2017年6月1日

戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、(株)アクティオ(社長:小沼 直人)が開発した「重機の緊急停止装置」を大蓉ホールディングス(株)(社長:西田 喜代子)とともに広く現場で活用しています。本装置の採用によって不測の事態で作業員が重機に接近した場合には重機が自動で緊急停止するため、作業員の安全をより確実に確保できるようになりました。3社は今後、重機の大きさによって立ち入り禁止区域の範囲を調整できるように本装置の改良を進め、様々な重機や工事計画に対応ができるよう発展させていきます。

写真1 作業員と重機の近接作業状況-1

写真2 作業員と重機の近接作業状況-2

1.採用の背景

建設重機と人との混在作業による災害の防止は、安全に対する新たな考え方として「安全は、中心と なる価値である」を掲げる当社の最重点管理項目の一つですが、重機の駆動輪に巻き込まれる災害や接 触災害が毎年発生しています。

<災害の要因と問題点>

① 重機オペレーターが作業に集中するあまり、周囲の作業員の存在を見失うことがあります。また オペレーターが重機の旋回動作等により方向感覚を失ってしまうこともあります。

② 従来の重機安全装置として、警報を鳴らす装置を採用していましたが、重機の機械音が大きいこ とや作業員が耳栓を使用しているなどの場合があり、本来の機能を生かせていない状況でした。

③ 様々な建設重機があるなかで、現状ではセンサーを用いて緊急停止する重機はほとんどありませ ん。開発環境の整備も広く求められている状況です。

2.緊急停止装置の特徴

図 1 緊急停止イメージ
(立入禁止範囲を6mに設定したバックホーの場合)

このような背景から、当社では建設重機が本来備える非常停止機構を利用した 「重機の緊急停止装置」を採用しました。重機運転室に緊急停止装置本体(親機)を取付け、周囲の作業員はヘルメットセンサー(子機)を身に着けることにより、所定の距離へ重機と作業員が接近した場合に重機が緊急停止します。また、緊急停止装置本体(親機)は停止と同時に警報音を発し、センサー(子機)は警報音と振動を発するためお互いが接近に気付くことにより接触等の事故を確実に防ぐことができます。

3.本システムの概要

① 作業員が立入禁止範囲内(3~6mまで調整可)に入ると重機の全ての動作が緊急停止します。

② オペレーターと作業員に警報音と振動で知らせ、完全停止します。

③ 作業員が立入禁止範囲内にいる場合、停止を続行します。

④ 作業員が立入禁止範囲外に出れば、通常作業可能となります。

⑤ 受信機5チャンネル式のため、重機が5台までであれば同時運転でも混信しません。

図 2 システム概要図(バックホーの場合)

4.今後の展開

戸田建設は、中期経営計画2019で掲げる「生産性No.1・安全性No.1の進化」の実現に向けて取り組みを進めています。
今回の「重機の緊急停止装置」の採用もその具体的な取り組みの一つであり、この装置の活用により、ヒューマンエラーによる重機との接触災害を大幅に低減することが可能です。現状、赤外線センサーによって周囲の作業員を感知していますが、今後は3社でカメラ型等の次世代センサーに切り換えることにより、ヘルメットを被っていない第三者との接触災害の防止にも役立てていきます。また、それ以外にも様々な重機にも対応できるよう開発を進めていきます。