特集 これからの地球を見つめて

2017年1月24日 更新

Vol.2
 国内初!浮体式洋上風力発電設備を実用化

五島市と五島フローティングウィンドパワー合同会社(戸田建設の100%子会社)は、長崎県五島市崎山漁港の沖合において、2016年3月に国内初となる浮体式洋上風力発電設備を実用化し、商用運転を継続しています。

【設備の概要】

設備名称
崎山沖2MW浮体式洋上風力発電所
所在地
長崎県五島市下崎山町崎山漁港の沖合(約5.0㎞)
所有者
五島市
運転管理者
五島フローティングウィンドパワー合同会社(戸田建設の100%子会社)
船名
(非自航船)はえんかぜ
風力発電機
ダウンウィンド型 HTW2.0-80(日立製作所)
浮体施設
構造形式:ハイブリッドスパー型/係留:3点係留カテナリー方式

図-1 風車位置

写真-1 風車全景(撮影:西山芳一)

【特徴及び形状寸法】

浮体式洋上風力発電設備は、スパー型と呼ばれる細長い円筒形状の浮体構造の上に、風車及びタワーが海上に突出して固定され、3本のチェーンで海底に係留されています。
浮体構造の上部には鋼、下部にはコンクリートを使用する、九州大学・戸田建設グループによって開発された「ハイブリッドスパー型」と呼ばれる形式を採用しています。コンクリ ートは水圧や海水にも強いため、これを浮体下部に用いることでコストダウンを図るとともに、重心を下げ安定性も向上させています。
発電設備の形状・寸法は、海中の一番深いところから風車翼(ブレード)の先端までの全長が172mで、海面上に浮いて見える部分の高さは96mです。また、円筒部の最大直径は7.8m、総重量は約3,400 トンです。

【経緯及び今後について】

2010~2015年度の環境省浮体式洋上風力発電実証事業において、国内初の2MW級浮体式洋上風力発電設備となった「はえんかぜ」は、地元の方々、漁業関係者の皆様等のご理解・ご協力のもと、五島市の椛島沖に設置され、安全で環境への影響が小さい施設であることが確認されました。
2015年度の事業終了後は、五島市再生可能エネルギー基本構想のもと、浮体式洋上風力発電の普及促進を目指し、五島市と五島フローティングウィンドパワー合同会社が共同で、発電所の運転を継続しています。
五島市と五島フローティングウィンドパワー合同会社は発電データの収集や更なる運転維持管理の知見蓄積を行い、地域と浮体式洋上風力発電の発展に貢献していきます。

※2013年10月に商用運転を開始

(参考)NHKワールドニュース「洋上風力発電」(2016年6月6日放送 Editor's Pick)

国内初の燃料電池船を開発

2014~2015年度、環境省 浮体式洋上風力発電実証事業において、浮体式洋上風力発電による電力を活用した水素の製造・貯蔵・運搬の実証を実施しました。さらに、環境省 CO2排出削減対策強化誘導型技術開発・実証事業(小型船舶の低炭素化(燃料電池)の技術開発・実証)において、国内初となる燃料電池船を開発し、離島におけるエネルギーの利活用や漁業との協調など、地域の発展に資する再生可能エネルギーの実現にも取り組みました。

動画 「国内初の燃料電池船開発 低炭素社会への挑戦」(約1分)