新着情報 “ビル内移動環境計測・通知システム”の機能を拡充 環境予測機能と人検知機能を追加
2022/09/26
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、ソフトバンク(株)が開発した自律走行ロボット「Cuboidくん(※1)」を用いて昨年プロトタイプを開発した”ビル内移動環境計測・通知システム”について、機能を拡充しました。本システムは自律走行ロボットに搭載したCO2センサーやビル内に設置されているCO2センサー(以降、固定型CO2センサー)の情報を統合させ、より実態に即したCO2濃度をビル管理者に提供するとともにビル内の従業員や来訪者へ環境情報を通知するシステムです。今回の機能拡充により現在の環境情報だけでなく数分後の環境情報も機械学習により予測し通知を行います。また通知をする際に人の在席の有無を自律走行ロボット側で確認し、通知の要不要を判断します。
※1「Cuboidくん」は、ソフトバンク(株)の登録商標です。
追加機能により解決する課題
- (1)CO2濃度の時間変動
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CO2濃度は時間変動があり、ある時点で換気基準値を下回っていても数分後にはそれを上回る可能性があります。本システムのプロトタイプは現在の計測結果を基に音声通知を行っており、この時間変動に対応しきれない部分がありました。この課題に対応するため、機械学習により数分後のCO2濃度を予測する機能を本システムに追加し、数分後に推奨される行動も人に音声通知できるようにしました。これによりCO2濃度の時間変動に対応し、将来の危険を回避する行動を人に促すことができます。
- (2)人が在席していないがCO2濃度が高い箇所への対応
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オフィスでは気流により「人が在席していないがCO2濃度が高い箇所」が発生します。本システムのプロトタイプでは、ビル内のCO2が高濃度である箇所には「人」が在席していると想定しているため、人が在席していないところにも音声通知を行う可能性がありました。この課題に対応するため、カメラを搭載し人検知機能を追加しました。これによりCO2が高濃度かつ「人の在席有」の場合は音声通知を行い、CO2が高濃度でも「人の在席無」の場合は音声通知を行いません。これにより人が在席していないがCO2濃度が高い箇所」への音声通知といった不要な通知の機会を削減します。
今後の展開
本システムは実運用に向けて当社内で継続的に稼働させながら建物内の環境を改善する実験を行います。それとともにデータを蓄積しシステムの予測精度を向上し新TODAビルでの実運用を目指します。なお、本システムは現在特許出願中です。