新着情報 オフィスの不快な振動を解消! OAフロア下に収納可能な超薄型の床用制振装置を開発

2021/03/12

戸田建設(株)(社長:今井 雅則)は、オフィスなどの居住空間において、人の歩行や車両の通行によって発生する不快な振動を解消するための超薄型の床用制振装置を新たに開発しました。本装置は、AMD(アクティブ・マス・ダンパー)と呼ばれる従来技術に当社独自の工夫を加えることで、従来よりも大幅な薄型化(高さ約6.5cm)を実現したものです。OAフロア※1下などの狭小空間への設置を可能にしたことで、部屋の使用性を損なうことなく快適な居住空間をお客様に提供します。

  • ※1 ネットワーク配線などのために床下に空間を設け、二重化した床。フリーアクセスフロアや二重床とも呼ばれる。
20210305_01.jpg
写真1 超薄型AMDの外観

開発の背景

オフィスなどの居住空間において、室内の人の歩行や屋外の車両通行などによる不快な振動が日常的に発生する場合があります。こうした不快な振動を抑制する技術として、アクチュエータで錘(おもり)を電気的(アクティブ)に制御し、不快な振動を打ち消すAMDと呼ばれる制振装置が用いられます。しかし、従来のAMDは高さが70cm程度と大きく、その効果が最も発揮される床の中央に設置しようとすると空間の使用性を損ねてしまうという課題がありました。

本装置の概要

本装置は、精密機器の位置決めなどに利用される小型のアクチュエータをAMDに応用し、従来の1/10以下となる大幅な薄型化(高さ約6.5cm)を実現しました。本装置の特徴は以下の通りです。

  1. 1OAフロア下に収納可能な超薄型化を実現し、部屋のスペースやレイアウトを気にすることなく設置が可能です。
  2. 2床スラブにアンカー固定するだけの簡単施工で、新築・既存建物問わず設置が可能です。
  3. 3床の振動に応じた電気的な制御のため、様々な性状の振動に対応が可能です。

また、実大規模の性能確認実験により、本装置の優れた振動抑制効果を確認しています(図1)。

20210305_02.jpg
図1 性能確認実験結果の一例

今後の展開

超薄型化を実現した本装置は、新築・既存建物問わず、様々な用途の建物に適用可能です。当社は、自社施工物件への本装置の適用を進めるとともに、外販による積極的な展開を図り、お客様に快適な居住空間を提供します。