2012年1月17日

戸田建設(株)(社長:井上舜三、以下戸田建設)は、(株)村田製作所(社長:村田恒夫、以下村田製作所)の無線技術と、山田照明(株)(社長:山田光夫、以下山田照明)のライティング技術によるタスク&アンビエント照明の節電・省エネ効果の実証実験を、1月4日から戸田建設本社ビル「環境展示コーナー」と技術研究所「室内環境比較実験室」において三社共同で開始しました。
『ZigBee ®』※1の無線ネットワークで制御される照明システムを事務所・研究所に設置するのは、戸田建設・村田製作所・山田照明の三社ともに初めての事例となります。

写真1 環境展示コーナーに設置された照明

写真2 タブレット端末で照明調光を制御
1.三社共同での実証実験の背景
各業界における事業領域は年々広がっており、村田製作所は部品の高機能化・複合化や環境・エネルギーを見据えた事業展開の推進、山田照明は高度な照明制御技術の導入、戸田建設においては2020年までのZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)※2実用化を掲げており、コア技術の検証を早期に推進していく必要がありました。今回のタスク&アンビエント照明は、昨年2月から村田製作所との技術交流会において基礎技術の検証実験を共同でスタートさせた中の一つです。村田製作所、山田照明、戸田建設の三社が得意とする分野でそれぞれ対応した結果が、今回のリリースに繋がりました。

写真3 技術研究所の室内環境比較実験室

写真4 タスク&アンビエント照明で調光制御
当社は適切な室内環境を、より少ないエネルギーで実現できる技術の開発及び確立を目指しており、無線通信技術と電源制御技術を駆使したタスク&アンビエント照明の技術は、人に優しい「スマートビル」実現の大きな武器になると考えています。また、技術研究所において様々な照度条件や設備稼働条件を設定して継続的な省エネデータを計測・蓄積できるほか、本社ビル「環境展示コーナー」にも同様のシステムを設置することで、発注者からの様々なニーズや反応を見ることができると考えています。今年4月には村田製作所東京支社において実稼動オフィスでの実証実験も予定しており、三社での省エネデータ共有も更に推進していく予定です。
2.タスク&アンビエント照明システムの特徴
タスク(task:作業)とアンビエント(ambient:周囲)の2つの照明設備を用意し、タスク照明を部分的に点灯し作業面の明るさを十分に確保しながら、アンビエント照明の照度レベルを低く設定することで、無駄なく快適な視環境を実現できます。
最適な照度設計をするためには照明器具を無線で一括コントロールすることが求められますが、照明制御についてはタブレット端末またはスマートフォンにアプリケーションをダウンロードするだけで簡単に点灯・消灯・調光が制御できるため、余分な点灯時間を減らすことで節電や省エネに貢献します。
3.無線通信技術と電源制御技術の活用
これまでも天井照明だけなら、電力供給線や制御信号線などによりコントロール出来ましたが、デスクライトなどコンセントから電力供給される機器も含めた一括制御は難しく、お客様が求められるオフィス空間での節電や省エネのニーズに、新しい技術や取り組みが必要でした。
『ZigBee ®』を組み込んだ無線モジュールを照明器具に組み込んで、アンビエント照明とタスク照明を連携させることで照明制御が容易になり、消費電力の「見える化」、「一元管理」が可能となりました。また、無線通信のため将来のレイアウト変更にも容易に対応できるフレキシブル性に優れています。アンビエント照明はフロアスタンドを活用するため、コンセントがあれば電気工事の施工が不要となります。
またLEDを駆動する電源回路が無線回路と連係して動作させるために、村田製作所が開発した電源モジュールを採用しシームレスな照明システムを構築することが可能となりました。
タスク&アンビエント照明に加え、今後は人感センサーや照度センサーを利用し連携して照明制御を行うことで、一層の節電・省エネが可能となる拡張性の高いシステムです。
4.異業種メーカーとの技術連携について
戸田建設は村田製作所との共同実証実験としての第2弾となります。前回リリースした『自己発電型の無線照明制御スイッチシステム』に加えて、今回は新たに山田照明のライティング技術を加え、タブレット端末での操作を選択できるなどタスク&アンビエント照明における照明制御の多様性をも生み出しました。
今後は、エナジーハーベスティング技術※3との相乗効果も期待しており、共同実証実験で成果を得れば、新築案件のみならずリニューアル市場への営業提案が出来るものと考えています。
- ※1 ZigBee ®:短距離無線通信規格のひとつであり、複数の端末機器を一括で制御出来る。省電力で低ストという特徴がある。ZigBee ®は、ZigBee Allianceの登録商標です。
- ※2 ZEB:自然エネルギーを最大限活用し、オフィスビルに最適な省エネルギー技術を駆使することで、建物で使用するエネルギーを実質的にゼロにする建築物構想
- ※3 エネルギーハーベスティング技術:身の回りのエネルギーを電力に変換することで、振動、熱、光など失われている僅かなエネルギーを回収し、電気に変換する技術。
以上
