新着情報 プレキャスト部材製造に供する新工場棟・新事務棟が完成 成田工場再整備計画1期工事が竣工

2022/01/28

戸田建設(株)(社長:大谷 清介)は、成田工場(千葉県成田市)で行っていた再整備計画の1期工事の完了に伴い、新工場において1月末よりプレキャスト(以下PCa)※1部材の製造を開始します。本施設は、1972年に稼働開始した旧成田PC工場を全面的に建て替える再整備計画の一環です。今回の整備により生産力を増強すると同時に、ICT・IoT活用による生産性の向上や製品情報の可視化・一元化、RE100の実現による環境配慮など次世代モデルの生産施設を実現しました。

  • ※1 鉄筋コンクリート部材を建設地とは異なる専門製作工場にて事前に製作し、作業所に運搬・組み立てることで躯体を構築する「プレキャスト鉄筋コンクリート工法」の略。
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写真1 工場棟外観(航空写真)
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写真2 工場棟製造ライン内観
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写真3 事務棟外観
【工場棟 概要】
構  造 鉄骨造(一部鉄筋コンクリート造)
階  数 地上2階
建築面積 10,638㎡
延床面積 11,463㎡
 
【事務棟 概要】
構  造 鉄筋コンクリート造
階  数 地上2階
建築面積 365㎡
延床面積 513㎡

背景・概要

脱炭素社会の実現に向けた取り組みや建設業における深刻な技能労働者不足を解消すべく、1972年よりおよそ50年間稼働している自社保有のPCa製造工場の建て替え再整備を行いました。
今回の新工場建設では4つのコンセプト①RE100※2の実現、②ICT・IoTを活用したスマート化、③生産性向上を追求した合理的生産ライン計画、④従業員が誇りを持って働きたくなる工場の実現を掲げています。
新事務棟は、「Industry and Craftsmanship」をコンセプトとして、外装は「建築」と「土木」を融合したフルPCaで実現、内装は木材を多く取り入れたBox in Boxの構成としています。
新工場では製造能力がこれまでの年間12,000㎥から、最大26,000㎥へと倍増、最大揚重能力も30tと大型部材の製造が可能になりました。

  • ※2 使用する電力の100%を再生可能エネルギーにより発電された電力とすること。

ICT・IoT活用の概要

新工場には新たに開発した製造管理システムを適用しました。
基幹となるシステムは製造段階の個々の部材に取り付けたRFIDタグ※3を用い、製作・検査の各工程を可視化することで、正確かつ効率的な製造管理を実現しています。
従来の紙による製造管理から、ハンディリーダーやタブレット端末を活用しシステムをクラウド化することで、膨大な記録データをリアルタイムで共有することが可能になりました。
そのほかにもスマートセンサーを使用したコンクリートの脱型時強度管理や、画像解析による製品検査システムを基幹システムに連携することで、さらなる品質確保と生産性向上に取り組んでいます。

  • ※3 ID情報を埋め込んだRFタグから、電磁界や電波などを用いた近距離の無線通信によって情報のやりとりをおこなうもの。

特徴

  1. 1環境対策
    工場棟の大空間にはハイサイドライトとトップライトを備え、自然採光を活用した照明計画によって省エネルギー化を実現します。また北側の大開口から流入した外気を、東西外壁上部のガラリから排出する屋内気流を利用し自然換気します。
    工場棟の約10,000㎡の大屋根に太陽光発電システムを設置し、RE100を実現しました。また成田空港発着の飛行機から臨めるよう、当社のロゴマークを配置しています。
  2. 2PCa独自技術
    工場棟では柱、戸田式座屈拘束ブレース、腰壁、基礎梁を、事務棟では躯体全体を、既存工場で製造したPCaで構成しています。新しい成田工場は戸田の技術を体現した“ショールーム”と位置付けています。
  3. 3生産性向上
    搬送用の天井クレーンと屋外橋形クレーンが、大屋根の下で交差しリレーする建物形態は、PCa製品のチェックと補修を屋根の下で行えることによる品質向上と、クレーン作業を一工程省けることによる生産性向上の両方を実現します。
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図1 ICT・IoTを活用した製造管理システム(イメージ)

今後の展開

今後は2期工事として既存工場の解体を行い、製品ストックヤードを整備して8月にグランドオープンを迎えます。超高層集合住宅や大規模物流施設などの建築部材や、下水道シールドセグメントなどの土木部材の製作を通し、より優れた製品をお客様に提供することで競争力の強化と生産性の向上を図ってまいります。