父 :
「このビル、パパが建てたんだぞ!
パパは、なんだって建てられるんだ、スゴイだろ!」

子どもたちからの尊敬のまなざしを期待していた父。
ところが……、

子 :
「じゃあ、食べられる建物作ってよ!」
父 :
「えっ!」

「なんでも建てられる」と言った手前、できないとは言えない。。。。
父の威厳を守るため、彼は心に誓ったのです。

どんな手を使ってでも、
必ず「食べられる建物」を作ってやる!

そんなわけで執念の鬼と化した、男の子の父、山本さんが今回のプロジェクトの発案者。

集まったのは、設計部長や購買部長を筆頭に、各部署のそうそうたるメンバーです。

山本さんの私情が入った企画、、、バカバカしいと相手にされないのかと思いきや、、、、

設計部長 :
「よし、やろう!」

…なんで?と思うかもしれませんが、とにかく全員その気になりました。

さて、やるとなれば、みんな120%本気です。
企画を検討していく中で、最大の課題は使う食材は何かでした。

山本さんには1つのアイデアがありました。
それは現場で材料のヒントを探していた時のこと。

食べられる建築材料はないかと…鉄筋をナメたり、

…コンクリートブロックをかじったりもしました。

ミキサー車から生コンクリートが流れ出るのを見て思いついたのです。

山本 :
「ようかんで作りましょう」
全員 :
「えっ?」
山本 :
「ようかんは煮詰めた液状のあんを型に流し込んで、冷やして固めます。
その作り方は私たちが使い慣れたコンクリートとそっくりです。
これなら私たちの技術が活かせるはずです」
全員 :
「なるほど」

全会一致で、メインの材料はようかんで決まりました。

かくして、世にもおかしな建築物プロジェクト「ようかんdeヨウカン プロジェクト」はスタートしたのです。

建設工程~ その1 ~設 計

まずは設計工程です。

今回、いくら和菓子の「ようかん」でつくるといっても、そこは建築のプロです。
3D CADを使って設計していきます。

1棟の施設を作るとなると、意匠図、構造図、設備図と何種類も図面を作ります。
最近では、3Dで設計することも当たり前になってきました。

仕上がったデザインに納得の設計部長。
なにか企みがありそうな顔です。

そして完成した立面図と外構図がこちら。

できあがるのが本当に楽しみになってきました!

建設工程~ その2 ~施工計画

次の工程は施工計画です。

できあがった設計図をもとに、どのように建築工事を進めるのか計画を立てていきます。
コンクリートの場合は木製のパネルで型枠を組み、その中にコンクリートを流します。

今回、ようかんの型枠をどうやって作るかが問題になりました。
ディティールも細かく、手作りではなかなか難しい設計です。

そこで考えたのが3Dプリンター!
さっそく、試作品を作ってようかんを流してみました。

イイ感じ!思っていた以上に「ようかん」いいかも。

様々なパターンをつくって詳細に型枠製作を議論しました。

型枠計画をプレゼン!建築女子、カッコイイですね。
その時のメモがこちら。相当本格的です。

ようかんを型枠から外すときに窓枠が壊れないよう、建物を分割して計画しています。

これならイケそう!

というわけで、施工計画はまとまりました!

さて次回は、戸田建設のつくば技術研究所へ移動。
どんな「ようかん」が建築材料にふさわしいのか?その選定のための実験工程へと進みます!
お楽しみに!