2009年10月6日
社会資本施設を「長く、大切に」供用していくことが求められています。限られた予算の中で、社会資本施設の長寿命化を図っていくためには、構造物建設時のコスト縮減と同時に高品質、高耐久化技術が必要です。
戸田建設株式会社(社長:井上舜三)は、フジモリ産業(株)(社長:藤森 行彦)、早川ゴム(株)(社長:早川 雅則)と共同で、コンクリート構造物の高品質・長寿命化を図ることを目的とした各種養生技術の開発を実施しています。
その一環として、これまで積極的な養生が実施されていなかった、シールドトンネル工事における現場打ち二次覆工コンクリートを対象に、当社開発の「うるおんマット」を用いた「うるおんマット・シールド養生工法」を開発しました。
今般、本工法を当社施工中の鳥取市都市計画事業片原貯留管築造工事内(発注者:鳥取県鳥取市)、におけるシールドトンネルの現場打ち二次覆工コンクリート区間(内径Φ3500mm)において初適用致しました。
シールドトンネル内などの狭小空間では、従来、通風防止シートの利用や散水による養生が一般的でした。しかし、この方法では坑内が高温・多湿となり作業環境が低下することや、養生効果の定量的評価が困難でした。
新しく開発した「うるおんマット・シールド養生工法」は、湿潤と保温性能を兼ね備えた「うるおんマット」背面にプラスチック段ボールを設置し、支保材として軽量かつ形状保持性能を有するFRPロッドを利用しています。
この結果、人力により容易に、また、短時間で設置可能であり、坑内を高温多湿にすることが無く作業環境を維持したまま、湿潤および保温養生が可能であることを確認しました。また、コンクリート面から5cm程度の厚みしか必要ないため、作業員や資材の通行に支障がありません。
- 1. うるおんマットによる高い養生効果
うるおんマットは、湿潤養生層と保温養生層を積層した厚さ約11mmの二層構造で、湿潤養生と保温性能を同時に実施できる養生マットです。800ml/m2の保水量を確保し、高い保温性能(熱伝達率6.2W/m2・K:屋外実験データ)によって、温度応力や乾燥収縮ひび割れの低減とコンクリート水和反応の促進が図られます。また保温養生することにより温度応力によるひび割れの低減と凍害防止が図られます。 - 2. 軽量化による施工性の向上
本工法に用いる材料は、うるおんマット(湿潤状態約1.6kg/m2)とプラスチック段ボール(0.8kg/m2)、支保材となるFRPロッド(0.24kg/m)のみです。軽量化したことで人力により短時間での組立作業が可能です。 - 3. 良好な坑内環境の維持
従来、シールドトンネルにおける現場打ち二次覆工コンクリートの養生は通風防止シートの利用や散水による養生が一般的であったため、トンネル内が高温・多湿となり作業環境が低下することや、養生性能の定量的評価が困難でした。本工法を適用することで良好な作業環境を維持することが可能です。 - 4. あと工程への影響軽減
シールドトンネル工事では閉塞狭小区間での作業となるため、作業員や資材の通行空間の確保が重要となります。本工法ではコンクリート表面から5cm程度の厚みしか必要ないため、通行への影響がありません。
当社では、うるおんマットを用いた構造物の湿潤・保温養生を、橋梁高架橋(うるおんマット・橋梁高架橋養生工法)で実現しています。今般、更にシールドトンネルでも実用化に成功しました。

写真1 うるおんマットの全景

写真2 うるおんマット断面(上:保温層、下:湿潤層)

写真3 うるおんマットと背面の
プラスチック段ボール積層状況

写真4 FRPパイプによる設置状況

写真5 設置状況

写真6 設置完了状況1

写真7 設置完了状況2
以上
