新着情報 AI導入で前方探査・可視化システム「SHIELD EYE®」を強化 土質判別・支障物探査を自動化し、掘進の効率化と安全性を向上
2026/02/25
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)と(株)ネットリンクス(本社:東京都新宿区、社長:寺内 正広)は、シールドトンネル掘削時の前方探査・可視化システム「SHIELD EYE®※1(以下、シールドアイ)」において、新たにAI(人工知能)を活用して電磁波の波形データ(反射・伝搬データ)を自動で解析する手法(以下、本手法)を導入し、掘削土質判別と支障物探査の2つの機能を強化しました。
本手法は、シールド機前方の掘削面に設置した送受信アンテナから発信される電磁波の波形データをAIが解析するもので、シールドアイに導入することで土質を自動判別することや、支障物の兆候を早期に検知することが可能になります。また人による波形データの評価と比べばらつきを抑制できることによりシステムの精度を向上させ、リアルタイムで状況変化を把握することで、掘進の効率化と安全性の向上に貢献します。

- ※1 シールド機面板に設置したアンテナにより対象範囲の土質判別や支障物探査を行う技術
https://www.toda.co.jp/tech/shield_construction/detect.html
開発の背景
密閉型シールド工法(泥水式や泥土圧シールド)では、掘進中に切羽(掘削面)の状況を直接目視することは困難です。そのため、想定外の土質変化が生じた際に掘削管理の対応が遅れると、地表面の地盤変状(隆起や陥没)を引き起こすほか、支障物探査の遅延による工事中断といったリスクがあります。当社はこうしたリスクを低減させるために、電磁波の特性を利用してシールド前面の土質や支障物を探査するシールドアイを開発しましたが、シールドアイの運用には、専業者による調整(土質判別を行うための区分値の設定など)が必要でした。また、波形データから土質や支障物の情報を読み取る作業には時間を要し、かつ担当する専業者の経験則に頼るために個人差が生じて判断にばらつきが生じる可能性がありました。
そこで、これらの課題を解消し、シールドアイの実用性をさらに向上させるため、機械的かつ高精度な情報処理を可能とするAIを活用した新たな手法を開発しました。
本手法の概要
本手法は、まずシールドアイで事前に取得した電磁波の波形データをデータベースに取り込み、AI学習に適した形式への変換・分類といった前処理を施します(図-2)。前処理したデータからAIモデル(新たなデータに対して予測や判断を行うプログラム)の構築を行い、新たに取得した波形データから自動で土質変化を捉える、あるいは早期に支障物を見つけ出すことができます。前処理としては、計測波形のピーク値(振幅)とその発生順序(ピーク値の出現回数)に着目し、波形の特徴を効率的に抽出できる形式へ変換します。

検証結果
シールドアイを導入した現場で取得した波形データを用いて、土質判別機能の検証を実施しました。 波形データは3つの土質(粘性土、砂質土、砂礫)に区分してAIモデルを学習させました。その結果、AIモデルによる土質の判別結果が実際の土質区分と95%以上という高い精度で一致することを確認しました(表-1)。

本手法の効果
本手法の導入により、以下の効果が得られます。
- 1運用効率の向上:
シールドアイ運用中の調整作業が不要となり、作業の省力化と効率的な導入を実現 - 22つの機能の高精度化:
専業者の経験や技能差に左右されない、客観的かつ高精度な土質判別および支障物探査が可能 - 3掘進管理の高度化:
土質情報をリアルタイムで取得することでシールド工事の掘進管理を高度化し、地盤変状トラブルを未然に防止
今後の予定
当社は今後、本手法を導入したシールドアイの検証を継続し、複雑な互層区間を含むあらゆる条件下で高精度な判別が可能なシステムの確立を目指します。将来的には、シールドアイを当社の標準機能として実装することで、シールド工事の施工における高度化と自動化を実現してまいります。
