正確な施工図は、
何千人という人との道標になる
- 生産設計
- T.H
- 建築工事生産設計部
生産設計課 - ※所属部署は取材時時点のものです
- 大学時代は、海洋建築が海生物に与える影響について学ぶ。建設業界を志しておこなった就職活動は、他社を受けず、戸田建設一本に絞っていた。説明会に何度も通う中で、人事担当者一人ひとりが、とても真摯に自身に向き合ってくれたことに対して、真面目な会社だという印象を持ち、入社を決めた。入社以来、施工図を書き続け、これまでに8つのプロジェクトに参加している。
- ものづくりの楽しさを、
気付かせてくれたサンタさん - 「サンタがブロックを持ってやってきた」。小学校低学年の頃の思い出です。私は、当時流行っていたゲーム機をお願いしたはずなのに、朝、目覚めて枕元に置いてあったのは、大きなお城がつくれるブロックでした。期待通りのものではなく、ふてくされていた記憶がありますが、意外とブロックでつくるお城に没頭してしまっている自分がいたんです。それが、ものづくりを好きになったきっかけだと思います。その後は、夏休みの自由研究で紙粘土工作をおこなうなど、自分の手で形にしていくものづくりばかりしていました。
建築に興味を持ったのは、応募者の自宅をリフォームするテレビ番組を見てからですね。テレビ越しに見る依頼者の方が、生まれ変わった自分の家を見て、涙を流している。そんな、建物を建てて誰かに感謝される仕事はとても素敵だと思い、そのまま私の夢になりました。そして、高校の卒業アルバムで書いた「将来の夢」は、一級建築士。いまでは、その夢を叶えることができました。
- プレッシャーを
乗り越えた先に成長がある - 生産設計は、施工図をまとめることが仕事です。私自身も入社当時は知らなかったのですが、現場は設計図を見ただけでは、工事を進められないんです。例えば、現場では内装のドアやパネルを仕入れる業者はそれぞれ違います。それらの部品を接続するためには、より詳細な寸法などが記載された施工図が必要です。プラモデルに例えると、設計図はパッケージ、施工図は説明書といったイメージですね。
自分が書いた施工図を基にして何千人もの作業員の方が建設を進めていくわけですから、間違った記載をするわけにはいきません。何か1つの寸法が間違っていたら、他の部材もすべて発注し直さなければならないため、工事も大きく遅れてしまいます。ミスを防ぐためには何度もチェックを重ね、各業者の担当者の方と確認をしながら調整することがポイントになります。プレッシャーはありますが、やはり自分が考えた施工図で建物が無事に竣工した時の感慨深さは、何にも代えがたいもの。はじめて携わったのは、3階建ての銀行だったのですが、いまでも時々見にいくことがあり、当時の苦労や喜びを思い出しながら、初心を忘れないようにしています。
- 思いやりは、
仕事をスムーズに進める円滑油 - 様々な人と関わりを持ちながら進んでいく仕事の中で、人に対して「思いやり」を持って接することを大切にしています。直にコミュニケーションを取る場合は、特に意識をしていますね。争いからは何も生まれませんから。例えば、ドアをつくってくださる業者の方の動きが悪く、納期に遅れそうになった時は、頭ごなしに「早くしてください」と言うのではなく、まずは状況を確認しながら、何が分かっていないのかを丁寧に聞き、最善の策を一緒に考えます。また、施工図をつくる時も、現場の作業員の方がどこの寸法を欲しがっているのかを的確に把握し、反映させるように心がけています。そういったことは経験を積めば積むほど分かってくるものですから、日々の勉強は怠れません。
今後の目標は、特殊で難しい建物に携わること。また、誰もが知っている建物に携わることです。3年前に施工図をつくったホテルは、格式の高いホテルとして様々なメディアで紹介されました。そこに祖父母を招待したのですが、「すごい仕事をしてるね、絶対に忘れないよ」と言ってくれたことが、すごく心に残っています。そんな仕事をこれからも続けていきたいですね。
- これまで一番大変だった時期のことを教えてください。
- 大学を建設する現場を一人で担当していた時です。竣工間際の追い込み期間の3カ月間は、毎日遅くまで仕事をしていました。施工図をまとめる仕事ですので、本来であれば竣工間際に図面対応をすることはありません。しかしながら、その大学には建築学科があり、そこの研究室の方々が設計業務に携わっていたため、ぎりぎりまで変更対応をしなければなりませんでした。大変ではありましたが、良い経験になりました。
- 仕事のモチベーションを保つ秘訣を教えてください。
- 現場の作業員の方から、施工図に対して様々な意見を頂くことがあります。もちろん、いい意見ばかりではありませんから、時にはストレスが溜まってしまうことも……。そんな時は、家の近くのジムで大好きな音楽を大音量で聞きながら体を鍛えたり、バイクに乗って自然を感じたり、ボーナスで大好きな腕時計を買ったりしながら、ストレスを解消しています。何でもいいのですが、ストレスを解消できる趣味が1つでもあるといいですね。
とある一日の流れ
- 08:00
- 現場着
- 08:30
- メールチェック
- 09:00
- 外装に関する会議
- 12:00
- 昼食・昼寝
- 14:00
- 現場定例会議
- 16:00
- 設計者との打ち合わせ
- 17:00
- 施工図の作成
- 17:30
- 退社
BACK TO INDEX