新着情報 地球にやさしい持続可能な農業を実現! 食品残渣(ざんさ)から製造した「有機液肥」で良質なイチゴを栽培

2021/08/26

戸田建設(株)(社長:大谷 清介)は、茨城県常総市で運営している実証農場「TODA農房」において、明治大学黒川農場、(株)ルートレック・ネットワークス、(株)DAインベント、Office FUJIWARAと共同で、食品残渣を原料とした「有機液肥」を用いたイチゴの栽培実証試験を実施し、従来の化学液肥と同等以上の農作物の収穫量・糖度が得られることを確認しました。
将来的には、地域の飲食店や食品工場などから発生する有機性廃棄物を有効利用した、持続可能な循環型社会の構築を支援していきます。

背景

我が国では、食品ロスなどの有機性廃棄物の削減が社会的な課題となっており、堆肥や肥料として活用するなどリサイクルが進められています。
また、農林水産省は、持続可能な農業を実現するため、2021年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定しました。その中で2050年までの目標として、以下の数値が挙げられました。

  • 化学肥料の使用量を30%低減
  • 耕地面積に占める有機農業の取組面積を25%、100万haに拡大(2018年時点で2万3,700ha)

これらのことから、今まで以上に有機肥料の重要性が高まることが予想されます。
当社では、2019年より食品ロスなどの有機性廃棄物を有効利用する取り組みとして、水熱分解処理で製造した有機液肥(水熱分解液肥)での栽培検証を実施してきました※1

水熱分解液肥の特長と試験結果

水熱分解液肥は、有機性廃棄物を高温・高圧条件で処理(水熱分解)することで得られた液肥のことで、特長は以下の通りです。

  1. 1物理的処理を行うため、一般的な微生物による発酵を利用する方法よりも短時間での製造が可能です。
  2. 2有機性廃棄物を「有機液肥」に加工することで液体として簡易に取り扱うことができます。
  3. 3高温・高圧条件で処理することで滅菌されるため、従来の有機液肥よりも微生物の繁殖が抑えられることから、かん水チューブ※2が詰まりにくくなります。

今回は、調達手段の限られる特定の原料ではなく、地域から発生する食品残渣(生ごみなど)を原料に水熱分解処理で製造した有機液肥を用いて、イチゴの栽培試験を実施しました。その結果、化学液肥で栽培したものと比較して、収穫量・糖度が同等以上であることも確認しました。

  • ※2 等間隔に配列された小さな孔が開けられた農業用ホースであり、水を流すとその穴から水が出る仕組み。
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   図1 1株あたりの積算収穫量
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      図2 糖度の推移

今後の展開

当社は、これまでの実証試験等で得られた知見※3、4を活用し、将来的には農業を絡めた地域開発事業等において、地域に適した有機液肥の製造方法・農業利用方法を提案することによって、持続可能な循環型社会の実現を支援していきます。

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図3 循環モデルのイメージ