新着情報 超高強度吹付けコンクリート「Multi Effect 工法® UHS」を初適用 従来の3倍以上の強度で地山安定性と長期耐久性を飛躍的に改善
2026/03/26
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、山岳トンネル工事における掘削直後の地山安定および長期的な耐久性の確保を目的として、超高強度吹付けコンクリート「Multi Effect 工法® UHS(Ultra High Strength)」(以下、本工法)を西日本高速道路(株)(NEXCO西日本)発注の「広島呉道路 吉浦トンネル工事」の拡幅部に初めて適用しました。
吹付けコンクリートは、トンネル掘削後の地山に直接吹き付け、地山の安定性を確保するためのコンクリートです。本工法は、初期強度の早期発現性に優れ、従来の吹付けコンクリートの3倍以上の長期強度を兼ね備えた超高強度吹付けコンクリートを山岳トンネルに適用することで、トンネル工事の安全性・安定性の向上に貢献する技術です。また、特殊な施工機械を追加することなく導入可能であり、配合の最適化によりコスト抑制も実現しています。

背景
山岳トンネル工事では、掘削直後の地山の緩みを抑制するとともに、長期的に生じる荷重増加や変形に対する耐力を確保することが、トンネルの安定性確保の観点から強く求められます。当社はこれらの課題に対応するため、「施工初期の急速な強度発現」と「長期的な超高強度」を両立し、さらに施工性・経済性にも配慮した吹付けコンクリート技術として本工法を確立しました。
本工法の特長
- 1初期強度の早期発現による安全性向上
本工法は、施工後3時間で4.0N/mm2、材齢1日で18.0N/mm2以上の強度を発現します。これは、従来の吹付けコンクリートで設計基準強度として用いられる18.0N/mm2(28日強度)と同等の強度を、施工初期(材齢1日)で確保することを意図したものです。
- 2従来の吹付けコンクリートの3倍に達する長期強度
本工法は、材齢28日で54.0N/mm2以上を達成するため、特に長期的に高い耐力が求められる区間において、トンネル構造の安定性向上に貢献します。
- 3汎用設備の使用とコストの最適化
本工法は、ハイブリッド急結剤(液体+粉体)を使用している現場であれば、特殊な施工機械を追加することなく導入可能です。なお、高強度化に伴いセメント量は増加しますが、急結剤の添加率を最適化することで、コスト上昇を最小限に抑制できます。

現場適用
本工法では、水セメント比(W/C)を32.5%まで低減した高強度配合としながら、施工に必要な流動性を確保しています。今回の現場適用により、施工性を確保しつつ、目標とする強度発現が得られることを確認しました。

今後の展開
今回の適用結果を踏まえ、今後は地山条件の厳しいトンネルや大断面トンネルなど、高度な変位抑制が求められる工事への適用拡大を目指します。引き続き、現場実証を通じて施工データの蓄積を進め、施工法の確立と適用条件の明確化を図ることで、トンネル工事のさらなる安全性・生産性向上に貢献してまいります。
