2008年10月22日

戸田建設株式会社
西松建設株式会社

戸田建設(株)(社長:井上舜三)と西松建設(株)(社長:國澤幹雄社長)は、超高層(高さ100m以上)RC造建物を低騒音・低振動・短工期で解体する超高層RC建物解体工法(以下、本工法という)の共同研究開発をしました。
従来の解体工法と比べて、工期を約15%短縮し、コストを約12%低減することができます。今後、超高層RC造建物の解体工事に適用していく予定です。

開発の背景と既存技術の問題点

1968年、地上36階、高さ147mの霞が関ビルが建設されて以来、高さが60mを超える超高層建物が2,527件(1965年〜2007年3月集計、国土交通省発表)建設されてきました。戸田建設・西松建設もこれまでに国内外で多くの施工実績(172件)があります。霞が関ビルが建設されて40年を迎える中で、超高層建物の老朽化が社会問題化しつつあり、老朽化したビルの解体工事を実施するに当たっては、騒音・振動対策、高強度部材の切断方法、揚重方法や廃材処理等に多くの困難が予想されます。
鉄骨造(S造)の建物の場合は、建設工法の逆で、鉄骨を各部材に切断して解体を行っていくため、技術上さほどの困難はありません。一方、鉄筋コンクリート造(RC造)の建物の解体方法は、通常では地面からレッカーで解体重機を屋上に上げ、コンクリートを細かく破砕解体しながら降りてきます。しかし、レッカーは能力的に高さ60mまでが限度となり、それ以上高い超高層建物には使えません。しかも、超高層建物で使用しているコンクリートは超高強度コンクリートであるため、通常の解体機械では効率的に解体をすることができません。コンクリートの破砕時に外部に破片が飛散する恐れもあります。また、別の方法としては、鉄骨造の解体と同様に部材に切断して大型タワークレーンで降ろす方法も考えられますが、重く、大きなコンクリートを切断することはコスト及び工期がかかり、効率的ではありません。

本工法の概要と特徴

本工法は、全面足場をかけずに「自昇降式足場兼養生枠」で解体階を養生するとともに、足場上の構台に解体機械を乗せ、解体階まで養生足場と一緒に揚重します。このことにより、タワークレーンや足場が不要となります。この昇降装置は油圧式の40tシリンダージャッキを使い、4mのポストを下から挿入して押し上げるため、昇降作業はすべて地上から行うことができます。この昇降装置は戸田建設が開発した「チムリス煙突解体システム」で使用している昇降装置を利用します。この「自昇降式足場兼養生枠」は、解体に合わせて下に降りてきます。
躯体の解体工法を決めるにあたり、100N/mm2の超高強度コンクリートで造った建物(試験体)を油圧圧砕重機、ジャイアントブレーカ、電動ウォールソー、油圧ウォールソー、ワイヤーソーの5種類の機械で解体実験をおこない、施工能率を確認しました。その実験の結果、通常の油圧圧砕重機で圧砕するとコンクリートの破片が15mも飛び散ることもわかりました。そのため、外周部の解体方法は、コンクリートの破片が外部へ落下しないように切断工法を用います。この切断工法には戸田建設の電動ウォールソー「NEOカッター工法」を使用します。切断部材の把持は西松建設が開発した「フォーク式支保工」を用いることで、切断能率を向上します。内側の躯体解体は施工能率の良い大型油圧圧砕重機を用いて解体をおこないます。切断や圧砕をした解体材の小割及びコンクリートガラと鉄筋の分別は内部吹き抜けに設けた磁選機付きの「昇降式大型クラッシャー」でおこない、解体能率を向上します。この昇降装置も外部の養生と同じ装置で、建物の解体に合わせて下の階に降ろします。解体材の搬出は、ラダーを用いることで、落下速度を調整し、振動、粉塵の発生を抑制します。また、最上階の解体重機のために、通常は強力サポートを使用しますが、1本50kgと重たいため、ユニット化をし、キャスターを取付けた「移動式支保工ユニット」を用いることで、設置能率を向上します。
内装の解体は、アスベストの撤去後、小型重機で解体します。内装解体材の資材降ろしは、「自昇降式足場兼養生枠」のポストを利用して設置した「昇降ポスト兼用エレベーター」によりおこないます。 本工法により、従来の解体工法と比べ、工期を約15%短縮し、コストを約12%低減することができます。

図-1 イメージパース(全景)

図-1 イメージパース(全景)

図-2 解体状況断面図

図-2 解体状況断面図

以上

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