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VPP実証が最終年度へ突入
2021年度需給調整市場参入へ向けた準備を加速化
アグリゲーションビジネスが実証から実装へ
2020/07/14
当社は、2017年度に(株)エナリス(社長:都築 実宏)と協働して「平成29年度 需要家側エネルギーリソースを活用したバーチャルパワープラント構築実証事業費補助金」の交付を受け、八丁堀センタービルに定格出力220kWの蓄電池を導入しました。 2018年度以降、(株)エナリスとKDDI(株)(社長:髙橋 誠)が共同で参画している経済産業省「バーチャルパワープラント構築実証事業」において連携して実証を進めてきました。 今年度は、昨年度に引き続き、中国電力(株)、東邦ガス(株)、京セラ(株)、(株)グリムスソーラー、(株)ナンワエナジー、(株)スマートテック、三菱重工エンジン&ターボチャージャ(株)が参加するとともに、新たに、西部ガス(株)、ENEOS(株)、MULユーティリティーイノベーション(株)、(株)Sassor、JREオペレーションズ(株)、(株)レノバ、会津電力(株)が加わり、17社体制のもと連携し実証を進めます。
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共通実証として、需給調整市場における三次調整力(注3)制御の成功率向上や上げ下げDR(注4)の小売電気事業者に及ぼす経済効果の検証を行います。
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独自実証として、家庭用蓄電システムや自家発電機による周波数調整制御や、アグリゲート(集約)した再生可能エネルギーと需要家側リソースを連携制御する需給一体調整モデル(注5)の検証など、アグリゲーションビジネスの領域拡大に取り組みます。
当社は、本実証事業を通じて、将来のエネルギー社会の高度化に貢献していきます。
本実証事業について
実施内容
- 1三次調整力①・②制御の検証(共通実証)
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2021年春開設予定の需給調整市場の参入に向けた三次調整力①・②制御の検証を行います。
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コンソーシアムに参加する事業者の多様なエネルギーリソースを対象に、昨年までの実証課題や市場要件も踏まえ、需要家の負荷変動に合わせた制御技術を検証し、制御成功率向上を目指します。
- 2市場価格連動上げ下げDRの検証(共通実証)
- 多様なエネルギーリソースに対して、市場価格(スポット・時間前)と連動したディマンドレスポンス(DR)を実施し、小売電気事業者に及ぼす経済効果を検証します。
- 3周波数調整制御の機能開発と検証(独自実証)
- 負荷変動に起因する周波数変動を検出して自動的に出力制御を行う機能を開発し、家庭用蓄電 システムや自家発電機を用いて、その有効性を検証します。
- 4需給一体調整モデル検証(独自実証)
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- 発電バランシンググループの発電量の変動に合わせて、電力ユーザーをグルーピングした需要バランシンググループを制御し、需要と供給をバランシングすることの実用可能性の検証や技術的・制度的課題の抽出を行います。
- 5電気自動車充放電制御システムの開発と検証(独自実証)
- 調整力として電気自動車を活用するためのシステム開発と、制御検証を行います。
各社の役割
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アグリゲーションコーディネーター((株)エナリス、KDDI(株))
リソースアグリゲーターなどと連携して統合管理を担当し、電力小売や電力市場などでの取引を想定した実証を行います。
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リソースアグリゲーター((株)エナリス、中国電力(株)、東邦ガス(株)、西部ガス(株)、ENEOS(株)、(株)ナンワエナジー、(株)スマートテック、(株)Sassor、戸田建設(株)、MULユーティリティーイノベーション(株)、京セラ(株)、(株)グリムスソーラー)
お客さまと蓄電システムなどの制御に関する契約を締結し、アグリゲーションコーディネーターなどと連携して蓄電システムや自家発電機などの遠隔制御および統合管理を実施します。
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実証協力事業者(三菱重工エンジン&ターボチャージャ(株)、JREオペレーションズ(株)、
(株)レノバ、会津電力(株))
アグリゲーションコーディネーターやリソースアグリゲーターの実証をサポートします。
実施地域
東北電力エリア、東京電力エリア、中部電力エリア、関西電力エリア、中国電力エリア、九州電力エリアほか
制御対象リソース
産業用蓄電システム、家庭用蓄電システム、自家発電機、コジェネレーションシステム、電気温水器、車載用リユース蓄電池、エネファーム、エコキュート、EV充電器、空調機、冷凍機、太陽光・風力発電所(需給一体調整検証用)
実証期間
2020年8月1日~2021年2月17日
参考
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(注1)太陽光発電、蓄電池、電気自動車、省エネなど小規模な設備にデジタル技術を用いて統合制御することで火力発電所のような大型発電所と同様の機能を提供する技術。
(注2)送配電事業者が需要と供給を一致させる際に使う供給力(=調整力)を取引する市場。調整力は周波数を維持し、安定供給を果たす重要な役割を担う。
(注3)経済的に需給調整を行う調整力のこと。高速枠の3次調整力①(応動時間15分以内、継続時間3時間)と、低速枠の3次調整力②(応動時間45分以内、継続時間3時間)がある。
(注4)お客さま側の電力消費パターンを変化させることで、電気の需給バランスを調整すること。小規模発電所の余剰な発電量を需要家に消費してもらったり、または蓄電池への充電に充ててもらったりすることを「上げDR」、需要のピーク時に、需要家に電力使用を抑えてもらうことを「下げDR」と呼ぶ。
(注5)再生可能エネルギーのFIT(固定価格買取)制度からの自立モデルの一つで、自家消費を中心とした需要家側の再生エネルギー活用モデルのこと。