新着情報 完全ワンオペによるロックボルト自動化施工を実現 SFレジンボルト工法TM

2023/04/10

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)、DSI ニッシン(株)(所在地:東京都立川市、代表取締役:西島 伸哉) 、旭化成アドバンス(株)(本店:東京都港区、社長:八神 正典) 、虎乃門建設機械(株)(本社:東京都渋谷区、代表:櫻井 弘毅) 、エピロックジャパン(株)(本社:神奈川県横浜市、代表取締役:北岡 太平) の5 社は、ケミカルレジンカプセル定着材とセミオートロックボルト自動打設機を使用したSFレジンボルト工法TMにより、完全ワンオペレーターで施工可能なロックボルト自動施工システムを開発しました。
SFレジンボルト工法TMでは、ケミカルレジンカプセル の輸入・使用・安全性 確保のため各種国内法規対応はもちろん、試験施工を重ね機械改造と設定変更、施工時の運用ルールに関する制定を行い、実施工における適合性とその効果を確認しました。今後実際の現場における運用を開始します(写真1)。

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写真1 SF レジンボルト工法対応セミオートロックボルト自動打設機

開発の背景

山岳トンネル工事におけるロックボルト作業は、ロックボルト孔の削孔、定着材の充填、ボルト挿入に分けられ、削孔作業を除き人力作業が一般的です。一連の作業が切羽直近で行われるため、切羽からの肌落ち※1や高所作業時の墜落、支保工との挟まれ等により被災するリスクが高く、機械化施工による省人化、無人化が求められています。 今回セミオートロックボルト自動打設機を使用したSFレジンボルト工法TMにより、切羽に近づかず、また施工時の高所作業も不要となり、従来の苦渋で危険なロックボルト施工の安全性と作業環境を大幅に向上させました。また安定した品質と同時にモルタルでは1日以上かかる設計強度発現を、分単位の短時間で発現するロックボルト施工を実現しました。

  • ※1掘削された表面の土砂や岩が崩れ落ちること

本システムの特徴

  1. 1カプセル定着材の硬化時間は15秒から4 分、カプセル径や長さも各種選択可能であるため、様々な施工条件に対応できます。また任意の硬化時間製品も作成可能なので、特殊な施工条件下でも最適なサイズと硬化時間選定可能で、ロックボルト以外のボルトやアンカー材への応用も可能です。
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写真2 ケミカルレジンカプセル
  1. 2施工時に問題となる天場付近の定着材保持についても、ケミカルレジンカプセルはエアーにより射出されるので、上向き孔でも、カプセル落下のない安定した定着材のセットと保持が可能になっています。
  2. 3セミオートロックボルト自動打設機は、削孔位置、ロックボルト孔削孔、ケミカルレジンカートリッジの孔内へのセット、ロックボルト挿入、ロックボルト挿入後の定着材攪拌混合、硬化までのロックボルト保持 をすべて自動化しています。そのため、安全性や生産性の向上だけではなく、機械的に定着材を攪拌混合することにより、ケミカルレジン使用時の課題であった安定した品質のロックボルト施工を実現しました。
  3. 4環境面でも、従来のモルタル使用に比べ、セメント粉塵や、ミキサー内・注入ホース内の残モルタルが発生せず、産業廃棄物であるセメント残袋も発生しません。また作業環境も冷暖房付の遮音性フルキャビン内作業になったことにより、快適な作業環境を実現しています。
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写真3 試験施工状況
  1. 5SFレジンボルト工法TMのケミカルレジンカートリッジは、国内で製造した場合に比べ1/10以下のコストを実現していますが、さらに作業人員低減による生産性の向上、モルタルポンプのメンテナンス・維持費や残材の産廃処理縮減により、材料費以外のコスト縮減が可能で、その結果モルタル定着材と比べても実施可能な価格差を実現しました。
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写真4 セミオートロックボルト自動打設

今後の展開

既存の汎用ジャンボに後付できるSFレジンボルト工法TM施工装置を提供し、汎用性を高めていきます。後付装置は、ケミカルレジンカプセル射出、ボルト挿入、ケミカルレジン攪拌混合、硬化時ロックボルト保持等、一連の機能を提供します。これら装置を含めSFレジンボルト工法TMを広く提供し、さらなるコストダウンを進め、トンネル切羽における安全性向上と作業環境の改善を進めてまいります。