2017年12月11日

戸田建設(株)(社長:今井雅則)と(株)岩崎(社長:古口聡)は、3Dレーザースキャナ※1を活用し、トンネル覆工における鉄筋のかぶり厚さを三次元で管理しました。従来のかぶり厚さ計測では、高所の作業が必要となるうえ、多大な労力と時間を要していました。しかし、3Dレーザースキャナを活用することで、高所での作業が不要となり、計測作業の省力化と安全性の向上を実現しました。また、計測結果を三次元データで「見える化」することも可能となり、品質向上にも繋がります。

※1:計測対象物にレーザーを照射することで、対象物の空間位置情報を取得することができる計測機器

図1 かぶり厚さ評価の概要図

写真1 3Dレーザースキャナによる計測状況

図2 かぶり厚さの設計値との差の割合を三次元データで「見える化」
(±100%以内がかぶり厚さの基準を満たす範囲)

1.開発の背景

コンクリート構造物におけるかぶり厚さは、コンクリートの耐久性に多大な影響を及ぼすため、適切なかぶり厚さを確保することが、構造物を長期的に活用する上で重要となります。
従来のトンネル構造物におけるかぶり厚さ計測は、セントル※2設置後にセントルの検査窓などから検測ロッドを用いて人力で計測しており、高所での計測作業が生じるため多大な労力と時間を要していました。

※2:覆工コンクリート打設用のアーチ状特殊型枠

写真2 セントル全景

写真3 従来のかぶり厚さ計測状況
(セントルの検査窓から計測)

2.3Dレーザースキャナ計測の概要

3Dレーザースキャナをトンネル覆工の鉄筋計測に活用することで、安全かつ短時間でかぶり厚さの評価が可能となりました。手順は以下の通りです。

  • (1)セントル設置前に高精度の3Dレーザースキャナを用いて、トンネル内部を計測します。
  • (2)鉄筋の設計位置と実測位置との離れ距離を算出し、さらにトンネル覆工の計画線との距離をかぶり厚さとして算出します。
  • (3)かぶり厚さの設計値との差の割合をヒートマップカラー※3により、三次元データと色で「見える化」します。

※3:割合を可視化したもの

3.3Dレーザースキャナ計測の特徴

  • (1)生産性向上
    機械による自動計測が可能となり、従来の手動計測に比べ広い区間を一人で計測できるため、計測作業における労力と時間を削減できます。
  • (2)安全性向上
    地上から容易に計測できるため、高所での計測作業が不要となり安全性も向上します。
  • (3)品質向上
    セントル設置前にかぶり厚さを面的に評価し、計測値を三次元データで「見える化」できるため、かぶり厚さが不足している箇所を視覚的に把握することができ、トンネル構造物のさらなる品質向上に寄与します。

4.今後の展開

当社は本技術の実証実験を施工中の山岳トンネル工事にて実施し、その有効性を確認しました。今後は本技術をトンネル以外のコンクリート構造物へ展開することに加え、鉄筋の本数及び配筋間隔を評価する手法を検討し、施工管理の省力化と安全性の向上に努めていきます。