新着情報 地盤改良効果の見える化技術「ジオレジスタ 法」をNETISに登録 動的コーン貫入試験と電気検層の併用により地盤改良効果を迅速かつ高精度に推定!

2025/03/18

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、岐阜大学(岐阜県岐阜市、学長:吉田 和弘)、(特非)地盤防災ネットワーク(岐阜県羽島市、理事長:村田 芳信)、太洋基礎工業(株)(本社:愛知県名古屋市、社長:加藤 行正)と、共同で開発した地盤改良効果の見える化技術「ジオレジスタ®法(Geological Resistance Survey Method)」※1を国土交通省の「新技術情報提供システム(NETIS)」に登録しました。本技術は、専用調査機により、貫入ロッドの貫入時に動的コーン貫入試験、引上時に電気検層※2を実施することで、施工直後に地盤改良効果を評価できる原位置試験(図1)です。今回、大型専用貫入試験機およびデータ計測システムを新たに開発したことで、本技術の測定作業の省力化と適用範囲の拡大を実現しました。本技術はNETISにおいて以下の名称および番号で登録され、技術の詳細を確認することができます。

  1. 1NETIS登録番号:QS-240011-A
  2. 1技術名称:軟弱地盤処理工における品質評価手法「ジオレジスタ®法」
20250318_01.jpg
図1 専用調査機と測定方法

「ジオレジスタ®法」の概要

本技術は、1つの調査孔で動的コーン貫入試験と電気検層を実施する原位置試験です。貫入時の動的コーン貫入試験から得られるNd※3と、引上時の電気検層から得られる電気比抵抗R※4の2つの値の地盤改良前後の変化により、地盤改良効果を定量的に評価することができます(図2)。これにより、従来行っていた地盤改良後(28日養生)の一軸圧縮試験と比べて、早期に原位置での強度評価が可能となります。

  • ※3所定重量の重錘を所定の高さから自由落下させ、所定貫入長 に至る打撃回数(標準貫入試験のN値と等価な値)
  • ※4電気の流れにくさを表す抵抗値(薬液やセメント、粘土、塩水を含む土は低い値を示す)
20250318_02.png
図2 測定結果の一例(Nd値、R
「ジオレジスタ法」の特長
  1. 1養生期間を待たずに地盤改良直後に改良効果の確認が可能です。
  2. 2地盤改良範囲全体を早期かつ連続的に定量評価できます。
  3. 3測定データ(Nd値、電気比抵抗R)を用いて地盤改良範囲・強度の推定が可能です。
  4. 4調査作業の軽減、調査コストの低減が図れます。

適用範囲の拡大と測定

本技術は、これまで既存の小型動的コーン貫入試験機を用いて、貫入時にはNd値を測定し、貫入したロッドを引き抜く際に油圧装置を用いて電気比抵抗Rを測定していました。そのため、調査対象の適用範囲が狭く、機器の設置替えと測定データを手動で記録していたことにより測定作業に時間を要していました。

この度、既存の全自動ラムサウンディング調査機を用いた大型貫入試験機およびデータ計測システムを新たに開発しました。これにより、狭隘地や調査深度・地盤等の現場条件に応じて、試験機を選定することが可能となり、調査対象の適用範囲が拡大しました(表1)。また、データ計測システムを導入することで測定作業の自動化と測定データの自動取得が可能となり、これまで煩雑であった測定作業の省力化が図れました(図3)。

20250318_03.png
表1 専用貫入試験機の仕様
20250318_04.png
図3 データ計測システム(電気検層)

今後の展開

当社は本技術を地盤改良の効果確認の他に、簡易な地盤調査(地下水位、地層判定等)や液状化判定調査等にも活用できるよう、ジオレジスタ®法の技術開発を進めています。また、今回のNETIS登録を機に、本技術の技術提案・適用を積極的に行い、地盤改良工事における高い品質と安全性の確保を目指してまいります。