軽量で、湿潤養生と保温性能を同時に実施できるうるおんマットを開発しました。
うるおんマットは厚さ約1mmの湿潤養生層と厚さ10mmの保温養生層を積層した厚さ約11mmの二層構造の養生マットです。
スラブ等の水平面の養生に加えて橋脚鉛直面等の構造物側面の養生も可能としており、橋梁スラブ・橋脚、カルバートボックス、トンネル覆工コンクリート等に適用が可能です。
以下にうるおんマットの特長を示します。
- 1. うるおんマットは、マットを吸水させ、養生対象の構造物表面に敷設するだけで湿潤養生と保温養生が同時に行える養生マットです。
- 2.構造物の上面、斜面、側面、底面等全ての面の養生が可能です。
- 3.うるおんマットの湿潤養生層は厚さ約1mmで、不織布に水膨潤ウレタンを点在させることによって1平方メートル当り800mlの初期保水量を確保しています。
水膨潤ウレタンに取込まれた水は、直射日光や高温によって蒸散しにくく、重力による離水も殆どありません。うるおんマットに水を含ませた後、養生対象の構造物表面に敷設するだけで、途中で散水を行うことなく長期間コンクリート表面の湿潤性を保つことができます。 - 4.うるおんマットの保温養生層には、厚さ10mmの吸水性のない新開発の発泡ポリエチレンを採用しています。湿潤養生を同時に行うことによる保温性能の低下はありません。
夜間の外気温が氷点下になり、平均風速も5.0m/sと大きい寒冷時、屋外の構造物をうるおんマットで湿潤・保温養生を行った場合、保温養生性能を示すうるおんマットの熱伝達率は6.2W/m2・Kとなりました。同時に計測した、簡易保温養生材料として一般的に使用される気泡緩衝材を用いた保温養生材料(他社製品)の熱伝達率9.8W/m2・K、無養生の場合の熱伝達率20.9W/m2・Kと比較して、優れた保温養生効果が確認されました。 - 5.うるおんマットで構造物を湿潤養生することにより、乾燥収縮ひび割れの低減とコンクリート水和反応の促進が図れます。また保温養生することにより温度応力によるひび割れの低減と凍害防止が図れます。
- 6.うるおんマットで構造物を湿潤養生することにより、コンクリート構造物の中性化、塩分浸透および凍結融解等による劣化に対する耐久性が向上します。
- 7.うるおんマットの標準仕様は、幅1m、長さ20mですが、現場で容易に切断やハトメ加工が可能です。
- 8.うるおんマットの質量は、約800g/m2と軽量で、水を含ませた場合でも約1,600g/m2ですので、養生対象面への敷設作業は容易です。
- 9.うるおんマットは繰返し使用が可能です。
今後当社では、うるおんマットを用いた構造物の湿潤・保温養生を、橋梁橋脚を始め、トンネル覆工コンクリート、カルバートボックス等へ展開し、一段と高レベルのコンクリート構造物の品質確保を図る計画です。
また、うるおんマットは販売店を通じて外販も行います。

うるおんマット外観

河原口高架橋におけるうるおんマット敷設状況
以上
