新着情報 エアー式自走面取り機「Air Robot R™」を開発 橋梁の鋼桁を模擬した鋼板において実用性を確認

2025/03/25

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)と宮川工業(株)(本社:岐阜県関市、社長:宮川 治郎)は、鋼桁の断面変化にも対応して走行が可能なエアー式自走面取り機「Air Robot R™」を共同開発し、橋梁の鋼桁を模擬した鋼板を用いた走行性確認試験により実用性を実証しました(写真-1)。

開発の背景

床版取替工事では、旧床版撤去後に鋼桁の塗替え塗装を行います。その際、塗膜厚が一定になるよう、新たな床版設置前に鋼桁フランジの角部を削る面取り作業を行う必要があります。従来の施工では複数の作業員がディスクグラインダー等を用いて作業を行っていましたが、作業の効率化や省人化、品質の安定が求められていました。また、主に新設橋梁や造船の工場製作時に使われているエアー式自走面取り機を床版取替工事の現場で使用する場合、走行の支障となる突出物との干渉や橋梁建設当時の設計等に基づく桁幅の変化・桁の厚みの変化に対応する必要があり、そのままでは適用が困難でした。

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写真-1 床版取替工事状況

本機械の特徴

従来のエアー式自走面取り機から以下の点を改良し、鋼桁の断面変化部においても安定した走行を可能にしました。

  • 面取りを行うカッタービットを安定して桁に接触させるため、センターローラー/ガイドローラーを形状変更(写真-2)
  • 勾配走行時の機械傾き防止に、補助輪を追加(写真-2)
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写真-2 Air Robot R™(側面)

走行性確認試験の実施

宮川工業(株)の本社工場にて鋼橋の断面変化部の最大勾配1/5(道路橋示方書・鋼橋編では、鋼橋の断面変化部における厚さ及び幅は徐々に変化させ、長さ方向の傾斜を1/5以下にすることが定められています)を再現した鋼板を用いて、走行性の確認試験を実施しました。その結果、鋼板の断面変化部を乗り越えながら走行し、通常部と同様に面取り可能であることを確認しました(写真-3)。

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写真-3 面取り前後の比較(通常部)

今後の展開

当社は今後「Air Robot R™」の現場適用を進める計画です。また、本製品以外にも床版取替工事の省人化に寄与する技術の開発を推進していくことで、高速道路リニューアルプロジェクトをはじめとするインフラ整備の工事に貢献していきます。