第4回優秀作家展覧会

  • ネルソン・ホー 個展

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第4回優秀作品に入選した作家、ネルソン・ホーの展覧会を2024年2月28日~3月10日に開催いたします。日本画の手法を用いて赤い岩絵具で描くネルソンの作品はメンタルヘルスやLGBTQに対する差別などの社会問題をテーマにしています。本展ではTODA BUILDING建設中仮囲に掲出している《編むこと、思い出すこと》の実作品に加え、不吉なことを想起する赤い鳥が舞う空が広がるインスタレーションを展覧いたします。


赤い空に飛んでいた赤い鳥

タイトルの 「赤い空に飛んでいた赤い鳥」は、台風や大雨の前に空が赤くなる現象と鳥は危険を察知すると空を飛ぶ現象に由来します。

LGBTQの人は、ヘテロの人に比べて2.5倍うつ病の症状になりやすく、思春期のクィアの人は性的グルーミングの被害者になる可能性が4倍高いようです。幼少期に受けた未解決のトラウマは、大人になってからも無意識に繰り返し想起され、徐々に考え方や人生観の形成に影響します。

今回の展覧会では、砂漠の中で方向感覚を失っているような空間を作りたいと考えました。砂漠は子どもの頃の部屋であり、純真さと純粋さを奪ったカラスの群れに囲まれています。性的トラウマや性教育の欠如、セクシュアリティへの理解不足に起因する、多くのクィアの人が幼少期に感じた孤独や無力感をインスタレーションで表現したいと思います。

トラウマは冷酷な鳥、そしてわたしたちはその羽を悼みます。

ネルソン・ホー


展示概要

日時:
  • 2024年2月28日(水)~3月10日(日)12:00~18:00 ※月曜休場
  • [オープニングレセプション:2月28日(水)17:00~19:00(作家在廊)]
  • ※2月29日(木)はイベント開催に伴い16:30閉場。
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
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ネルソン・ホー

1998年マレーシア、ペナン生まれ。2022年多摩美術大学日本画専攻卒業。メンタルヘルスやLGBTQに対する差別など現代の社会問題をテーマにした絵画、刺繍、インスタレーションなどの作品を制作している。近年の展示に、 2023年FOCUS LONDON(Saatchi Gallery/ロンドン)、2022年Memory is a Garden(GALLERY ETHER/東京)。2022年「アートアワードトーキョー 丸の内」審査員建畠晢賞。 

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  • ネルソン・ホー作品
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  • ネルソン・ホー作品
    撮影:加藤健

クロストーク 
ネルソン・ホー × 後藤 繁雄

2022年のアートアワードトーキョー丸の内から交流を続ける、審査員を務めた後藤繁雄氏をゲストに迎え、対談イベントを開催いたします。日本画の手法を使って、自身の体験や社会課題をテーマにした作品を制作するネルソンに対し、現代アートの動向に深く関わる後藤氏から様々な質問を投げかけ制作の深淵に迫ります。

日時:
2024年2月29日(木)18:30~20:00
ゲスト:
後藤 繁雄
参加方法:
オンライン配信

予約方法:Peatixからお申込みください(当日まで受付)

https://kyobashiartwall20240229.peatix.com
後藤 繁雄img 後藤 繁雄img

後藤 繁雄

編集者、クリエイティブディレクター、アートプロデューサー、京都芸術大学教授

長年アートアワードトーキョー丸の内の審査員を務め、2022年から2023年に日本橋アナーキー文化センターで若手アーティストを中心とした6つの展覧会のキュレーションを行うなど、日本の現代アートの動向に深く関わっている。これまで執筆した著書は『アート戦略/コンテンポラリーアート虎の巻』『アート戦略2 アートの秘密を説きあかす』など多数にのぼり、近著に『現代写真』がある。
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第3回優秀作家展覧会

  • SAKAMOTO ENTERTAINMENT 個展
  • 大竹 奨次郎 個展

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第3回優秀作品に入選した作家、SAKAMOTO ENTERTAINMENTの展覧会を2023年9月28日~10月9日に開催いたします。本展はTODA BUILDING建設中仮囲に掲出している《Re:Orange_Peel_Piece》の実作品に加え、抽象画の新作とデザインのプロセスで行う「素材研究」に焦点を当てた作品を展覧いたします。デザインとアートを横断し模索しながら活動している若きアーティストの試みをご高覧ください。


Orange_Peel_Piece_#2

本展では、素材研究をテーマにした作品を展示しています。
日頃人々が持っている素材に対する固定概念を払拭することを目指し制作しました。
日常生活の中で見過ごされがちな素材に焦点を当て、これらの素材の構造、特性、美しさを探求し、各素材が持つ独自の魅力を発見、それを自身の感性を通じて再構築し、作品に昇華させました。
輪ゴム、みかんの皮、紐、服、絵の具など、さまざまな素材を使用し、それぞれの素材が持つ固有の魅力を最大限に引き出す試みです。
アートと日常が交差する不思議な空間をお楽しみいただければ幸いです。

SAKAMOTO ENTERTAINMENT


展示概要

日時:
  • 2023年9月28日(木)~10月9日(月・祝)12:00~18:00 ※10/2(月)休場
  • [オープニングレセプション:9月28日(木)17:00~19:00(作家在廊)]
  • ※10月4日(水)はイベント開催に伴い16:30閉場。
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
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SAKAMOTO ENTERTAINMENT

1997年熊本県生まれ。2020年多摩美術大学統合デザイン学科卒業。素材を研究し、新たな視点からものを見つめ直しデザインやアートに落とし込んでいる。2021年SHIBUYA AWARDS入選。2022年muni art award ファイナリスト、アートオリンピア入選、長亭GALLERY展入選。

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  • SAKAMOTO ENTERTAINMENT展覧会
  • SAKAMOTO ENTERTAINMENT展覧会
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  • SAKAMOTO ENTERTAINMENT展覧会
    撮影:加藤健

クロストーク 
SAKAMOTO ENTERTAINMENT×深澤 直人

本展出展作家の大学時の恩師であり、プロダクトデザイナーの深澤直人氏をゲストに迎え、対談イベントを開催いたします。作家は在学時、深澤氏のデザイン論の指導を受けた際に登場した「素材研究」という分野が自身の作品に近いものではないかと感じ、大きな影響を受け、輪ゴムやみかんの皮など身近な素材を使った特異な作品を生み出してきました。デザインとアートの領域の横断を試みる若手作家と、プロダクトデザイナーの深澤直人が、「素材研究」から生まれた作品について語り合い、創作のヒントを探ります。

日時:
2023年10月4日(水)18:30~20:00
(受付18:15)
※会場準備のため16:30~18:15はご入場頂けません。
会場:
KYOBASHI ART ROOM
ゲスト:
深澤 直人(プロダクトデザイナー)
参加方法:
会場(定員15名)/ライブ配信あり

予約方法:Peatixからお申込みください(当日まで受付)

https://kyobashiartwall20231004.peatix.com
深澤 直人img 深澤 直人img

深澤 直人

プロダクトデザイナー

卓越した造形美とシンプルに徹したデザインで、国際的な企業のデザインを多数手がける。デザインの領域は幅広く、その思想や表現などには国や領域を超えて高い評価を得ている。2007年英国王室芸術協会の称号を授与される。2018年「イサム・ノグチ賞」受賞。2022年4月一般財団法人THE DESIGN SCIENCE FOUNDATIONを設立。多摩美術大学教授。日本民藝館館長。

Official WEBSITE

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第3回優秀作品に入選した作家、大竹奨次郎の展覧会を2023年10月25日~11月5日に開催いたします。本展はTODA BUILDING建設中仮囲に掲出している作品に加え、大竹が大学を卒業後、高校の美術教師として勤めながら日々制作してきた作品を展示いたします。どうしたら絵が描けるのかという問いに真摯に向き合い、描くことを続ける若手アーティストの作品をご高覧ください。


世界の限界

太陽が一周する2億年の間。絵が終わるまでの何週間かの間。
朝、雨上がりの草木の中に斑模様の猫がいて、その体の斑が木漏れ日によってうねるように光り輝きどこかへいって、そのときにすべてがずっと前から決まっている気がして、駅前のバスのロータリーを柔道着を着た兄妹が走って行って、ぼくの頭の中だけに残りそれからとてつもなく長い時間が経って、それでその子たちも見ていた駅前の通りもなくなって、太陽も地球も砕けた後また星ができるのを、何回と繰り返す間。


夢の中に父がでてくるとき、その度に父がもう死んでいることを、夢の世界で忘れている。忘れたことを忘れてしまっている。
食卓で黙って食べてから父が立ち、洗面台に歯を磨きに行った。そのときに、もしかしたらこれは夢で、もうとっくに父は死んでいるのではないかという考えがふと頭に浮かぶ。キッチンのシンクに置いてあった眼鏡をぼくはティッシュで包んだ。


その夢を夕方になって思い出してパソコンの前に座る。


何十世紀も前に作られ、パキスタンで出土したストゥーパ型仏舎利を博物館で見つけた。
段階的な円はつまり違う次元なんだ。
その形を見ているうちに絵ができると確信する。

大竹 奨次郎

※ステートメント冒頭抜粋
全文はこちら


展示概要

日時:
  • 2023年10月25日(水)~11月5日(日)12:00~18:00 ※月曜休場
  • [オープニングレセプション:10月25日(水)17:00~19:00]
  • ※11月1日(水)はイベント開催に伴い16:30閉場。
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
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大竹 奨次郎/OTAKE Shojiro

1994年東京都生まれ。2020年武蔵野美術大学油絵学科卒業。卒業後の活動として、個展を毎年開催。2020年「花咲く絵画たちの光」(マキイマサルファインアーツ/東京)、2021年「花についての花 魚についての魚 街についての街」(リバーアンドコーヒーギャラリー/東京)、2022年「竜泉」(Liamgallery/東京)など。

Official WEBSITE

  • 大竹 奨次郎/展覧会
  • 大竹 奨次郎/展覧会
  • 大竹 奨次郎/展覧会
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  • 大竹 奨次郎/展覧会
  • 大竹 奨次郎/展覧会
    撮影:加藤健

クロストーク 
大竹 奨次郎 × 丸山 直文

本展出展作家の大学時の教授であり、国内外で数多くの展示を行う画家の丸山直文氏をゲストに迎え、対談イベントを開催いたします。大竹は自分自身と絵との距離を常に真摯に捉えた絵画を描き続け、作品には名前をつけず抽象的な世界観を保っています。在学時、文章を書いてみたらという丸山氏の助言を受け、卒業後毎年1回開催する個展では、文章を書くようになり、自身の作品制作過程に新たな一面を加えるに至っています。今回、在学時から作品を見てきた丸山氏と共に、その変化に触れ、作品が生まれる過程から絵を描くことの本質について存分に語り合います。

日時:
2023年11月1日(水)18:30~20:00
(受付18:15)
※会場準備のため16:30~18:15はご入場頂けません。
会場:
KYOBASHI ART ROOM
ゲスト:
丸山直文(アーティスト、武蔵野美術大学教授)
参加方法:
会場(定員15名)/ライブ配信あり

予約方法:Peatixからお申込みください。(当日まで受付)

https://kyobashiartwall20231101.peatix.com
丸山 直文img 丸山 直文img

丸山 直文

アーティスト、武蔵野美術大学教授

1964年新潟県生まれ。東京都在住。水を含んだ綿布にアクリル絵具を染み込ませて描くステイニング技法を用いて、「絵画の内部にしか発生しない空間の可能性」の探究と実践を行う。2008年芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞。近年の展覧会に、2023年「HIRAKU Project Vol.14 丸山直文 水を蹴る―仙石原―」(ポーラ美術館/神奈川)、2022年「水を蹴る」(シュウゴアーツ/東京)など。

第2回優秀作家展覧会

  • 高橋 喜代史 個展
  • 張 静雯 個展

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第2回優秀作品に入選した作家、高橋喜代史の展覧会を2023年3月8日(水)~3月19日(日)に開催いたします。本展はTODA BUILDING建設中仮囲に掲出している《POSTER》に関連する映像作品に加え、「言葉」の視覚的拡張を表現する新作を展覧いたします。札幌に拠点を置く高橋が初めて東京で開催する展覧会です。是非この機会に、皆様のご来場を心よりお待ちしております。


言葉のポリセミー

言葉のポリセミーは、言葉の多義性を背景に「分断と接続」について考えた(考えている)展覧会です。

これまで、言葉とイメージの間を行き来しながら、パフォーマンスと文字を組み合わせた映像作品、文字の立体化や抽象化など、言葉の多義性を視覚的に探求してきました。

新作『COMPANY』では「アーティストが作る会社」を軸に、文字のはじまり、身体言語、アーティストの連帯、地方の課題と展望などいくつかの現象をゆるやかにつなげつつ、アートのあり方に眼差しをむけます。

子供の頃に漫画家を目指していたこと、書道教室で書を学んでいたことが、造形や色彩、空間構成や身体感覚に深く関与しています。漫画、アニメ、書道、音楽、映画、お笑いなど雑多に浴びたカルチャーと現代美術を結びつけ、表現の拡張とヒエラルキーの中断を図っています。

言葉の構造と社会の構造は、似ているところがあり、
私は、言葉を通して社会の営みを見つめなおしているのです。

高橋喜代史


展示概要

日時:
  • 2023年3月8日(水)~3月19日(日)12:00~18:00 月曜休場
  • [オープニングレセプション:3月8日(水)16:00-19:00(作家在廊)]
  • ※3月17日(金)はイベント開催に伴い16:30閉場。
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
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高橋 喜代史 / TAKAHASHI Kiyoshi

1974年北海道生まれ。札幌を拠点に国内外で活動。「言葉とイメージ」に関する映像インスタレーションや立体作品を制作している。1995年ヤングマガジン奨励賞。2000年ビッグコミックスピリッツ努力賞。2010年JRタワーアートボックス最優秀賞。2020年第3回本郷新記念札幌彫刻賞。2012年より現代美術の企画も行う。2015年一般社団法人PROJECTA設立。

Official WEBSITEInstagram

  • 高橋喜代史個展
  • 高橋喜代史個展
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  • 高橋喜代史個展
  • 高橋喜代史個展
    撮影:加藤健

クロストーク 
高橋 喜代史×山本 浩貴

著書『現代美術史』や美術手帖の現代美術の入門コラムで知られる山本浩貴氏をゲストとして、高橋との対談イベントを開催いたします。2021年本郷新記念彫刻美術館にて開催された高橋の個展のレビューを寄稿した山本氏は「言葉」と「視覚芸術」の相補的な関係性で成り立つ高橋の特異な表現に着目しました。今回は、高橋のこれまでの作品に加え、本展に向けて制作した新作を前に、「言葉」が持つ多面性とそこに現れる表現について語り合います。

日時:
2023年3月17日(金)18:30~20:00
(受付18:15)
※会場準備のため16:30~18:15はご入場頂けません。
会場:
KYOBASHI ART ROOM
ゲスト:
山本 浩貴(文化研究者、アーティスト)
参加方法:
会場(定員15名)/ライブ配信あり

予約方法:Peatixからお申込みください(当日まで受付)

https://kyobashiartwall20230317.peatix.com
山本 浩貴img 山本 浩貴img

山本 浩貴

文化研究者、アーティスト

1986年千葉県生まれ。一橋大学社会学部卒業後、ロンドン芸術大学にて修士号・博士号取得。香港理工大学ポストドクトラルフェロー、東京藝術大学大学院国際芸術創造研究科助教を経て、2021年より金沢美術工芸大学美術工芸学部美術科芸術学専攻講師。単著に『現代美術史 欧米、日本、トランスナショナル』(中央公論新社、2019年)、『ポスト人新世の芸術』(美術出版社、2022年)。

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第2回優秀作品に入選した作家、張静雯(チャン・ジンウェン)の展覧会を2023年4月12日(水)~4月23日(日)に開催いたします。本展はTODA BUILDING建設中仮囲に掲出している《冬夜》の実作品に加え、同作に関連するコロナ禍の「時間の空白」と「空間の距離」をテーマにした作品を展覧いたします。台湾出身のチャンが捉えたこの3年間の日常記録の作品を是非ご高覧ください。


空白と距離

 私は和紙、墨、水干、岩絵具などの素材を使って無機質な風景を描写し、現代人の「孤独」、「記憶」、「不安感」などの感情を伝えたいと思っている。本展では、窓と部屋をモチーフにした作品を展示した。窓の作品を描き始めたのは三木清という作家の言葉に出会ってからである。


――孤独は山になく、街にある。一人の人間にあるのではなく、大勢の人間の「間」にある。


そこからインスピレーションを得て、東京のマンションと窓というモチーフを用い、作品を制作した。窓は私にとって人々の出口と入口を表すものである。そのひとつひとつの窓にストーリーがあり、記憶、孤独、不安の感情が集まる。そして、毎日見慣れた景色、教室や部屋の隅などの場所では、人がいなくても、見えない記憶や感情が存在していると考えている。さらに、空間の閉鎖的な構図を利用して、物語が溢れるような場面を作りたいと思っている。


 2020年から新型コロナウイルスが発生して、世界は時間が止まったような状態になってしまった。そして新型コロナウイルスの影響で、新たな生活スタイルが生まれた。「密」は危険を象徴しており、「距離」は安全を示した。コロナウイルスの感染防止をしていく必要があるので、対策としてオフィス・店頭・飲食店等におけるアクリル板の設置が推進されたのだ。この場所は不思議な空間になっていた。コロナウイルスの感染を防止するために「距離」を保つ新しい生活様式が生まれた。そして人間は毎日にマスクを着用する生活を継続している。周囲の人々の顔や表情など頭の中がぼんやりしているかの印象を受ける。この3年間の時間的「空白」と空間の「距離」からなる日常生活を記録したいと思う。

張 静雯


展示概要

日時:
  • 2023年4月12日(水)~4月23日(日)12:00~18:00 月曜休場
  • [オープニングレセプション:4月12日(水)16:00-19:00(作家在廊)]
  • ※4月21日(金)はイベント開催に伴い16:30閉場。
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
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張静雯(チャン・ジンウェン)
/CHANG Ching-Wen

1979年台湾台中生まれ。2023年多摩美術大学大学院美術研究科博士後期課程美術専攻修了、博士号取得。主な展示に、2021年「東アジアのなかへ―収斂と拡散 vol.3 容器」(柴田悦子画廊/東京)、2022年「記憶容器」SICF22EXHIBITION部門 グランプリアーティスト展(スパイラルガーデン/東京)、「伏線」(誠品画廊/台湾)などがある。

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  • チャン・ジンウェン個展
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  • チャン・ジンウェン個展
  • チャン・ジンウェン個展
  • チャン・ジンウェン個展
    撮影:加藤健

クロストーク 
チャン・ジンウェン×細淵太麻紀

アーティストであり、2022年よりBankART1929の代表に就任した細淵太麻紀氏をゲストに迎え、チャンとの対談イベントを開催いたします。2020年に台北(台湾)での滞在制作を行った細淵氏と2015年から日本で制作し続けているチャンは、それぞれが異国の地でパンデミックを経験。アーティストとしての視点からコロナ禍の台湾と日本社会について語っていただきます。そして自身を「越境者」と呼ぶチャンの制作の真意やコロナ禍を経て考えるアーティストとしての今後にも迫ります。

日時:
2023年4月21日(金)18:30~20:00
(受付18:15)
※会場準備のため16:30~18:15はご入場頂けません。
会場:
KYOBASHI ART ROOM
ゲスト:
細淵 太麻紀(BankART1929代表・アーティスト)
参加方法:
会場(定員15名)/ライブ配信あり

予約方法:Peatixからお申込みください。(当日まで受付)

https://kyobashiartwall20230421.peatix.com
細淵 太麻紀img 細淵 太麻紀img

細淵 太麻紀

BankART1929代表、アーティスト

多摩美術大学にてグラフィックデザインと写真を学んだ後、美術・建築ユニット「PHスタジオ」に参加し、国内外での展示、野外プロジェクト、建築設計等多数手がける。2004年に横浜市の歴史的建造物等を文化活動に活用するBankART1929の立ち上げに参画し、以降企画運営全般に携わる。2015年頃より個人の作家活動を再開。2017年より「現像」共同主宰。2022年4月より現職。
Official WEBSITE

第1回優秀作家展覧会

  • Kokeshisky / コケシスキー 個展
  • 佐々木香輔 個展

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第1回優秀作品に入選した作家、 コケシスキーの個展を2022年9月28日(水)~10月8日(土)に開催いたします。 本展はTODAビル建設中仮囲に掲出している優秀作品《Hole》の実物に加え、 新作含む「Somewhereーどこにもないどこかの風景」をテーマとした作品を戸田建設が期間限定で自主運営するスペースKYOBASHI ART ROOMにて展覧いたします。 皆様のご来場を心よりお待ちしております。


Somewhere

掘り起こされた穴からは、時間の蓄積によって作られた地層、骨、過去の痕跡

モノクロームの少女
彩度から遠のいていく風景
切り取られた時間は重なりあって、
画面の上には、どこにもないどこかが広がる

京橋アートウォールにて、優秀賞を受賞した「ホール」を中心に、積み上げられた瓦礫と広がるドレス、そして、それらを暗示するモチーフを手がかりに、「どこにもないどこかの風景」をテーマに作品を制作した

Kokeshisky


展示概要

日時:
  • 2022年9月28日(水)~10月8日(土) 11:00~18:00  日曜休場
  • ※10月5日(水)はイベント開催に伴い16:30閉場
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
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Kokeshisky / コケシスキー

多摩美術大学デザイン科卒業後渡米。Pratt Institute(ニューヨーク)卒業、MFA取得。モーショングラフィック・デザイナーとして活動後帰国。デザイン業に従事する傍ら2005年より絵画制作を開始。 2016年、制作のフィールドをファインアートに移し、初個展開催。近年はAWAJI Cafe and Gallery(東京)など、東京を拠点に作品を発表している。

Official WEBSITE Instagram

  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
  • コケシスキー
    展覧会風景 撮影:加藤健

クロストーク 
コケシスキー×宮津 大輔

アートコレクターの宮津大輔氏をゲストに、コケシスキーとの対談イベントを開催いたします。 後世に作品を残したいと考えるコケシスキーとコレクターである宮津氏のそれぞれの視点から、 作品の保有・保存・譲渡等によって、アーティストはいかに生き延びることができるか、作品はいかにして世に残り続けるかを語り合います。

日時:
2022年10月5日(水) 18:30~19:30
(受付18:15)
会場:
KYOBASHI ART ROOM
入場:
無料
定員:
15名(会場定員)※事前予約制/ライブ配信あり
ゲスト:
宮津 大輔(アートコレクター、横浜美術大学 教授)

予約方法:Peatixからお申込みください。

https://kyobashiartwall20221005.peatix.com
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宮津 大輔

アートコレクター、横浜美術大学 教授

1963年東京都生まれ。 広告代理店、上場企業の広報・人事管理職を経て大学教授に転身。 世界的な現代アートのコレクターとしても知られる。 文化庁「現代美術の海外発信に関する検討会議」委員や 「Asian Art Award 2017」の審査員等を歴任。 『新型コロナはアートをどう変えるか』、『美術作品の修復保存入門』など著書や寄稿、講演多数。

「KYOBASHI ART WALL―ここから未来をはじめよう」の第1回優秀作品に入選した作家、 佐々木香輔の個展を2022年10月19日(水)~10月29日(土)に開催いたします。 本展はTODA ビル建設中仮囲に掲出している優秀作品《space -under the ground》の実物に加え、 過去から現在までの作品を網羅的に展覧いたします。 戸田建設が期間限定で自主運営するスペースKYOBASHI ART ROOM にて、 皆様のご来場を心よりお待ちしております。


SPACE

Scapeはわたしが撮影するポートレイト写真である。
モデルとなる人たちが住む部屋や仕事場をカメラ・オブスキュラにし、この投影装置を用いて モデルの姿を映し出す。そうして映し出されたモデルの姿を、わたしが部屋(カメラ)のなかに 入りこみ撮影した。
カメラ・オブスキュラは紀元前から知られる原始的な映像の投影装置だ。とてもシンプルなつ くりで、壁に設けられたひとつの孔がレンズの役目をし、天地左右が反転した像が暗い部屋のな かに投影される。
今回の個展はこのScapeを中心として、受賞作Spaceやこれまでの作品の一部もあわせて展示を する。

佐々木香輔


展示概要

日時:
  • 2022年10月19日(水)~10月29日(土) 11:00~18:00  日曜休場
  • ※10月21日(金)はイベント開催に伴い16:30閉場
会場:
KYOBASHI ART ROOM(東京都中央区京橋1-8-4京橋第二ビル4F)
主催:
戸田建設株式会社
後援:
中央区
SASAKI-Kyosuke_img SASAKI-Kyosuke_img

佐々木 香輔

1985年宮城県生まれ。 2007年日本大学芸術学部写真学科卒業。 2018年第41回「キヤノン写真新世紀」優秀賞。2020年第22回 「1_WALL」写真部門ファイナリスト。 2021年には「ALTERNATIVE KYOTO」(京都府主催芸術祭)に参加。 写真というメディアを通し、光の存在を顕在化させる表現を探求している。

Official WEBSITEInstagram

  • 佐々木香輔 《Scape》 2021
  • 佐々木香輔 《Scape》 2021
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
  • 佐々木香輔 《Space》 2020
    展覧会風景 撮影:加藤健

クロストーク 
佐々木 香輔×福尾 匠

批評家であり哲学者である福尾匠氏をゲストに、佐々木香輔との対談イベントを開催いたします。 福尾氏の著書『眼がスクリーンになるとき:ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』』を読んだ佐々木からのリクエストが実現した対談です。 「眼がスクリーンになる」とはどういうことなのか、写真家として表現し続ける佐々木に、 映像批評家そして見ることの純粋さを問う哲学研究者としての福尾氏が迫ります。

日時:
2022年10月21日(金) 18:30~19:30
(受付18:15)
会場:
KYOBASHI ART ROOM
入場:
無料
定員:
15名(会場定員)※事前予約制/ライブ配信あり
ゲスト:
福尾 匠(批評家、哲学研究者)

予約方法:Peatixからお申込みください。

https://kyobashiartwall20221021.peatix.com
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福尾 匠

批評家、哲学研究者

1992年生まれ。日本学術振興会特別研究員、立命館大学非常勤講師。 フランス現代思想の研究と並行し、様々なジャンルの批評やエッセイの執筆を行う。 著書に『眼がスクリーンになるとき:ゼロから読むドゥルーズ『シネマ』』(フィルムアート社)、『日記〈私家版〉』(自主制作)がある。
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