2017年9月28日

戸田建設(株)(社長:今井雅則)は、高性能、かつ経済的な「座屈拘束ブレース(補強材)」を開発しました。
細長い形状のブレースは、一般に引張に強く圧縮に弱いという特徴があります。これに対し、座屈拘束ブレースは芯材が圧縮力によって座屈しないよう周囲を拘束材で補強したもので、従来ブレースよりも多くの地震エネルギーを吸収します。さらに、芯材を覆う拘束材を分割型とすることで、座屈拘束ブレースの性能に多大な影響を及ぼす充填材の平滑性や芯材とのクリアランスを高精度で管理することが可能となりました。これにより充填材の選択肢が広がり、部材のコストダウンも実現しました。

図1 座屈拘束ブレースとその構成

図2 座屈拘束ブレース(実物)とその適用イメージ

1.開発の背景

建物の変形を防ぐために用いられる耐震・制振デバイスには、高精度の品質を確保し、引張力に対しては勿論のこと、圧縮力に対しても高い強度と靱性を持ち、かつ安価であることが求められます。圧縮耐力の向上を図った座屈拘束ブレースは既にメーカーによって開発がなされていましたが、高価であるため、建築全体のコストダウンには寄与していないことが実情でした。

2.本技術の特長

本技術は以下の特長を有します。

  • 芯材となる鋼材を2つの拘束材で挟み込み、一体化し拘束することで、芯材の座屈を防ぐ。
  • 引張と圧縮で同様の性能を発揮できるため、通常のブレースと比較して、より多くの地震エネルギーを吸収することができる。
  • 通常のブレースと比べて設置箇所数の削減が可能であるとともに躯体断面も低減でき、建物のトータルコストの削減に繋がる。
  • 拘束材を分割型とすることで、充填材の充填状況や平滑精度、芯材と拘束材のクリアランス等を目視により確実に管理することができる。
  • 高精度な品質管理によって、充填材に普通コンクリートを用いても従来の高強度モルタルを用いた場合と同等の耐震性能を確保できるため、部材自体のコストダウンを実現。

本技術の現場適用に際して、充填材の充填は自社工場(成田PC工場)で行うため、一貫した精度管理とローコスト化が可能です。なお、本技術は神奈川大学岩田研究室※1の指導の下、(一財)日本建築センターから一般評定を取得しています。

※1 http://www.arch.kanagawa-u.ac.jp/建築構造コース/サステナブル構造研究室

図3 分割型拘束材における充填材表面の精度管理

3.今後の展開

当社では、お客様に地震に強い建物を提供するために、本技術を設計施工物件を中心に、積極的に提案していきます。