シールド・推進技術 CRライニング工法

概要

長寿命化を考慮したシールドトンネルの構築には防食性能の高い被覆工法の開発が不可欠です。セグメント製造時に内面被覆材を一体化成形する工法は、品質・施工性に優れ、耐久性についても有利な工法と考えられます。
防食性能を有する高密度ポリエチレンシートをセグメント製造時に一体化する内面被覆(CRライニング)工法は、従来より簡易的な方法でコンクリートと固着させることができ、コストパフォーマンスに優れた工法です。

メリット

CRライニング工法を適用することで、コンクリート二次覆工による従来のトンネルに比べ、
(1)トンネル外径の縮小化
(2)管きょの長寿命化が図れる
とともに、粗度係数が塩ビ管と同等なため、さらなるトンネル径の縮小化が可能となります。
下水道シールドトンネルに本工法を適用することで、管きょの長寿命化が図れるとともに、コンクリート二次覆工による従来のトンネルに比べコスト低減や工期の短縮ができます。
今後、汚水管に限らず、合流管や貯留管においても積極的な展開を図っていきます。

特徴

CRライニング工法で使用するシートは、図-1に示すように、コンクリートと固着する特殊接着層と防食性能を有する高密度ポリエチレン樹脂層で構成される厚さ1.2mmの合成シートです。特殊接着層は写真-1のように、微細な凹凸形状をしており、その凹凸にセメントペーストが浸透し、凝結することで強固な接着力が確保できます。
本工法は、このシートをセグメント製作時に型枠内にあらかじめ設置した状態でコンクリートを打設することにより、シートとセグメントが均一に一体化する特徴を有しています。シートは構造が簡易な分、安価です。製作については、工程の省力化を図りさらに低コストになるよう現在検討を進めております。
鉄筋コンクリートセグメント(RCセグメント)およびコンクリート中詰め鋼製セグメント(合成セグメント)に適用でき、シールドトンネル内径や施工延長に制限はありません。

シート断面と特殊接着層(コンクリートとの固着部)拡大写真