新着情報 コンクリートの打設口を自在に切り替える「スイッチャーズ™」を開発 覆工コンクリートの打設作業を省人化

2023/01/05

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)と大栄工機(株)(本社:滋賀県長浜市、社長:小林 雅彦)は、山岳トンネルの覆工コンクリート打設時の苦渋作業を省人化によって改善する目的でコンクリートの打設口を自在に切り替える「スイッチャーズTM」を開発(特許出願済み)し、この度、実証試験にて有効性を確認しました(写真-1、図-1参照)。

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写真-1 打設高さによるスイッチャーズの切替(図-1の赤枠部分)

概要

従来、覆工コンクリートは、セントル(型枠)に設けられた多数の検査窓(コンクリートの打設に用いる開口。450㎜×550㎜程度)に打設ホースを設置して打設します。このため、セントルの下端から順次上側に打ち上げていく過程で、打設ホースを順次上側の検査窓へ人力にて移動させ、打設の終わった箇所の検査窓を人力で閉じていますが、重いホースの移動や検査窓の開閉は苦渋作業となっています。
今回開発したスイッチャーズは、投入口の自動開閉機能を備えたスライド型配管切替装置で、図-1のように複数組み合わせて打設を行うことが可能です。
打設時は、任意の打設口(φ150㎜程度)を油圧で切り替え、打設口を油圧で開閉することができます(写真-1参照)。これによって、打設時の打設ホースの移動や検査窓を閉じるための人力作業の必要がなく、苦渋作業の改善や安全性および生産性の向上が図れます。

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図-1 スイッチャーズの周方向の配置

作業効率の有効性

【従来】検査窓(下段)を閉めて、打設ホースを次(上段)の検査窓に配置替えする時間:人力で5分程度

【スイッチャーズ】打設口(下段)を閉めて、次(上段)の打設口に切り替える時間:自動で10秒程度

今後の展開

以下によって、打設作業に要する人員を従来の1/3程度(6人程度から2人程度 )に省人化することを目指します。

  • 打設高さに連動して自動で打設口が切替わるシステムに改良することで、切り替え操作に要する人員を削減します。
  • 打設高さに合わせ自動で締固めるセンサバイブレータを組み合わせることで、締固め作業に要する人員を削減します。