新着情報 長崎スタジアムシティが「令和7年度優良消防用設備等消防庁長官表彰」受賞

2025/11/11

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、「ハピネスアリーナ」および「スタジアムシティノース(オフィス棟)」の設計および施工を手掛けた「長崎スタジアムシティ」において、当社および同施設の事業主である(株)ジャパネットホールディングスを含む18社合同にて、令和7年度の優良消防用設備等消防庁長官表彰を受賞しました。

本表彰は、消防用設備等、特殊消防用設備等、またその他これらに類するもののうち、高度な消防防災技術により防火対象物の防火安全性能の向上に資するもので、他の模範となる優れたものを消防庁が表彰するものです。

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写真1 長崎スタジアムシティ外観(※)

施設概要と防災の重要課題

長崎スタジアムシティは、サッカースタジアム、アリーナ、オフィス、ホテル、商業施設という5つの機能ブロックから構成され、西九州地域でも有数の大規模複合施設です。大勢の人が訪れる巨大施設であるため、万が一の災害時、特に火災発生時の「安全かつ円滑な避難誘導」は最重要課題でした。

画期的な2つのシステムによる解決

当施設では、大規模複合施設特有の「避難時の混乱」や「情報伝達の難しさ」を解消するため、以下の2つのシステムを開発・導入しました。

    • 混乱を防ぎ、順序立てた避難を実現する「多段階鳴動方式」

火災発生時、火災が発生したブロックの鳴動を優先し、他のブロックについては避難リスクに応じて警報の鳴動を段階的に制御するシステムです。これにより、不必要な避難者のコンコースへの集中を防ぎ、安全かつ円滑に、必要な方から順序良く避難できるようになりました。

    • 視覚と多言語で確実な誘導を可能にする「視覚的避難誘導システム」

特にアリーナなどの多人数収容エリアにおいて、混乱や局所集中を避けるためのシステムです。

デジタルサイネージ活用:

大型映像装置(デジタルサイネージ)に避難経路の指示を視覚的に表示し、分かりやすく誘導します。

リアルタイムの状況把握:

ITVカメラを設置することで、防災センターが現場の混雑状況や避難状況をリアルタイムで視認できます。

多言語・的確な情報提供:

現場の状況を踏まえ、多言語にも対応した適切な情報を放送設備を通じて迅速に提供し、避難行動を支援します。

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写真2 大型映像装置(※)
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写真3 避難経路表示
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図1 他言語による火災情報表示(※)

(※):提供 長崎スタジアムシティ

受賞の意義

これらの取り組みは、火災時の人的対応力の向上に大きく貢献するだけでなく、多言語化・視覚化された火災情報を迅速かつ的確に伝達することを可能にしました。

当社が先導的な役割を果たし、「安全性」と「施設機能の維持」を両立させたこの取り組みは、西九州地域における大規模商業建物の防災対策において先進的な取り組みとして高く評価され、今回の受賞につながりました。

長崎スタジアムシティ 概要

構成: サッカースタジアム、アリーナ、事務所、ホテル、商業施設の5ブロック
特徴: 管理者が一元化されており、各ブロック間は12メートル以上の離隔距離を確保することで、延焼リスクを低減しています。
所在地:長崎県長崎市幸町7-1

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写真4 受賞式後の記念撮影