2010年6月14日

戸田建設(株)(社長:井上 舜三)は、フジモリ産業(株)(社長:藤森 行彦)、早川ゴム(株)(社長:早川 雅則)、(株)流機エンジニアリング(社長:西村 章)と共同で、山岳トンネル覆工コンクリート用の養生工法を開発し、今般、当社施工中の独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構発注:北陸新幹線高丘トンネル工事内において実証施工を実施し、養生効果や施工性の確認を行いました(写真1参照)。

山岳トンネル覆工コンクリートの施工において、セントル型枠脱型後の湿潤および保温養生は、セメントの水和反応促進や、温度および乾燥収縮ひび割れの抑制、長期耐久性の向上など品質確保の上で重要な工程となっています。しかし、覆工コンクリート内面において湿潤養生と保温養生を同時に実施することは、多くの手間と費用を要しているのが現状でした。

対策として、戸田建設は、当社開発済みの湿潤および保温養生の同時養生が可能な「うるおんマット」を養生材とし、養生材の支持フレームとしてFRP(ガラス繊維補強プラスチック)製軽量部材等を利用することによりシステム全体を軽量化し、施工性を向上させた結果、従来工法と比較して、養生効果が高く、施工性の良い、低コストの、新しい独自の養生システムを実現することができました。

写真1 システム全景(現場適用時)

工法の特徴

1.湿潤・保温性能
養生マットは湿潤層(t=1.8mm)と保温層(t=10mm)を有します。湿潤層部の初期保水量は800g/m2であり、湿潤状態におけるマットの総重量は1,600g/m2です。湿潤層は水膨潤ウレタンを使用しており、一旦保水された水は重力によって離水することなく湿潤性を保持することができるため、覆工コンクリート内面の養生が可能です。また保温層は発泡ポリエチレンであり、柔軟な材料のため加工しやすく、覆工コンクリート内面の曲率に対する追従性に優れています(写真2参照)。
養生マット:製品名「うるおんマット」 特許出願中 NETIS登録済み

写真2 養生マットの断面と全景

2.軽量化による施工性向上
養生マットの背面は軽量化と覆工コンクリート内面曲率への追従性を考慮し、FRP(ガラス繊維補強プラスチック)ロッド(中空パイプ状)を使用した構造としました(写真3参照)。また、養生マットを支持するフレーム本体は、トンネル断面にフレキシブルに対応させることや軽量化を目的として、角パイプ(□100×100mm)や単管パイプを組み立てる構造としています(写真1、4参照)。
この結果、システム全体の軽量化(約2.5t/10.5m)が可能となり、トンネル坑内の移動や設置作業が容易で、施工性が向上することを確認しました。

写真3 養生マット支持構造

写真4 フレーム構造

3.養生効果の確認
現場内で実施した、試験体を用いた養生効果確認試験の結果、本工法の養生(コンクリート打設後材齢7日)により、無養生と比較して、コンクリート表面強度が30%程度向上することや、中性化速度が25%程度低減することを確認しました。

4.コスト低減
コストは他社開発工法と比較して30%程度低減できると試算しています。

以上

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