新着情報 揚重・搬送作業の自動化により作業効率アップ! 工事用エレベータとAGVを連動させた垂直・水平自動搬送システムを開発
2020/06/17
戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、水平自動搬送システム※1に工事用エレベータ(以下、工事用ELV)を連動させた、垂直・水平自動搬送システムを開発しました。これまで活用してきた水平搬送AGV※2「T-CART(ティー カート) 1000」による建築資機材の同一階の自動搬送に加え、上下階の揚重も自動化することで、建設現場での揚重・搬送作業の省力化を進め、作業効率を大きく改善させることが可能です。
- ※1 当社ニュースリリース「現場での資機材搬送の省力化を実現-水平自動搬送システムを開発-」
- https://www.toda.co.jp/assets/pdf/20180803.pdf
- ※2 AGV:Automated Guided Vehicleの略称。コンピュータ制御により無人で走行し、搬送や荷役を行う車両のこと。誘導方式は、磁気、電磁、光学、レーザー誘導
- などがある。
開発の背景
従来の建設現場における建築資機材の搬入では、搬入車両からの荷下ろしをはじめ、工事用ELVによる目的フロアへの揚重、目的フロア到着後の所定の位置への移動のすべてを人の手で行ってきました。これらの運搬作業は重労働であり、多くの人手を必要とする一方で、建設業界は作業員の減少や高齢化が進んでおり、作業の省力化が求められていました。
本システムの概要
本システムは工事用ELVと「T-CART1000」を連動させることで、搬入された建築資機材を積込み階の仮置き場から搬送階のストックヤード(搬送先)まで自動で搬送するものです。本システムの利点と手順は以下の通りです。
本システムの利点
- 仮置き場から搬送階のストックヤード(搬送先)までの搬送作業を自動で行うことで、作業に必要な手間とコストを大幅に削減できます。
- 積込み階と搬送階に「T-CART1000」を配置し、それぞれが工事用ELVと連動することで、工事用ELVの待機時間短縮に繋がり、搬送作業の効率化も図ることができます。
- 夜間など、他の作業が止まっている時間帯を利用し、搬送作業を済ませておくことで、作業所全体の作業効率と安全に貢献することができます。
本システムの手順
- 1積込み階の仮置き場に置かれた建築資機材の情報(サイズ、搬送階、搬送先など)をRFID※3タグから読取ります。
- 2積込み階のT-CART1000が仮置き場に置かれた建築資機材を工事用ELVに載せます。
- 3建築資機材を載せた工事用ELVが搬送階まで移動します。
- 4送階のT-CART1000が工事用ELV内の建築資機材をストックヤードまで搬送します(建築資機材が運び出されると、工事用ELVは積込み階に戻ります)。
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- ※3 RFID:Radio Frequency Identifierの略称。ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信によって情報を取得できる技術。
図1 垂直・水平搬送システムの概要図 - ※4 SLAM:Simultaneous Localization and Mappingの略称。測域センサ等を用いて、自己位置推定と周辺環境の地図作成を同時に行う技術。
今後の展開
当社は、本システムを当社の全国の建設現場に展開し、システムをより使いやすいものに改良した上で、社外への展開を目指していきます。
協力:(株)大同機械
- ※3 RFID:Radio Frequency Identifierの略称。ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離(周波数帯によって数cm~数m)の無線通信によって情報を取得できる技術。