2017年12月21日

戸田建設(株)(社長:今井雅則)は、茨城県常総市内で、農業6次産業化に向け競争力のある農業モデル(施設園芸)の実証に取り組む「TODA農房」(本年3月稼働)において、いちごの収穫を開始しました。
「TODA農房」は、施設園芸事業への参入も視野に、農業6次産業化に向けて、取り組みやすく生産性の高い農業モデルの実証と周辺地域への普及を目的とする施設です。農産物の栽培・出荷・販売の実践を通じたノウハウの蓄積やIoTを活用した先端的な農業関連技術の開発により、競争力のある農業モデルを実証するほか、施設園芸を浸透させるための取り組みなどを行っています。

※1 農業6次産業化:多数の地権者が所有する農地を集約・大規模化すると同時に生産・加工・流通・販売までの一貫した事業施設を整備する6次産業化により競争力ある農業の実現を目指す取り組み。当社が参画する常総市における取り組みは、日本初の事例となることを目指している。(農業6次産業化及び「TODA農房」に関しては、2017年3月30日付リリース「常総市での農業6次産業化を目指す取り組みが進展」(http://www.toda.co.jp/news/2017/20170330.html)を参照。)

1.取り組みやすく生産性の高い農業の実証〜地域への施設園芸の浸透が順調に進展

農業6次産業化に向けては、対象地域におけるより生産性の高い農業(施設園芸)の実現性を実証し、稲作などの従来農業からの転換を推進していくことが重要な取り組みとなります。このため、「TODA農房」では、経験の少ない方にも取り組みやすい施設園芸事業を農業モデルとして構築・実証し、なじみのない地域に浸透させることを設立目的のひとつとして、以下のような取り組みを行っています。

栽培ベッドに実をつけたいちご

① 取り組みやすい栽培方法の採用

本施設では、高設溶液栽培※2というシステムを採用。腰を曲げずに楽な姿勢で作業ができ、また管理のしやすい水耕栽培であることから、栽培スタッフには取り組みやすさが好評です。

※2 高さ80cm程度に設置した栽培ベッド(高設ベッド)に、ヤシ繊維などを原料とした培地を充填し、水に養分を溶かした養液を計画した量、頻度で自動的に供給するいちごの栽培方法。水耕栽培であることから、養分の伝達経路の解析などが土耕栽培に比べ容易で、IoTを活用した管理にも適している。

② 地元住民の方を中心に栽培を委託

栽培スタッフ全員(5名)が高設溶液栽培未経験者(いちごの栽培経験者が1名)という状況からスタートし、種苗業者や資材業者の担当者との定期的なミーティングを行うなど、ノウハウを習得しながら、無事に今回の収穫に至ることができました。

2.IoTの活用による省力化と労働環境改善への取り組み〜先駆的農業モデルの実現へ

「TODA農房」では、IoTの活用による農業分野での省力化や労働環境の改善を技術開発テーマとして、より競争力の高い農業モデルの実現にも取り組んでいます。

データ計測・継続イメージ

① さまざまな環境データを計測・活用

重点的な取り組みの一つとして、ハウス内外の多地点に設置したセンサで計測した環境データ※3を、設備・機器制御や栽培工程管理等に活用しています。

※3ハウス内の温度や湿度、二酸化炭素濃度などのハウス内環境データ及び風速や降水量などの屋外環境データ

② 柔軟性の高い制御システムで、栽培環境の自動制御を目指す

既存のパッケージ化された制御システムでなく、柔軟性の高いシステムを採用し、データ計測・制御の自由度を高めつつ、コスト削減を図っています。また、計測した大量の環境データの活用に加え、栽培スタッフの意見なども取り入れ、制御システムの改良を進めています。将来的には多様なニーズに対応可能な、低コストで安全性・信頼性の高い栽培環境自動制御システムの構築を目指しています。

3.栽培・収穫状況〜標準以上の品質の紅ほっぺ約20kgを収穫

「TODA農房」では、IoTの活用による農業分野での省力化や労働環境の改善を技術開発テーマとして、より競争力の高い農業モデルの実現にも取り組んでいます。

① 栽培の経過

親株から増殖させた約3,000株の紅ほっぺの苗を9月下旬に定植、特に大きな病気や害虫の被害もなく、大ぶりで色付きの良い実を結んでいます。糖度や重量なども標準以上です。

② 収穫予想

このまま順調に栽培が継続できれば、今シーズンは約2tの収穫を見込んでいます。収穫したいちごは販売用および社内用(贈答などに活用)として利用する予定です。

収穫作業の様子

出荷用に箱詰めされたいちご

4.今後の展開〜事業性に富んだ先駆的農業モデルの実現と農業6次産業化の推進

「今後は、引き続き自動制御システムの構築を継続するとともに、新しい品種や栽培方法などにもチ ャレンジし、更なる生産性の向上に取り組んでいきます。また、栽培の実践を通して蓄積された栽培 環境、収量、品質、作業、販売に関するデータを解析し、常総IC周辺整備事業をはじめとした今後 の農業6次産業化の取り組みに資する事業性に富んだ先駆的農業モデルの検討を続けてまいります。 また、地域への情報発信等を通じて、施設園芸の地域浸透や住民の理解獲得など、常総市における アグリサイエンスバレー構想の推進に貢献できるよう、より一層取り組みを進めていきます。