新着情報 農業におけるカーボンニュートラルと生産性向上の両立を実現 農業ハウスの暖房機から排出されるCO₂を有効利用

2024/04/02

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、フタバ産業(株)(本社:愛知県岡崎市、社長:魚住 吉博)と共同で、暖房機から排出されるCO2の削減と有効利用のために、北海道下川町で運営中の夏秋イチゴ生産ハウスにて、ハウス用暖房機から発生するCO2を植物の生育に利用する装置「agleaf®(以下、アグリーフ)」の試験導入を開始いたしました。

当社は、農業分野で排出されるCO2を有効活用し「カーボンニュートラル農業」の実現を目指してまいります。

20240402_01.png
図1 農業用ハウスの暖房機から排出されるCO2を有効利用するシステムイメージ

背景

近年、我が国では農林水産分野から排出される温室効果ガスの排出量増加が問題となっています。また、持続可能な農業を実現するため、農林水産省では2021年5月に「みどりの食料システム戦略」を策定しました。 その中で2050年までの目標として、以下の方策が挙げられました。

その中で2050年までの目標として、以下の方策が挙げられました。

  • 園芸施設について、2050年までに化石燃料を使用しない施設への完全移行。
  • 新たに販売される主要な農業機械について、蓄電池・燃料電池や合成燃料等のイノベーションを活用し、2040年までに化石燃料を使用しない方式に転換。

これらのことから、今まで以上にCO2の排出量削減と有効利用に関する技術の重要性が高まることが予想されます。

このような状況下で、当社は暖房機から発生するCO2の貯留・供給を行うことができる装置「アグリーフ」に注目し、北海道下川町夏秋イチゴ生産ハウスでの試験導入に至りました。

アグリーフの特徴

アグリーフの特徴は以下の通りです。

  • 夜間に稼働する暖房機の排ガスに含まれるCO2をタンクに貯留し、日中、作物の光合成が活発な時間に貯めたCO2を局所施用します。
  • CO2局所施用によりハウス内における植物近傍のCO2を適切な濃度に管理することで作物の収穫量や糖度の向上を図ります。
  • 排ガスに含まれるCO2を再利用しているため、新たな燃料を必要とせず、大気中へのCO2排出量を削減できます。(灯油を燃料とする一般的なCO2局所施用装置に比べて2~3ℓ/hの灯油使用量削減)
20240402_02.jpg
図2 アグリーフ本体(写真左)とCO2ガスをチューブから供給している状況(写真右)

北海道下川町での試験結果

実証試験場所: 北海道上川郡下川町一の橋 夏秋イチゴ生産ハウス
期間: 2023年10月下旬~2023年11月下旬
目的:
  • 夏秋イチゴ栽培における栽培後期でのCO2局所施用の効果の検証。
  • 青森県以北の極寒冷地での使用実績のないアグリーフについて、冬季最低気温が-30度以下になることもある北海道下川町での機器運用が正常に行えるかの検証。
結果:

アグリーフ導入直後の10月下旬では、夏季の猛暑の影響を受けて前年度の収穫量を下回っていましたが、1か月間運用することで、最終的に1株当たりの収穫量が前年度と比較して約10%増収する結果となりました。

アグリーフ装置本体および関連機器をハウス屋内に設置する等の対策を行うことで、上記期間において問題なく正常に稼働することを確認しました。

20240402_03.jpg
図3 前年度との累計収穫量比較

今後の展望

2024年度も引き続き北海道下川町での実証試験を行い、CO2削減効果や糖度への影響など通期でのアグリーフ導入効果を検証していきます。

当社は、気候変動に対応した栽培技術の確立を目指すことによって、持続可能な循環型社会の構築とカーボンニュートラル農業の実現を支援していきます。