新着情報 当社が新たに開発した「パッカー式杭頭処理具™」により安全性と施工効率を向上 プレボーリング既製杭工法の杭頭処理作業を革新!
2026/03/31
戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、プレボーリング既製杭工法における杭頭処理作業を革新する新技術「パッカー式杭頭処理具™」を開発し、実現場への適用を通じてその有効性を実証しました。
図-1 プレボーリング既製杭施工フロー
開発の背景
(1)杭頭処理の必要性
構造物を支える「基礎杭」は、基礎コンクリートと強固に一体化させる必要があります。このため、杭頭部に補強鉄筋を配置し、コンクリートを打設することで杭と構造物の基礎を一体化しなければなりません。しかし、プレボーリング既製杭の場合、セメントミルクと周囲の土が混ざったソイルセメント柱に杭を建込む(図-1のステップ①~②参照)ことから、杭内部でソイルセメントが硬化し、杭頭部に補強鉄筋を設置するための空間が失われます。
そこで従来施工では、人力斫りにより硬化した層を取り除く「杭頭処理」を行う(図-1のステップ③参照)ことで、補強鉄筋を配置する空間を確保します(図-1のステップ④~⑤参照)。
(2)従来工法の課題
従来の杭頭処理作業は、作業員が狭い杭の内部に入り、手作業で硬化したソイルセメントを砕く「人力斫り」で行っており、多大な手間と危険を伴うことが課題でした。
技術の概要とその特徴
今回開発した本技術は、「パッカー式杭頭処理具™」を用いることで、図-1のステップ③における「人力斫り」を不要とします。具体的には、既製杭の建込み前にあらかじめ処理具を設置し、空気圧でパッカーを膨らませて杭内壁へ強固に密着(シール)させることで、ソイルセメントの浸入を物理的に遮断します。翌日、ソイルセメントが未硬化(半硬化)の状態で処理具を引き抜き、杭内部に空間を確保して、補強鉄筋を配置します。
本技術の主な特徴は以下の通りです。
- 1確実な付着防止を実現する3段階の止水構造
3層構造のパッカー(上下2箇所)を空気圧で膨らませて杭内壁に密着させ、さらに中間に水を満たすことで「3つの壁」を形成し、ソイルセメントの杭頭部への浸入をブロックします(図-1参照)。
- 2現場に合わせた柔軟な設置方法
上杭を立てた状態で挿入する「縦挿入式」と、地面に置いた状態で挿入する「横挿入式」の2パターンから、現場の状況に応じて最適な方法を選定できます。
- 3杭本体を傷つけない高品質な仕上がり
従来のオーガー(ドリル等の切削器具)による杭頭処理と異なり、硬質・鋭利なものとの物理的な接触や衝撃を伴わないため、杭の内壁を傷つけるリスクがなく、平滑な内周面を確保できます。
導入メリット
本技術の導入により、安全・品質・施工効率が向上します(写真-1参照)。
- 1安全性の大幅な向上
作業員が杭内に立ち入る必要を完全になくしたことで、粉塵や振動による健康被害や接触事故といった労働災害リスクを排除し、安全な施工環境を確立しました。
- 2確実な縁切り性能と品質確保
膨張したパッカーユニットの密着に加え、水を充填する独自の遮断機構により、従来工法で課題となっていた杭内壁へのソイルセメント付着を解消しました。これにより、残留物のない「空間」を構築することで、補強鉄筋の配筋を容易にし、基礎コンクリートと杭本体との強固な一体化(接合)を実現しました。
- 3施工効率の向上と工期短縮
新型処理具の設置(約20〜30分)から撤去までの一連の作業を、1本あたり最長でも1時間で完了しました。杭径や地盤の条件によって1日4〜12本程度であった従来の人力作業に比べ、最大で約2倍の施工効率向上を実現します。

今後の展望
当社は、今回の現場適用を通じて得られた知見を基に、パッカーユニットの耐久性向上やメンテナンス作業をさらに迅速化する専用治具・工具の開発を推進します。また、より深い掘削条件への適用拡大も図ります。
今後も「安全性ナンバーワン企業」を目指し、本技術をプレボーリング既製杭工法の標準的な施工方法として確立・普及を図り、建設現場における安全性、品質、および施工効率のさらなる向上に寄与してまいります。
