Zoom UP 現場
ESR市川
ディストリビューション
センター新築工事

力と技術を結集して “世界一の物流施設”をつくる

現在、千葉県市川市で国内最大級の物流施設が当社の設計・施工によって建設されている。
人の力と技術を結集し、“オール戸田”でつくり上げる現場を訪問した。

日本一の規模を誇る倉庫

物流の拠点として良好な場所に建設されるこの倉庫は、オシャレなカフェテリアや託児所などを備えるユニークなものだが、最大の特徴はその規模である。約200m×130mの北棟と南棟の間にセンター車路が配置され、その両端にランプが設けられたこの建物は地上4階建て、延床面積22万5007m2という大きさ。2019年の完成時には日本一の規模となるこの現場を指揮する作業所長はこう話す。
「当社が近年手掛けてきた物流施設は、大きいものでも1フロアあたりの床面積が4000〜8000m2でした。この建物のそれは5万7000m2もあるといえばその大きさが分かると思います。この巨大倉庫を高品質につくり上げるために、支店や部署の枠組みを超えて取り組んでいます」。

当社の先端技術を結集

この工事のもう一つのポイントは、当社の独自技術が多数取り入れられているということ。地上躯体には圧縮力に強い鉄筋コンクリート(RC)を柱に、軽量で曲げやせん断力に強い鉄骨(S)を梁に用いるTO -RCS工法(戸田式柱RC梁S接続工法)の他、1・2階で大きなX型のブレースを構成する2層一体X型ブレースがRCS構法としては当社で初採用されている。また基礎には、柱の周辺をマットスラブとしてそれにつながる梁を格子状にすることで、梁せいを抑えて現状地盤を掘削せずに基礎を設けられる格子状ダブルビーム工法や、杭頭を固定して大きな荷重に耐えるTO -SPCap工法(鋼板補強型杭頭接合工法)が取り入れられている。更に物流施設の命ともいえる床も、この大面積をつくる中でひび割れ等が生じないよう万全の対策が施されている。
このように人だけでなく技術も結集することで、物流施設に求められるローコストかつ高品質・高耐久性を、この巨大倉庫の建設において実現している。

フロントローディングによる効率化

本プロジェクトは当社の設計・施工であり、それによるメリットを最大限活かすために、基本設計の初期段階から施工部門も参画するフロントローディングで、様々な効率化が実現されている。その大きな成果として二つの棟の間に配置されるランプとセンター車路が挙げられる。この部分を当初計画から変更し、S造として先行施工することで、施工中もこの車路を利用して資材搬入をスムーズに行っている。
「このフロントローディングの取り組みや今回初採用したX型ブレース等、ここでの成果は当社の今後の工事にも活かされます。この大工事は当社にとって物流施設のプラットフォーム化を担う重要プロジェクトなのです。完成までしっかり無事故で進めます」。
力強く、作業所長はこう語った。

技術ポイント

2層一体X型ブレースを当社で初採用

このブレースは各階に逆V字型で入れていた従来のブレースと比べて、梁を介さないために大きな軸力を負担することができ、設置箇所と鉄骨数量を低減することできる。当社として初採用であったため、接続部となる2階柱頭仕口は実大モックアップを作成し、施工手順や納まり等を慎重に検討した。

私たちが作っています

作業所長 S・H
すべての力をここに集結する

ここでは“オール戸田”ということはもちろん、協力会社も含めて“すべての力をここに集結する”というかたちで進めています。また面積が日本一というだけでなく、世界一の物流施設を建設しよう、という気持ちで取り組んでいます。
このような大現場において、若い社員には広い視野で自分の担当エリア以外にも常に気を配ることを伝えています。またそれぞれの社員に対しては、建設現場ですので、ある程度共通の“型”が必要だと考えていますが、同時に一人ひとりが持っている“ 個性や長所”を発揮できるよう心がけています。それが現場としての大きな力につながると考えています。

所属に関係なく全員と同じように接すること、そして物事を明確に伝えることを心がけています。

現場ではいろいろなことが起こりますが、風通し良く話すことがチームの強さになると思っています。

計画担当の私が各工事を担当する皆に的確な指示を出すことで、仕事がスムーズに進むよう心がけています。

自分よりも若い社員が多いので、一緒に直接現場に行くことを心がけています。

情報をしっかり共有できるよう、社員間の打ち合わせは工区や担当を問わず綿密に行っています。

床は倉庫の「顔」ですので、コンクリート工事の段取りをしっかり管理しています。

手戻りが生じないように、社員や職人さんとしっかり話して共通認識のズレに気をつけています。

大きな現場の中で誰がどこで何をしているのか、打ち合わせを通して全体の動きを頭の中に入れています。

4月に入社して先輩方に教えていただきながら励んでいます。大現場の中で一人前の社員として成長ができるようにがんばります。

工事概要

工事場所 千葉県市川市二俣678-55他
発注者 RW原木3特定目的会社
設計・施工 当社単独
工期 2017年9月~2019年1月
概要 規模 地上4階
構造 SRC造(一部S造)
敷地面積 102,244m2
建築面積 57,135m2
延床面積 225,007m2
用途 倉庫