新着情報 建設機械の接触災害を防ぎ、作業員の安全を守る! 遠赤外線カメラとAIを用いた人物検知システムを開発

2020/10/01

戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、建設現場における建設機械と作業員の接触災害を防ぐため、「遠赤外線カメラを用いた人物検知システム」を開発しました。本システムは、温度を感知する遠赤外線カメラとAI(人工知能)を用いて人物(作業員)や物(建設機械)を検知するもので、夜間や薄暗いトンネル坑内等、従来の可視光カメラでは検知が困難であった状況下でも作業員の安全を守ります。

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写真1 遠赤外線カメラの建設機械への設置状況
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写真2 トンネル坑内での撮影事例
    上:可視光カメラ
    下:遠赤外線カメラ
    (AIによる人物検知含む)

開発の背景

建設現場において、「建設機械と作業員の接触災害」の防止は重要な課題です。従来の可視光カメラを用いた人物検知システムでは、薄暗い場所や粉じんのある環境での検出精度の低下や、遠距離の人物検出ができない等の課題がありました。

本システムの概要

本システムでは、温度を感知する遠赤外線カメラとAIを用いて人物(作業員)や物(建設機械)を検知します。人物や物の温度を感知するため、夜間や薄暗いトンネル坑内等、光源が無い状況での適用が可能です。また、可視光カメラと比較して粉じんや濃霧の影響を受けにくいという特長も有します。
本システムの特長は以下の通りです。

  1. 1高精度の人物検知※1
    遠赤外線カメラとAIを用いることで、人物(作業員)を97%以上の精度で検出することが可能です。
  2. 2遠距離の人物検出と測距※1
    カメラから人物(作業員)までの距離を高い精度(測定距離に対して1%程度の誤差)で推定します。最大40m離れた人物検出及び測距が可能です。
  3. 3至近距離の人物検出
    画像解析により、カメラの至近距離にいて全身が写らない人物(作業員)の検知も可能です。
  4. 4音と光と映像による警報
    カメラと人物(作業員)の距離に応じた警報エリアを任意に設定することが可能です。危険を感知すると、警報エリアごとに設定した光と音で作業員に知らせます。
    機械運転席に設置したモニターにより、機械オペレーターは人物(作業員)を映像で確認することも可能です。

図1 警報エリアの設定イメージ

写真3 トンネル現場での検証状況
写真4 機械運転席の状況
 (モニター+警告灯)

今後の展開

当社はトンネル現場で本システムの動作検証を実施し、その有効性を確認しました。今後、本システムを様々な工事現場に展開し作業員の安全を守ります。さらに、建設機械の自動検出機能を加えるなど本システムの性能向上を目指していきます。