新着情報 筑波技術研究所が「自然共生サイト」認定、「日本経済新聞社賞」を受賞 ネイチャーポジティブとカーボンニュートラルの同時達成に向けて、取組みを加速

2023/12/07

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)の筑波技術研究所(茨城県つくば市)における緑化に関する取組みについて、環境省が「30by30※1」目標達成に向け推進する「自然共生サイト」に、2023年10月に認定されるとともに、(公財)都市緑化機構が主催する「屋上・壁面緑化技術コンクール」で、日本経済新聞社賞に選出されました。

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写真1 筑波技術研究所内のグリーンオフィス棟と
地域性在来植物ビオトープ「つくば再生の里」
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写真2 筑波技術研究所内の地域性在来植物ビオトープ
「つくば再生の里」(上空から撮影)
当社は、下記2つの取組みを積極的に推進しています。
  1. 1生物多様性の損失を食い止め、回復を目指す「ネイチャーポジティブ」
  2. 22050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」

以下にその詳細を説明します。

①自然共生サイト」の概要と認定内容
環境省は、令和5年度に「民間の取組等によって生物多様性の保全が図られている区域」を「自然共生サイト」として認定する制度を新設し、この度122か所(35都道府県)が認定されました。また「認定区域」のうち、保護地域との重複を除いた区域については、OECM※2として国際データベースに登録され、「30by30」目標の達成に貢献することになります。

認定の対象は、筑波技術研究所の敷地全体の緑地です。
自然共生サイトとして認められるためには、「生物多様性の価値に関する基準」の項目の内、1つ以上を満足する必要があり、「生態系サービス&健全な生態系」、「希少種」の2つの価値項目で評価されました。
特に、つくば地域に生育していた希少種を含む在来種を移植・育成して地域性在来植物ビオトープを造成し、継続的に年6回のモニタリング調査を実施することで、適正な維持管理に繋げています。この取組みが地域の生物多様性の向上に貢献していると審査委員会で評価され、認定に至りました。

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図1 自然共生サイト認定のロゴ
②「屋上・壁面緑化技術コンクール」の概要と選出内容
2002年に創設された同コンクール※3は、都市環境の改善と豊かな都市生活の実現を目指し、これまで緑化が困難とされた屋上や壁面などの特殊空間の緑化に積極的に取り組み、優れた成果を上げている企業・団体などを表彰するものです。

受賞の対象は、筑波技術研究所の社員の執務スペースとして利用されているグリーンオフィス棟の壁面緑化です。従来の屋外からの意匠のみを意識してデザインされた壁面緑化とは異なり、この建物は、室内からの眺望も重視したデザインとなっています。建物の外壁4面を10種類の在来つる植物で覆うことで日射の遮蔽効果、バイオフィリア効果※4をもたらし、執務者にとっても生産性の高い空間となっていることが評価されました。

【部門】 壁面・特殊緑化部門
【作品名/場所】 戸田建設筑波技術研究所
グリーンオフィス棟 / 茨城県つくば市
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写真3 室内から眺望状況

今後の展開

2023年9月にはTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)提言が公開され、企業の自然資本の保全・回復に向けた活動への注目が高まっています。当社は「ネイチャーポジティブ」や「カーボンニュートラル」の実現を目指し、生物多様性を意識した緑化を積極的に推進していきます。また、筑波技術研究所内のビオトープや緑化の植物や生物を継続的にモニタリングするとともに、得られた知見を活かし、お客様の自然資本に関連した課題解決を通じて、持続可能な社会の発展と地球環境の保全に貢献してまいります。

  • ※1「30by30」
    2030年までに陸と海の30%以上を健全な生態系として効果的に保全しようとする世界目標。
  • ※2OECM(Other Effective area-based Conservation Measures)
    保護地域以外で里地里山や企業林、社寺林などのように、地域、企業、団体によって生物多様性の保全 が図られている土地のこと。
  • ※3(公財)都市緑化機構 令和5年度 都市の緑3表彰 受賞者決定

    https://urbangreen.or.jp/info-grant/3hyosho/3toshisho/231016_press_toshinomidori3hyosho

  • ※4バイオフィリア効果
    自然と触れ合うことで、ストレスが軽減され、心身が癒され、集中力が高まる効果