SPECIAL TALK
新規事業座談会

2017年入社

Y.Y
エネルギー事業部
施工管理部

社会環境工学科を卒業。大学時代は、構造物に対する力学や地盤工学を学び、土木に関する知見を深める。戸田建設が新規事業を積極的に推し進める姿勢に共感し、面接の段階で「新規事業に携わりたい」と希望していた。

2014年入社

G.M
技術開発センター

農学研究科を卒業。大学時代は、原発事故で汚染された農地の除染についての研究をおこなう。また、母校の大学の農場を戸田建設が建設しており、そこに「肥料設計」として関わっていた。その縁が、入社にも繋がった。

2012年入社

H.S
新事業PJ推進部
新事業PJチーム

総合理工学研究科を卒業。大学時代は、都市空間や人間といったあらゆる領域を、建築を中心として考察することに勤しむ。新卒で入社した後は、社内の業務改革プロジェクトに参加するなど、戸田建設の持続的な長期戦略における企画に携わった。

※所属部署は取材時時点のものです。

国産エネルギーが乏しい
日本に追い風を
洋上で電力をつくるための挑戦

Y.Y
私は現在、新規事業である浮体式洋上風力発電施設の建設プロジェクトに施工管理として関わっています。このプロジェクトは文字通り、海に浮かぶ風力発電施設を建設するものです。2013年に国内で初めて一般家庭への送電に成功し、現在はさらなるステップとして、商用の浮体式洋上風力ウィンドファーム事業の展開を目指しています。
G.M
「クリーンなエネルギーをつくろう」という新規事業ですよね。当社は、2011年に北海道伊達市で陸上のウィンドファームを建設していますが、なぜ、洋上で建設することになったのでしょうか。
Y.Y
洋上は風を遮るものがないので、陸上よりも圧倒的に風が安定していて風速が高く、発電量も安定しています。また、陸上だと「景観を損ねる」「騒音による健康被害」といったことも考慮して建設場所を考えなければなりませんが、洋上だとその心配も少なく、建設できる場所も無限に広がっています。そんな環境にも優しく、人の暮らしにも影響を及ぼさない浮体式洋上風力発電施設を、もっと安価で簡単に建設できる方法を確立することが私たちのミッションです。

H.S
確かに安価で簡単に建設できるようになれば、日本のエネルギー問題の解決に大きく貢献できると思います。そう考えると、浮体式洋上風力発電施設は、当社を代表する新規事業の一つだと言えますよね。Yさんは、入社した当初から関わっているのですか。
Y.Y
そうですね。実は、就職活動をしていた頃から、戸田建設が様々な新規事業に取り組んでいることを知っていて、それが入社の決め手にもなりました。面接の時に「新規事業に魅力を感じているので、いつか携わってみたい」と伝えたのですが、それが入社後すぐに叶うことになり驚きました。

G.M
若手のやる気を買ってくれる。戸田建設らしいですね。しかしながら、不安もあったのではないですか。
Y.Y
大学では土木を専攻していたので、橋やトンネル、道路をつくるということであれば、ある程度のイメージはできていました。でも、「海に浮かぶ風車をつくる」となると話は別です。「これまでの知識は生かせないのでは…」と不安に思うことも多かったですね。スケールもたいへん大きく、私にとっては「夢のプロジェクト」という印象が強かったです。当然、入社してからは勉強の日々だったのですが、仕事をする中で、段々と土木の知識も生かすことができると分かってきました。そこからは、不安に思うことも少なくなったと思います。
H.S
陸上と洋上では、工事の進め方など、まったく違ったものになるのではと思いましたが、共通する部分があるんですね。自分の持てる知識が生かせるとなると、仕事も楽しく感じるようになってきたのではないですか。
Y.Y
まだまだ学ばなければならないことは多いですが、楽しく感じられるようになっています。特に上司の方々には、たくさんのことを教えてもらい感謝するばかりです。次長には、2Dや3Dの作図を通したスキルの習熟や社内外の打ち合わせの参加など、様々な経験を積ませてもらい、課長には、担当工種における計画から施工までの一連の流れを教えてもらいました。
G.M
「若手を育てる」という文化が、戸田建設には根付いていますからね。積極的な学ぶ姿勢さえあれば、どこまでも成長することができると思いますよ。若手が育てば、それだけ会社も成長することができますし。
Y.Y
はい、学べる環境があることは本当にありがたいですね。この浮体式洋上風力発電施設の建設プロジェクトは、日本が脱炭素を早期に実現するためのものです。洋上風力発電には、日本の総電力量をまかなえるほどのポテンシャルを持っています。そんな最先端の技術に、若手の頃から取り組めたことで、自分自身も大きく成長できていると感じます。

地域の未来のためにできること
建設業×農業の可能性に挑む

Y.Y
Mさんは、現在どのようなプロジェクトに参加されているのですか。
G.M
私が参加しているのは、産業エリアの開発と農地の大規模・効率化を同時におこなうプロジェクトです。現在戸田建設は、茨城県常総市の常総IC周辺にて、官民連携事業として農業6次産業化を軸とした地域の未来づくりに取り組んでいます。いま日本では、農業振興や地方創生が大きな課題となっており、それを解決するためのプロジェクトですね。
H.S
茨城県常総市に新しくインターチェンジができたことがきっかけでしたよね。物流の拠点として産業エリアを開発したい自治体の想いはあったものの、そこは水田が広がる豊かな土地。優れた農地を単純に潰してしまうのはどうなのかと。
Y.Y
そうなんですか。でも、戸田建設には、「農業」というイメージはまったくないのですが…。

G.M
おっしゃる通り。建設業を営む当社には、農業の知見はありませんでした。そこで、はじめたのが「いちごの栽培」です。ビニールハウスをつくって、いちごを育て、収穫する。農業に対する知識や経験を積んでいこうというプロジェクトですね。その中で私は、農地の運営、栽培管理に関連する技術検証などをおこなっています。もともとは別部署で経理業務を担当していたのですが、あるとき突然、本社から「大学院では、何を勉強していたのか」という問い合わせの電話がかかってきたんです。
H.S
そうか、Mさんは農学部出身ですもんね。確かに役割的にはぴったりだ。というか、これ以上の適材適所はないですよね。

G.M
はい、話をもらった時は、大学で学んだことを生かせると思いました。また、このプロジェクトに、大学でお世話になった教授や業者さんを繋げられたら面白いのではないかと思いましたね。
Y.Y
Mさんならではの人脈が生かせたら、面白そうですよね。でもハードルも多かったのではないですか。やるからには、やはり「収益化」をしなければならないでしょうから。
G.M
まさにそこが一番のハードルです。農業というものは、単純に作物がおいしくできあがればいいというわけではありません。収益化に乗せるための手法などを確立しなければビジネスと呼べませんし、農業振興や地方創生には繋がりません。現在は、様々なデータを収集しながら、ベストの方法を模索している最中ですね。
H.S
農産物の生産・加工・販売・流通まで一貫した事業施設を整備し、競争力のある農業の実現を目指しているのですね。確かに、それが実現できれば、当社の強みにもなるでしょうし、日本が抱える課題の解決にも、確実に繋がっていきますよね。
G.M
はい、そのために日々試行錯誤しています。特に直属の上司にはいつも様々なアドバイスをもらっています。時には、意見が食い違うこともありますが、頭ごなしに否定されることはなく、私の意見を基により良いアドバイスをしてくれます。そして、私自身も自分以外のアドバイスに耳を傾けることを大事にしています。多種多様な意見を聞くことで、多角的な視点を持つことができますから。

「無知の知」からはじめる
戸田建設が進むべき未来を導く

Y.Y
Sさんは、新事業PJチームに所属されていますが、その概要は一体どういったものになるのでしょうか。
H.S
新事業に携わるようになって、最初に取り組んだのが、「未来の歩き方」という当社の将来ビジョンをまとめた冊子の制作です。Yさんが関わる浮体式洋上風力発電、Mさんが関わる農業6次産業化。これらは、当社の新規事業を代表するプロジェクトですよね。それらに続く新事業として、これから戸田建設が何をおこなっていけばよいのか。その指針を示す冊子です。
G.M
これから進むべき道を示すものですよね。実は、私もそのプロジェクトに参加していました。Sさんをリーダーとした、若手中心のプロジェクトチームでしたよね。
H.S
はい、35歳までの若手社員が中心です。私より知識も経験も多い先輩や後輩を差し置いて恐縮ですが、リーダーを務めさせてもらいました。もともと企画業務をおこなっていたこともあり、意見やビジョンをまとめることは得意だったんです。

Y.Y
「未来の歩き方」は、私も読んで興味を持ちました。戸田建設の進むべきビジョンが明確化されており、たいへん将来性を感じるものになっていると思います。ちなみに、Sさんはどういった経緯でこのプロジェクトに参加されることになったのでしょうか。
H.S
ヘンリー・チェスブロウ博士(当時ハーバード大ビジネススクール教授)が2003年に上梓した「Open Innovation」を読み、オープンイノベーションに興味を持ったことがきっかけになったと思います。様々なベンチャー企業が集まるビジネスクラブへ参加し、社外からの情報を収集しては、専門部署に繋ぐという活動をおこなっており、その活動を新規事業部の部長の目にとまり、お声がけをしてもらったんです。

G.M
そういった積極的な社外交流などをしているSさんなら、色々なアイデアや情報をお持ちでしょうから、適材適所だと思いますよ。
H.S
そのお話をもらった時は、率直に「面白そう」と感じたことを覚えています。ただ、企業としての新しい取り組みを決めるプロジェクトなので、一筋縄ではいかなかったですね。
G.M
確かに、難しいと感じることは多そうですね。「社会課題を解決する」など、軸はあったのですが、社内に新規事業に関する知見を持った人がほとんどいなかったことが、最も大きなハードルだったのではないでしょうか。
H.S
そうですね。私も社外での交流は持っていましたが、新規事業に携わるのは初めてでしたからね。しかも、社長プレゼンまで4ヶ月しかありませんでした。でも、やるしかない。メンバーの皆さんにご協力をいただき、ディスカッションを重ねながら内容を深めていきました。そして、100枚のスライドを使い、1時間みっちりと新規事業に関するビジョンをプレゼンしたのですが、結果はNo。「内容はいいが、新規事業のみでなく会社の全体的なビジョンに仕上げてほしい」という、オーダーをいただく結果になってしまいました。
G.M
結果的には、「総合ビジョン」として再度プレゼンし、採用してもらえたので良かったですよね。若手のうちに「会社が進むべき道」を決めるという経験ができたことは、今後の人生の中でも大きな糧になると思っています。
H.S
本当にそう思います。やはり、そういった「若手を育てる」という文化のおかげで、大きく成長できたと思っています。「知らないことの方が多い」というプロジェクトでしたが、それがまた、自身の新しい未来にも繋がりました。次は、策定したビジョンをどう実行に移していくか。さらに難しい挑戦となるでしょうが、積極的な気持ちで進んでいきたいですね。

Y.Y
未来の指針をつくる仕事ですか。すごいですね。ちなみにこの冊子を制作した後、反響はあったのでしょうか。
H.S
実は、策定したビジョンを読んで、「意見交換したい」という社外からの問い合わせが入ってくるようになりました。当社と一緒に新規事業に取り組みたいと思ってくださる企業様が増えたのです。これは、一つの大きな価値になったのではないかと思います。

積極性が歓迎される環境で
次の戸田建設をつくる力を

Y.Y
いま、お二人のお話を聞かせていただいて、やはり戸田建設には、「挑戦」の二文字がよく似合っていると思いますね。堅実な会社だという印象はありましたが、より成長していくため、社会の役に立つため、挑戦は続いていくのですね。
H.S
はい、挑戦したいと思っている方にとって、これほどやりがいを感じられる会社もそうないのではないでしょうか。当社の規模感であれば、若手に色々なチャンスが回ってきやすいですし、自分で自分の役割をつくりだしていくという挑戦もできると思います。
G.M
チャレンジ精神旺盛な方は、ぜひ当社で様々なことを経験してほしいと思います。ただ、そのためにはコミュニケーション力は欠かせないですね。一人で完成できる仕事はないので、人と人との繋がりは、何よりも大切になります。
Y.Y
後は、様々な経験をする中で、「これだけは誰にも負けない」というものがつくれればいいですよね。私の場合、世界のトップをリードする事業に取り組んでいるので、「知識だけでなく経験も誰にも負けない」という気持ちで、常に仕事に取り組んでいます。
G.M
いい心構えですね。
H.S
もちろん、成長の過程では色々な苦労があるでしょうが、その努力は、必ず誰かが見てくれています。困ったことがあればお互い助け合いますしね。戸田建設は、誰もが積極的に挑戦できる環境が整っている会社です。新しく入社される方も、思い切ってチャレンジしてほしいと思います。そして、次の戸田建設を一緒につくっていきましょう。