2009年10月5日
戸田建設(株)を幹事会社とする8社で構成される共同開発グループは、杭の頭部の地盤を格子状に改良することで、低コストで杭の耐震安全性を確保できるヘッドロックパイル工法を開発し、2009年6月に(財)ベターリビングより技術評定を取得しました。
- ヘッドロックパイル工法共同開発グループ 加盟会社(五十音順)
幹事会社:戸田建設(株)(社長:井上舜三)
安藤建設(株)(社長:山田恒太郎)、ジェコス(株)(社長:岩本宣彦)、成幸利根(株) (社長:渡邉秀男)、(株) トーヨーアサノ(社長:植松眞)、西松建設(株)(社長:近藤晴貞)、間組(社長:小野俊雄)、三谷セキサン(株)(社長:三谷進治)
杭頭部に液状化層や沖積粘性土層が堆積する軟弱地盤では、地震時の杭頭変位や曲げ応力が大きくなるため、一般的に耐力および靭性の大きい外殻鋼管付き高強度コンクリート杭(SC杭)や拡頭杭が使用されます。ヘッドロックパイル工法は、杭頭部の地盤を格子状に改良することにより、杭の応力・変形を低減し、杭と基礎躯体のコストダウンおよび環境負荷の低減を可能とします。
ヘッドロックパイル工法の特長は、以下のとおりです。
- 1.軟弱地盤において地盤の抵抗(水平地盤反力係数)を増大させ、杭頭応力・変形を低減し、杭のコストダウンをはかります。例えば、杭径の低減、外殻鋼管付き高強度コンクリート杭を鋼管なしの高強度コンクリート杭へ変更などが可能となります。
- 2.杭に発生するモーメントが小さくなるため、基礎梁の負担応力を低減し、基礎梁断面が縮小できるので、基礎躯体のコストダウンがはかれます。
- 3.基礎梁断面の縮小に伴い掘削土量が削減できます。
ヘッドロックパイル工法は地盤改良体の施工方法と形状により、浅層混合処理工法による地盤の浅い部分に板状の改良体を造成する表層型と、ソイルセメント柱列壁工法による地盤の深い部分まで壁状に改良体を造成する深層型に分類されます。さらに、杭と杭を連結するグリッドタイプに加え、必要性能に応じてスパン中央部の改良を省略したクロスタイプも採用可能としています。
ヘッドロックパイル工法の開発にあたっては、実大の杭を用いた載荷試験により、杭頭応力・変形の低減効果を確認すると共に、杭および地盤改良体の施工品質を確認しました。
共同開発グループではこれらの結果を取りまとめて、2009年6月に(財)ベターリビングより技術評定を取得しました。
また、これらの成果について、8月に東北学院大学で開催された日本建築学会大会において発表しました。
ヘッドロックパイル工法は、地盤条件としては、支持杭基礎において表層部に沖積粘性土層や液状化層のような軟弱地盤が堆積する場合、建物条件としては、学校や倉庫等、矩形で柱本数が多く、地下のない中・低層の建物に採用するのが最適です。
試算によると、ヘッドロックパイル工法の採用により、条件が合えば10~20パーセントの基礎工事費のコストダウンが可能となります。
これまでに3件の建物に適用して、その効果を確認しています。
基本特許については、グリッドタイプ、クロスタイプそれぞれについて、現在出願中です。
開発グループ8社では、杭のより高い耐震安全性の確保と同時にコストや環境負荷の低減が可能な基礎工法であるヘッドロックパイル工法の適用を進め、社会資本整備に貢献していく予定です。
- ヘッドロックパイル工法の概要

Head Lock Pile工法概要図(深層型/グリッドタイプ)

◆表層型(浅層混合処理工法)

◆深層型(ソイルセメント柱列壁工法)
- 施工状況写真

杭と地盤改良体の取り合い

クロスタイプの地盤改良体
- 試設計による構造性能の比較

杭体の曲げモーメント分布

杭体の変位分布
- 評定書

以上
