2017年10月2日

戸田建設(株)(社長:今井雅則)、フクビ化学工業(株)(社長:八木誠一郎)は、集合住宅などの天井裏に置くだけで、階下に伝わる人の飛び跳ね音や歩行音(重量床衝撃音※1)を低減できる粒状床衝撃音低減材「サイレントドロップ®」を共同開発し、2017年10月10日からフクビ化学工業(株)より販売します。
集合住宅では重量床衝撃音の低減は重要な課題です。「サイレントドロップ®」は、再生樹脂を造粒加工した軽い材料(特殊遮音粒材)で、これを天井裏に敷設するだけという簡便な施工で重量床衝撃音低減の効果が得られ、この課題を解決することができます。後述のように、重量床衝撃音低減のためにコンクリートスラブを厚くする必要がなく、ローコストでの対策が可能です。

※1 重量床衝撃音:上階で人が飛び跳ねたり、重いものを落とした衝撃によって発生し、階下に伝わる低い音のこと。近年は、歩行に起因する比較的小さな重量床衝撃音でもクレームの原因になっています。

写真1 サイレントドロップ®
(サイズ:450mm×450mm)

写真2 特殊遮音粒材

1.開発の背景

(公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談統計年報※2によれば、音環境関連の相談の中では重量床衝撃音に関する相談の件数が最も多く、その遮断性能は集合住宅居住者の関心が非常に高い環境性能項目であるといえます。重量床衝撃音遮断性能は床の剛性や重量に依存するため、従来はコンクリートスラブを厚くする方法や乾式二重床のフローリング下に高価な制振シート(高比重アスファルト系など)を挿入する方法などの対策がとられてきました。しかし、これらの対策は床荷重の大きな増加を伴い、床だけでなく柱や梁などの建物全体の構造に負荷を与えることから、大きな重量の増加を伴わない重量床衝撃音の改善方法が強く望まれてきました。
また、近年は環境問題や循環型社会に対応すべく、既存集合住宅ストックの再生・活用が進む中、リノベーションによる重量床衝撃音遮断性能の改善手法が求められています。

※2 (公財)住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談統計年報2009,P66,住宅の音環境に関する不具合相談や裁判例 の分析

2.本技術の特徴

図1 在来天井に対する重量床衝撃音レベル改善量

図2 天井断面詳細図

写真3 サイレントドロップ®の天井裏への
敷設状況(イメージ)

① 優れた重量床衝撃音遮断性能
「サイレントドロップ®」は、特殊遮音粒材同士の摩擦等により、天井の振動エネルギーを効率的に吸収し、重量床衝撃音の放射を抑制するもので、従来のスラブ厚さや床仕上げで対応する方法に比べ、圧倒的に軽量な重量床衝撃音対策です。「サイレントドロップ®」は、1個あたり4kgの特殊遮音粒材が袋詰めされたもので、天井1m²あたり1.5~2個を設置します。設置重量は1m²あたり6~8kgとなり、石膏ボード(9.5mm)と同等でありながら、重量床衝撃音を2ランク(10dB)まで低減することを実験で確認しています(図1)。この効果量は、コンクリートスラブ厚さを100mm以上厚くするのに相当します。

② 天井にのせるだけの簡単施工
施工方法は、「サイレントドロップ®」を天井裏に敷設するだけのシンプルな作業です。「サイレントドロップ®」を、野縁間に天井ボードと密着するように敷設します(図2)。重量床衝撃音が聴こえる側である下階から施工できるため、新築工事以外に、重量床衝撃音対策を目的とした改修工事にも利用可能です。

③ 地球にやさしいリサイクル材
「サイレントドロップ®」は、再生樹脂を主原料とし、造粒加工を行った特殊遮音粒材を包装したものです。

3.規格

名称 サイズ 質量 単品価格 梱包価格 梱包内容
サイレントドロップ® 450mm×450mm 4㎏/個 ¥4,000/個 ¥16,000 4個入

4.今後の展開

本技術により、構造的な荷重負担を抑えつつ、ローコストかつ簡便に重量床衝撃音を大幅に低減することが可能になります。当社は今後、「サイレントドロップ®」を新築工事やリノベーションなどの改修工事に積極的に活用し、建物の音環境の改善に貢献していきます。