新着情報 CO₂見える化システム「CO₂MPAS」をリニューアル クラウド蓄積データの活用によりカーボンニュートラル支援を加速

2023/04/04

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、コネクシオ(株) (本社:東京都港区、社長:目時 利一郎)と共同で、建物からのCO2排出量を見える化し建物のカーボンニュートラル化を支援する「CO2MPAS(シイオオツーエムパス)」をリニューアル開発しました。従来はエネルギーデータを建物ごとのローカルデバイスに蓄積していましたが、リニューアルした本システムではデータをクラウドに蓄積することで、より効率的にサイネージによる省エネ啓蒙画面の提供やエネルギーマネジメントを行うことが可能になりました。

開発の背景

地球温暖化による様々な自然災害の発生を背景に、世界でカーボンニュートラルの取り組みが加速しており、2050年までの脱炭素社会の実現が目指されています。その中で建物のエネルギー消費量の把握は、ゼネコンにとってサプライチェーン排出量におけるスコープ3※1の把握と同義であり、建物の省エネルギー化とカーボンニュートラルへ貢献するためのデータ活用基盤の整備が求められております。

  • ※1事業者自ら排出している温室効果ガスであるスコープ1、スコープ2以外の事業者が間接的に排出する温室効果ガスの排出量

システムの概要

本システムは建物に取り付けたセンサ等で計測した電力量やガス消費量、太陽光発電量といったエネルギー情報をIoTゲートウェイ経由でクラウドに蓄積します(図1)。蓄積したデータはサイネージと分析のそれぞれの機能で利用します。

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図1 システム構成図

サイネージ機能

サイネージ機能ではエネルギー供給会社ごとの排出係数を用いてCO2量に換算した排出実績値を年月日のグラフで表現します(図2)。また蓄積したデータから、各月排出量の割合を把握することで建物の特性に応じた予測値を算出します。これらの実績値・予測値と年度の初めに定めた目標値から省エネに対する判定を行うことも可能です。 グラフ以外にも当社が定期的に更新する省エネ意識を喚起させる啓蒙画面があり、これらをローテーション表示することが可能です。

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年画面
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月画面
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日画面
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省エネ啓蒙画面(例)

図2 サイネージ画面

分析機能

分析機能では、取得したエネルギーデータを延床面積や建物構造といった建物データと関連付けることができ、前年度のエネルギー分析レポートを始めとする各種グラフを自動生成することが可能です(図3)。当社はこの機能を用いて簡易の省エネ診断を行い、各種エネルギーマネジメントや省エネソリューションを提供します。

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図3 エネルギー分析レポート

今後の展開

当社設計施工建物において、本システムを標準搭載することを基本とし、データ活用基盤の整備とエネルギーマネジメント分野でのビジネススキームの確立を目指します。