新着情報 当社初のサステナビリティ・リンク・ボンド発行に関するお知らせ

2022/02/10

戸田建設(株)(社長:大谷 清介)は、国内市場において公募形式によるサステナビリティ・リンク・ボンド(無担保社債)の発行(以下、本発行)に向けた準備を行っておりますのでお知らせいたします。

本発行の目的及び背景

当社は「環境課題の解決により、グローバルに持続可能な社会の実現に貢献する」を環境方針に掲げ、環境リスク低減に向けた活動と、より良い環境の創造に向けた活動に取り組んでおります。
2016年に国内初となる浮体式洋上風力発電施設(長崎県五島市沖)の商用運転を開始したほか、2017年には国内建設業初となるSBT(Science Based Targets)※1認定を取得、同年のグリーンボンドの発行など業界に先駆けた環境活動に取り組んでおります。さらに、2021年には環境評価を行う国際的な非営利団体CDP(本部:ロンドン)から、「CDP2021気候変動Aリスト」に選定され、気候変動に対する活動において世界的な先進企業として評価を受けました。こちらはゼネコンで唯一の4年連続5度目の最高評価を受けております。

2020年には2024年度までの5ヵ年を対象とする「中期経営計画2024」を策定し、経済価値指標(財務指標)とともにCO2排出量削減率をはじめとした社会価値指標(非財務指標)を評価指標とし、その相乗効果により「高付加価値競争を通じた事業活動の継続進化と企業価値の向上」を目指しております。

また、2021年12月に持続可能な社会の実現のため、2050年に向けて目指す経営の姿を「サステナビリティビジョン2050」として定め、2050年を見据えたさまざまな社会課題や事業に関連した課題を「事業への影響度」と「ステークホルダーへの影響度」の2軸で評価し、「戸田建設グループのマテリアリティ(重要課題)」として次の5項目を特定しました。

  1. 1豊かな暮らしを支える街づくり
  2. 2環境と共生したインフラ整備
  3. 3脱炭素社会の実現
  4. 4技術革新と提供価値の向上
  5. 5働く喜びを感じる職場づくり

今般、当社のサステナビリティへの取り組みが反映されるSPTs※2を設定したサステナビリティ・リンク・ボンドを発行することに致しました。本発行を通じて、脱炭素化を推進し、持続可能な社会の実現と企業価値の向上を目指すとともに、当社の取り組みについて幅広いステークホルダーのみなさまに、より一層認知していただくことを企図しております。

  • ※1 SBT
     パリ協定(世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準(Well Below2℃:WB2℃)に抑え、また1.5℃に抑えることを目指すもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス(GHG)排出削減目標のこと。
  • ※2 SPTs
     サステナビリティ・パフォーマンス・ターゲット(SPTs)とは重要な評価指標(KPI)に関して達成すべき目標として設定されるもの。

SPTsの選定について

「環境方針」、「中期経営計画2024」、「サステナビリティビジョン2050」の理念とも合致するSBTにて定めるScope1,2,3を本件のSPTsとし、Scope1,2をSPT-1、Scope3をSPT-2としました。なお、2017年に2℃目標※3にてSBT認定を受けておりますが、Scope1,2については1.5℃、Scope3についてはWB2℃※3に目標を引き上げてSBTi(※4)の最新基準に設定して更新手続き中です。

SPT-1: SBTにて定めるScope1,2※5のGHG排出総量の削減率で2030年度末に2020年度比42%削減
SPT-2: SBTにて定めるScope3※5のGHG排出総量の削減率で2030年度末に2020年度比25%削減
  • ※3 SBT
     2017年時点ではScope1,2は気温上昇を産業革命前より2℃に抑える「2℃目標」も認められていたが、現時点では2℃を十分に下回る水準である「WB2℃目標」となっており、2022年7月からは1.5℃に抑える「1.5℃目標」のみ認められることが発表された。但し、Scope3は「WB2℃」目標も認められる。
  • ※4 SBTi
     Science Based Targets initiativeの略。企業の温室効果ガス削減目標が科学的な根拠と整合したものであることを認定する国際的なイニシアチブ。
  • ※5 Scope1:建設作業所における重機の軽油等の使用により直接排出されるGHG排出量など
     Scope2:オフィス等における購入した電気・熱の使用により発電所で間接的に排出されるGHG排出量など
     Scope3:Scope1,2以外の間接排出で当社事業に関連する他社のGHG排出、例えば、建設資材製造時の排出量や施工した建物の運用期間中の排出量など

本発行の概要

名  称 戸田建設株式会社第9回無担保社債
(社債間限定同順位特約付)(サステナビリティ・リンク・ボンド)
発行年限 10年(予定)
発行額 100億円(予定)
発行時期 2022年3月以降(予定)
判定後の
債券特性

SPT-1が未達成であると判定日までに確認した場合、2032年3月末日迄に以下の金額のグリーン電力証書を購入します。グリーン電力証書購入において不可抗力事項等(取引制度の規則等の変更等)が発生し購入できない場合、適格寄付先への寄付の実施を予定しております。

SPT-2が未達成であると判定日までに確認した場合、2032年3月末日迄に以下の金額の適格寄付先への寄付を実施します。

なお、「適格寄付先」とは、マテリアリティである「脱炭素社会の実現」に資する環境保全活動を目的とする公益社団法人・公益財団法人・国際機関・自治体認定NPO 法人・地方自治体やそれに準じた環境貢献団体です。

判定日と支払額

SPTs 判定日 支払額
SPT-1 2031年9月末日 社債発行額の0.10%
SPT-2 2031年9月末日 社債発行額の0.05%
主幹事 三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社、みずほ証券株式会社、
SMBC日興証券株式会社
Structuring
Agent
三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社

本発行のために策定したサステナビリティ・リンク・ボンド・フレームワークについては、(株)格付投資情報センター(R&I)より、第三者評価として「サステナビリティ・リンク・ボンド原則2020(ICMA)」に適合している旨のセカンドオピニオンを取得しています※6

今後のスケジュール

本日、本発行に向け社債の訂正発行登録書を関東財務局長に提出しております。
また本発行においては、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(株)(Structuring Agent)、みずほ証券(株)、SMBC日興証券(株)を主幹事として起用し、需要状況を見ながら、本年3月以降に条件を決定する予定です。