2019年2月28日

戸田建設(株)(社長:今井雅則)は、鉄筋工事の品質を確保する新たな配筋検査「S方式」を考案し試行しています。設計施工の利点を生かし独自の検査方式を採用することで、鉄筋コンクリート造における躯体品質向上、特に鉄筋工事の品質向上への取り組みをさらに推進するものです。

※Sの意味:第三(San)者性、厳格な(Severe)などのS

1.設計施工工事の品質向上に向けた従来の取り組み

躯体における品質不具合の発生原因として、施工者の設計図書理解不足、設計図書記載内容の不明確さ、工事監理者との協議不足、工事関係者間のコミュニケーション不足等があげられます。これらを防止する取り組みとして、施工着手前の図面の読み込みの実施と、課題の早期把握と解決案の策定、決定事項の情報共有(水平展開)を実践してきました。具体的には、設計者による工事着工前の構造設計図書説明会および、鉄筋加工・施工専門業者を交えた配筋説明会を開催して、設計意図の伝達と配筋に関する不明確さを無くすようにしています。それを受けて作業所主催の配筋事前検討会開催後、工事担当者以外の、品質管理課・工事指導役等による配筋初期指導を行うことで、スタッフ部門が作業所と鉄筋加工・施工専門業者と一体となった品質向上活動を実践しています。

2.「S方式」開発の背景と概要

このような活動に加えて、当社が設計者として行う配筋検査の第三者性を高め、検査の質の安定化が図れる新しい配筋検査「S方式」を考案しました。「S方式」は、配筋検査方法を検討して細かくルール化し、不具合のない安定した品質を提供し得る確実な検査を一貫して実施(検査の均質性)することに重点を置くものです。
例えば「S方式」による配筋検査では、施工者(設計担当者)による全数検査を前提として、柱・大梁・小梁・床・壁の部材種別毎に検査ロットを構成して、品質管理の精度を高めて合否を判定するなど、より厳格な手続きで実施される鉄骨の溶接部検査手法をヒントにして検査内容、判断レベルを統一し、均質な検査による確実な躯体品質の実現を目指しています。

3.作業所での試行

写真1 梁配筋状況

「S方式」の有効性を確認するため、三井不動産レジデンシャルリース(株)が管理運営予定の賃貸マンションとして当社施工中の「(仮称)赤坂4丁目プロジェクト」において、本方式を試行しています。その結果、「S方式」では検査回数が増すため作業所での書類作成・記録整備業務は増加しますが、考え抜かれたルールに従って検査することで、担当者によるバラつきのない、より安定した品質管理を確実に実行することができていると実感しています。検査を通じた作業所と工事監理者のコミュニケーションもより実践的で中身の濃い内容となり、不具合防止に大きく寄与しています。

4.今後の取り組み

今後も当社は、品質を高めるべく新しい取り組みを積極的に行い、お客様により安心してお使いいただくことのできる、「高い、安定した品質」の建物を確実に提供してまいります。

写真2 梁配筋検査状況

写真3 柱主筋継手検査状況