2010年8月16日

戸田建設(株)(社長:井上舜三)は、RC梁の主筋を、U型筋を用いた重ね継手により接合する工法を開発し、(財)日本建築総合試験所で建築技術性能証明を取得しました。

本工法は、鉄筋コンクリート(RC)造梁部材のスパン内中央付近で、梁の両材端部から配置される梁主筋(上端筋および下端筋)の末端部に90度折曲げフックを設け、この部分に両端に90度折曲げフックを設けたU型筋を配置することにより、重ね継手を構成するものです(『戸田式RC梁重ね継手工法』工法概念図参照)。本工法は特許を取得しています。
本工法を用いることで、施工性の向上が図れるとともに、継手部のコスト削減も図れます。

『戸田式RC梁重ね継手工法』工法概念図

配筋写真(試験体)

梁主筋間の引張力の伝達は、梁主筋およびU型筋の直線部の付着力と鉄筋末端に設けた90度フック部の支圧力により、コンクリートを介して伝達されます(梁主筋間の引張力伝達の概念図参照)。鉄筋末端に90度フックを設けることにより、直筋を用いた場合と比較して、継手区間の長さを短縮しています。

梁主筋間の引張力伝達の概念図

従来、梁主筋の継手には、ガス圧接継手、機械式継手、溶接継手などが用いられています。
これらはいずれも、梁の両材端部から配置される梁主筋を直接的に接合するものです。現場でコンクリートを打設する在来工法では、梁主筋を継ぐ際に鉄筋は固定されていないため、長さや位置を調整しながら鉄筋を継ぐことが可能です。
また近年は、工期短縮、施工の合理化や地球環境への配慮から建設廃材の縮減などを目的として、プレキャスト(PCa)部材を採用する工事が増加してきています。プレキャスト(PCa)部材を使用する場合においては、梁の両部材端から配置される梁主筋は、PCa梁に打ち込まれて固定されているため、これらを接合するためには、主筋の位置や長さ等に高い精度が要求されます。
これらに対して本工法は、梁の両材端部から配置される梁主筋を、直接的に接合するのではなく、U型筋を介して間接的に接合する工法です。従って、上記の継手工法に比べ、接合する主筋の位置や長さ等の許容差を大きく取ることができ、施工性の向上が図れます。また、継手部のコストが10%程度低減されます。

本工法の開発に際しては、常時(鉛直)荷重および地震時(水平)荷重に対する性能確保を目的とした構造実験を行って、安全性を確認しました。本工法で使用可能な材料の範囲は、コンクリート設計基準強度で最大60N/mm2、鉄筋材質で最大SD490、鉄筋径は最大D41としており、一般的な材料を用いた低層RC建物から高強度材料を用いた超高層RC建物への適用も可能としています。

今後、今回開発した『戸田式RC梁重ね継手工法』を、当社が多くの実績を持つ超高層RC造建物のプレキャスト部材を中心に適用していく予定です。

性能確認構造実験

性能確認実験結果の荷重-変形関係

以上

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