新着情報 2種類の天然資材の組み合わせにより濁水処理性能を大幅に向上 環境配慮型濁水処理フィルター『ファイブロック™』を現場実証
2026/02/26
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)と日本製紙(株)(本社:東京都千代田区、社長:瀬邊 明)は、天然由来の植物を主原料とする特殊パルプ(日本製紙(株)開発の「ミネルパ®」など)と木材チップを混合し、メッシュネットで梱包した、工事濁水中の浮遊物質を捕集するフィルター「ファイブロック™」※1を開発しました。この度、同技術に対する現場実証を当社の施工現場で行い、従来品と比較して浮遊物質(SS:Suspended Solids)の処理量及び効果の持続性向上を含むその有効性を確認しました。
- ※1Fiber(繊維)+ Five(5つの特長)+ Block(遮断)を掛け合わせた造語

開発の背景
従来の作業現場において、発生する工事濁水に含まれる浮遊物質(SS)は、PAC(ポリ塩化アルミニウム)や硫酸バンド(硫酸アルミニウム)、高分子化合物等の凝集沈殿剤を使用して、水分と残渣物に分離することで処理されています※2。この時使用される凝集沈殿剤の中でも高分子化合物系は水域環境中で魚毒性を示すものが多く使用されており、過剰な使用による環境への影響が懸念されています。
そこで当社と日本製紙(株)では、上記課題を解決する取り組みとして、工事濁水中の浮遊物質を捕集する天然資材からなるフィルターを共同で開発し、その有効性を検証してきました。
- ※2水中の浮遊物質は、互いに反発し合い沈みにくい性質があります。PACや硫酸バンドはその反発を抑えて小さな塊を作り、高分子化合物がそれらを結合させ沈降性の塊を形成することで、水と分離することが出来ます。
本技術の特長
本技術の特長は下記の通りです。
- 1特殊パルプ(濁水中のSSを吸着し易いように加工)と木材チップ(フィルターの通水性を向上させる)の2種類の天然資材を適切な配合比、密度で混合し、捕集効率と効果持続性の両立を実現しています。
- 2凝集沈殿処理の前工程として設置することで、凝集剤の使用量を削減できます。
- 3フレキシブルな形状(写真2)をしているため、設置場所の寸法、形状に合わせた設置が可能です。
- 4重量が約10kg/個(製品寸法:450×1000×150mm)と片手で取り回しが可能で、取扱いが容易です。
- 5作業現場の沈砂池や濁水貯水用のノッチタンク内に設置することで、浮遊物質濃度を約6割低減できます。

(設置場所の寸法、形状に合わせることが可能)

(ベントナイト懸濁液 SS濃度3,500mg/L→1,200mg/L)
屋外現場での実証
屋外現場において、本技術を別の天然資材からなる従来品と比較する現場実証を実施し、以下の結果が得られました。
【実証結果】
- 1原水の濁度とフィルターを通過し処理された水の濁度の差を累積すると、ファイブロックの浮遊物質吸着量は従来品の約2.2倍と確認できました。
- 2処理能力が限界になるまでの期間は従来品が38日であったのに対し、ファイブロックが46日で、本実証の条件でファイブロックの効果持続期間は約1.2倍と確認できました。

ファイブロック及び従来品の通水処理後の水の濁度を計測(1回/h)し、
同時計測した原水との濁度差の累積を累積濁度差(NTU)として比較しました。
今後の展開
当社は今後現場適用を重ね、本技術を環境負荷低減に寄与する技術として積極的に普及・展開し、環境に配慮した事業活動を推進していきます。
