2010年12月8日

戸田建設株式会社
西松建設株式会社

戸田建設(株)(代表取締役社長:井上舜三)と西松建設(株)(代表取締役社長:近藤晴貞)は、CFT造(コンクリート充填鋼管造)柱の充填コンクリートにスランプ21cmのJISコンクリートを使用する「CFT柱JISコンクリート充填工法」を共同で開発しました。
通常、CFT造柱の施工においては、鋼管内へのコンクリートの充填性を確保するため、柔らかく流動性の高いスランプフロー※160cm程度の高流動コンクリートを用いることが一般的です。しかし、高流動コンクリートは単位セメント量が多く、高強度コンクリートとなるためJIS規格の普通コンクリートから外れます。この場合建築基準法第37条の国土交通大臣認定を取得する必要があり、地域によっては着工までに1年近い日数を必要とする場合もありました。
このような課題を解決するため、大臣認定を必要としないJIS普通コンクリートを使用した新工法を実物大施工試験で確認し、確立しました。この「CFT柱JISコンクリート充填工法」の特徴は、低流動性のJIS普通コンクリートを使用することにより、安価でかつ早期着工が可能になることです。本工法を実現するための工夫は以下の3点です。

  • 1.バケットを用いた落とし込み工法でコンクリートを打設します。
  • 2.打ち込み速度・連続締め固め方法の適切な管理で充填性を確保します。
  • 3.専用特殊バイブレータ締め固め装置を使用し良好な充填性を確保します。

実物大施工試験では、55cmの角型鋼管の柱を、高さ10mの3層モデルと、4mの1層モデルの2モデルを用意し試験を行いました。
コンクリートは、呼び強度※245、スランプフロー21cmのJIS製品とし、コンクリートの打込み方法は、バケットを用いた落し込み工法を採用しました。バケットの下に15mのホースを取付け、専用特殊バイブレータで締め固めながら打込みを行いました。
試験の結果、スランプ21cmのコンクリートでも、適切な打込み速度で締固めを行うことで、通常問題となるダイアフラム(柱と梁の接合部分の補強部材)における150mmの狭い隙間にも空気だまりができず、良好な充填性を確認できました。
硬化コンクリートの圧縮強度は設計基準強度を十分に上回りました。
また、圧入工法で問題となる鋼管に生じる応力や変形等はこの工法を使うことにより小さくなり、影響がないことを確認しました。
この工法では充填性を確保するために、ダイアフラムに設ける空気孔の数と径を大きくしましたが、接合部ダイアフラムモデルの引張実験を行い、耐力と剛性に悪影響がないことを確認しました。

両社は、今回の「CFT柱JISコンクリート充填工法」を開発したことにより、高強度コンクリートの大臣認定を取得できない地域においても、CFT造の早期施工が可能となり、中低層のオフィスビルや生産施設、物流施設の受注拡大に向け積極的に取り組んでいきます。

施工実験全景

施工実験全景

コンクリート打込み状況

コンクリート打込み状況

特殊バイブレータ装置

特殊バイブレータ装置

ダイアフラムまわりのコンクリート充填状況

ダイアフラムまわりのコンクリート充填状況

※ 1 スランプフロー:コンクリートを打設する前の生コンクリートの軟らかさの程度を示す指標の1つで、スランプコーンを引き上げた後の、試料の直径の広がりで表す。数字が大きいほど柔らかい状態を表す。※ 2 呼び強度:   「呼び強度」とは生コン(正確にはレディーミクストコンクリート)の強度区分を示す呼称。設計基準強度に温度補正値を加えた値が呼び強度となり、この呼び強度が生コン工場に注文する値となる。

以上