2019年1月7日

戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、従来よりも採光性の高い園芸ハウス「SORAリウム」(商標登録を出願中)を開発し、茨城県常総市で運営している自社農場「TODA農房(のうぼう)」※1、2に適用しました。当ハウスは、採光性を高める様々な工夫(特許出願中)とハウス内環境の自動制御等の各種技術を集約したもので、従来の園芸ハウスと比較して、ハウス内温度を変えずに高い日射量が得られることを実測にて確認しています。現在、当ハウスでは2種類のいちご(紅ほっぺ、よつぼし)を栽培しており、いずれも生育・品質が良好で、12月下旬からは当ハウスでは初となる収穫・出荷を開始しました。

※1 当社リリース「常総市での農業6次産業化を目指す取り組みが進展-施設園芸実証ハウス「TODA農房」を稼働-」
https://www.toda.co.jp/news/2017/20170330.html

※2 当社リリース「施設園芸実証ハウス「TODA農房」で収穫開始-農業6次産業化に向けた農業モデル実証への取り組みが進展-」
https://www.toda.co.jp/news/2017/20171221.html

写真1 自社農場「TODA農房」に適用した「SORAリウム」

写真2 移動式栽培ベッドに実をつけたいちご

1.開発の背景

当社は、茨城県常総市の自社農場において、2017年3月からいちごの施設園芸栽培を行っています。いちごの増産と品質向上に関する研究開発の推進を図るため、当敷地内に新しいハウスを増設するにあたり、用地の制約から東西方向に長いハウス(東西棟)を計画しましたが、以下の課題がありました。

  • ① 一般に東西棟では、いちごを植える栽培ベッドを東西方向に設置するが、この場合、栽培ベッドの北側に植えたいちごの株が日照不足により生育が悪くなる。
  • ② 北に面した屋根からは反射により太陽光が入りにくくなるため、日射量が不足する。
  • ③ 中柱や不使用時の遮光カーテンが影を作ることにより、いちごの生育に悪影響を与える。

図1 従来型園芸ハウスの課題

2.当ハウスの特長

このような課題を解決するために開発した園芸ハウス「SORAリウム」は、以下の特長を有します。

  • ① 長い南面屋根から太陽光を採り入れるスリークォーター型屋根とすることで、北面屋根の反射による日射量不足を解消。
  • ② 遮光カーテンに軽い素材と移動抵抗の少ない方式を採用し、収納場所にも工夫を加えることで、カーテン不使用時でも栽培ベッド上に影を作らない。
  • ③ 中柱の無い大空間構造とすることで、中柱による影を生じさせない。
  • ④ 栽培ベッドを南北方向に設置することで、栽培ベッドのどちら側にいちごを植えても日照量の違いによる生育差が生じにくい。

さらに、いちごの増産と品質向上を図るため、ハウス内温度や二酸化炭素濃度、培地温度や湿度等のハウス内環境の自動計測・制御技術や面積当たり約1.7倍の株を栽培できる移動式栽培ベッドを採用しています。

図2 「SORAリウム」の特長

写真3 「SORAリウム」内部
(中柱の無い大空間構造)

3.期待される効果

「SORAリウム」内の温度と日射量を、同敷地内で稼働中の従来型ハウスと比較した結果、日射量では「SORAリウム」が大きく上回るにも関わらず、ハウス内温度は従来とほぼ同程度であることを確認しました(図3参照)。
このように、「SORAリウム」は従来よりも採光性が高く、また、ハウス内に均一な日照量が確保できることから、移動式栽培ベッドを用いた密植栽培でも良好な生育が可能となり、収穫量の増加と品質向上の両立が可能です。さらに、日射量の少ない12月~2月の収穫量の増加やハウス内温度が高くなり過ぎて品質低下が懸念される3月以降の品質向上にも期待できます。

図3 同一敷地内のハウス内環境比較結果の一例(左:日射量、右:温度)

4.今後の展開

当社は「SORAリウム」を現在参画している圏央道常総IC周辺地域整備事業にて適用するとともに、将来的には園芸施設建設事業などへの展開を検討していく予定です。