新着情報 物流施設などの設計の自由度拡大と施工の省力化を推進! 戸田式柱RC梁S接合構法(TO-RCS構法)を改良

2020/06/30

戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、物流施設などに多くの適用実績を有する「戸田式柱RC梁S接合構法」(以下、TO-RCS構法)を改良し、設計の自由度拡大と施工時のさらなる省力化を実現しました。また、本構法の改良に伴い、2020年3月17日に(一財)日本建築総合試験所の建築技術性能証明を改定しました(GBRC性能証明 第08-08号 改2)。

技術の概要と改良の背景

本構法は、高軸力を負担できる鉄筋コンクリート(RC)造の柱とロングスパンを可能とする鉄骨(S)造の梁を接合する合理的な混合構造です。S梁が柱梁接合部を貫通する「梁貫通型」で、接合部を覆う鋼板が型枠を兼用できるため施工性に優れた「ふさぎ板タイプ」の接合部形式となっていることが特徴です。鉄骨ブレースとの併用も可能です。純粋なS造と比較すると、溶接施工、耐火被覆、柱脚処理などの作業量を低減することができ、省力化や工期短縮、コストダウンが図りやすいというメリットを有します。

本構法は、これまでにも数多くの物流施設などで採用されてきましたが、左右の梁段差への対応など、設計の自由度拡大と施工時のさらなる省力化が求められていました。

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図1 従来のTO-RCS構法

主な改定内容

本構法の主な改定内容は以下のとおりです。

  1. 1左右の梁段差に対応(図2 ①参照)
    1.0Db(Db:梁せい)までの梁段差が可能となり、水廻りやトラックバース計画等の要望にも柔軟に対応できます。
  2. 2接合部に対する梁の偏心に対応(図2 ②参照)
    0.2Bc(Bc:柱幅)までの梁偏心が可能となり、外周梁における外壁の取り付け金物の低減に寄与します。
  3. 3バンドプレートの省略(図2 ③参照)
    柱頭に設置していたバンドプレートを省略することで施工性の向上が図れ、鋼材量や溶接量の低減に寄与します。
  4. 4最上階の接合部における柱主筋定着長の低減(図2 ④参照)
    柱主筋定着長を従来の25 db(柱主筋径(db)の25倍)から18 dbに低減することで最上階では柱頭を突出させる必要がなくなります。また、これにより柱主筋径選択の自由度も向上します。
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      ①左右の梁段差に対応
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   ②接合部に対する梁の偏心に対応
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     ③バンドプレートの省略
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④最上階の接合部における柱主筋定着長の低減

今後の展開

当社は、本構法の改良により、近年高まり続ける物流施設や商業施設等に求められる多様なニーズにお応えします。さらに、病院・事務所ビル・複数階の工場などの用途にも適用することで、自由度の高い設計を有効に活用し、お客様に最適な建物をご提供いたします。