新着情報 アートイベント「TOKYO 2021」のアーカイブコンテンツを公開 2019年に行われた、2021年以降の東京を考えるアートイベントの3Dウォークスルー映像とドキュメント映像を公開

2020/07/01

戸田建設(株)(社長:今井 雅則)とTOKYO 2021実行委員会は、2019年8月から10月にかけて開催した当社主催のアートイベント「TOKYO 2021」の3Dウォークスルー映像とドキュメント映像を公式ウェブサイト「TOKYO 2021」に公開しました。

TOKYO 2021とは

「TOKYO 2021」は、2019年8月から10月にかけて、建替前の本社ビルを会場に戸田建設が若手アーティストや建築家と協働して手掛けたアートイベントです。総合ディレクションにアーティストの藤元明、企画アドバイザーに建築家の永山祐子を迎え、日本の都市史・美術史の再解釈とこれからの新しいビジョンを、築展(8/3~8/24)」、「美術展(9/14~10/20 )」の2つの会期・内容に分けて開催しました。

アーカイブコンテンツのみどころ

公式ウェブサイトに公開したアーカイブコンテンツは、解体前の展示会場を追体験する3Dウォークスルー映像と、総合ディレクター藤元明氏による概要紹介、企画したディレクターが語る姿や展示風景を編集したドキュメント映像(「概要版」、「建築展」、「美術展」各3分程度)で構成されています。なお、3Dアーカイブには、建築展と同時開催の「透鏡2021|アンリアレイジ×丹青社(8/3~8/24)」の画像も掲載しています。

趣旨

2021以降に向けてのアーカイブ化:時代に向きあう表現者たち

「TOKYO 2021」は、2020年の東京オリンピック・パラリンピック後の世界にむけた、建築家やアーティストらによる社会への問いであり、提案でした。本来、社会性を有している建築家とアーティストという職業性にもかかわらず、コミットする機会を失った現状―――それを自らの課題として向き合うこと、そしてそれを多くの人と共有することを趣旨とした本企画。当時からこのアーカイブコンテンツは、一過性のアートイベントで終わらせず、2021年以降もコミットしていく若い世代の態度表明として予定されていました。

一方で、「TOKYO 2021」は新型コロナウイルスが世界に蔓延した今、私たちはどう生きるべきかという課題に図らずも直面する言葉ともなりました。2020年秋にはこの新たな課題も踏まえ、建築家、アーティストによる書籍の発行も検討しており、改めて「TOKYO 2021」が提起する都市の課題について考える“問い”としたいと考えています。

若手アーティスト・クリエイター育成の推進

当社は2024年以降、竣工予定の新本社ビルで若手アーティスト・クリエイター育成支援を柱とした事業も進めてまいります。その先駆けとして、当イベントを実施、今回は3D映像(※ARCHI HATCH)やアーカイブ映像(映像作家:川貴光)制作をその一環として実施しました。

アーカイブコンテンツ概要

「TOKYO 2021」アーカイブコンテンツページ(7月1日公開)

3Dウォークスルー映像(建築展)

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  写真1 建築展 「島京2021」展覧会会場の3Dウォークスルー映像の一部

3Dウォークスルー映像(美術展)

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写真2 美術展「un/real engine 慰霊のエンジニアリング」展覧会

  会場SiteB「祝祭の国」の3Dウォークスルー画像の一部

ドキュメント映像(建築展)

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出演:中山英之(建築家)

ドキュメント映像(美術展)

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出演:黒瀬陽平(キュレーター)

建築展「課題 島京2021」について

建築家のコレクティブによる2021年以降の東京への提言を目指したワークショップ型展覧会。大都市の前提が揺らぐ現代社会の変化を背景に、ポストオリンピック・パラリンピック=2021年以後の東京の都市状況を「東京=島京2021」をキーワードに考えるワークショップ(8月4日~8月23日)と公開の討論会と展覧会で構成。

中山英之(建築家)が「課題」という枠組みを設定し、藤村龍至(東京藝術大学美術学部建築科准教授/RFA主宰)が「東京=島京2021」の現状に対するオルタナティブを問う課題を提示、参加者はプロジェクトメンバーの建築家(13名)とともに展示期間の1ヶ月間を通じて制作と議論を続け、提案をまとめました。終公開討論(8月24日)では、ゲストを迎え討論を行い、来場者と共に「超都市」としての東京の未来像を語りあう場が生成されました。

美術展「un/real engine 慰霊のエンジニアリング」について

「災害」と「祝祭」を繰り返してきたこの国の歴史とともに、文化や科学は新たな想像力や表現、技術を生み出してきましたが、本展では各時代におけるアーティストの営みを「慰霊のエンジニアリング(engineering of mourning)」と名付け、その系譜の一部として日本現代美術史を再構成しました。キュレーターに黒瀬陽平を迎え、若手からベテランまでおよそ30名の作家が、盲信的に進もうとする社会全体に対し、様々な「問い」を投げかける場となりました。会場では本社ビル解体前の状況を活かしたサイトスペシフィックな大型インスタレーションを多数展開し、解体前の建物の最後を飾りました。

「TOKYO 2021」の成果について

本社ビル解体前の建物を活かした新しい芸術発信の試みは、建築、美術各方面からも高評価を得、webメディア、新聞・雑誌、ラジオ出演等の多数のメディア掲載実績を記録しました。来場者数は2ヶ月弱で約18,000人におよび、普段は京橋を訪れることの少ない若年層、外国人の方々にもご来場いただき、これからの都市とアートの関係性について投げかける契機となりました。

今後の展開

2021年は、戸田建設にとって創業140周年を迎える年であり、かつ長らく京橋の地で社業を営んできた社屋(TODAビル)が、2024年に完成する(仮称)新TODAビルにその役割を繋いでいく節目の年でもあります。

新しいビルには、アートをはじめとするクリエイティビティを育み、発信する場が誕生します。訪れるオフィスワーカーや地域の方、街区を訪れた方々には、気軽に芸術文化に触れられ、発見や変化によって新しい繋がりが生まれ、彩りある豊かな未来へと展開していく“きっかけ”を提供したい。そして京橋の街がさらに発展していく役割を担うことを目指します。

  • ARCHI HATCH(株)

    代表取締役:徳永 雄太

    住所:〒158-0085 東京都世田谷区玉川田園調布2-13-1 アビターレ玉川田園調布102