新着情報 ハイブリッド木質耐火部材「foresTie-S」柱の国土交通大臣認定を取得 耐火被覆材の薄肉化を実現、中層建築物への木材利用を促進

2025/09/02

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)と(株)シェルター(本社:山形県山形市、社長:木村 仁大)は、木材を表面仕上げ材として使用できる鋼管柱のハイブリッド木質耐火部材「foresTie-S」を共同で開発し、60分間および90分間耐火の国土交通大臣認定を取得しました。(認定番号:FP060CN-1127、FP090CN-1129(1)、FP090CN-1129(2))

20250829_02_01.jpg
ハイブリッド木質耐火部材「foresTie-S」柱の概要

開発の背景

現在、我が国ではSDGsやESGの観点から、建築物における木材利用への関心が高まっています。また、木材という自然素材を活用することで、建築物の意匠性や快適性の向上に加え、不動産としての資産価値の向上にもつながるという認識が広がりつつあります。こうした動きを受け、2023年には、ニーズの高い中層建築物に適用する耐火性能基準の合理化が図られ、これまでの60分間、120分間、180分間に加え、新たに90分間および150分間の耐火基準が追加されるなど、木造建築に関する法整備も進みつつあります。
当社らは、脱炭素社会実現への貢献を目指し、中層建築物での木材利用の促進を図るべく、木材を表面仕上げ材として使用できる鋼管柱のハイブリッド木質耐火部材「foresTie-S」の60分間および90分間耐火構造の実現に取り組みました。

本技術の特徴

本技術は、鋼管柱の耐火被覆材として強化せっこうボードと木材を組み合わせることで薄肉化を図り、60分間および90分間の耐火性能を実現した技術です。

本技術の特長は以下の通りです。

  1. 1耐火被覆材として、強化せっこうボードと木材を組み合わせ、さらに、強化せっこうボードの横目地部に目地補強材を設けることで、柱外形寸法は、最小で鋼管柱径プラス180mm程度まで薄肉化が可能です。
  2. 2鋼管柱に取付けた鋼製下地に強化せっこうボードをビスで留付けるシンプルな構造で、簡単に施工ができます。
  3. 3樹種によらず木材を表面仕上げ材として利用できるため、意匠や用途に合わせた樹種の選択ならびに木材の地産地消が可能であり、木材利用の促進に繋がります。
  4. 4その他の木質耐火構造との接合が容易で、設計や施工の省略化や自由度の高い計画が可能です。

今後の展開

本技術が国土交通大臣認定を取得したことにより、9階建てまでの中層建築物での木材利用が促進され、建物の更なる低炭素化が期待されます。本技術は本年度に予定されている当社技術研究所建て替え工事において、一部の柱への採用を予定しています。当社らは、本技術の様々な物件での適用を図るとともに、さらなる適用範囲の拡大を目指して開発を進め、脱炭素社会の実現に取り組んでまいります。