新着情報 「ペンローズタイル型音響パネルの開発と実物件への適用」が2025年度 日本騒音制御工学会 環境デザイン賞を受賞

2026/08/05

戸田建設(株)(本社:東京都中央区、社長:大谷 清介)は、(大)東京大学(所在地:東京都文京区、総長:藤井 輝夫)および日の出工芸(株)(本社:北海道釧路市、代表取締役:三輪 昌博)と共同で取り組んだ「ペンローズタイル型音響パネルの開発と実物件への適用」により、「2025年度 日本騒音制御工学会 環境デザイン賞」を受賞しました。

本賞は、都市環境、住環境、作業環境、車室内環境などの快適性向上に資する計画・実施事例、ならびに関連する研究や技術開発など、「音・振動環境の改善に優れた業績」を対象として贈られるものです。

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写真-1 ペンローズタイル型音響パネル
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写真-2 TODA BUILDINGホールA内観

開発の背景

建築空間において、快適で質の高い音環境を実現することは重要です。ホールや会議室、多目的空間では、騒音を抑えるだけでなく、音の聞こえやすさや響き方まで含めた計画が、空間の価値向上につながります。

音環境設計の基本である「吸音」については、実際の建築実務において、空間の質を左右する重要な要素として広く浸透するよう図ってまいりました。そのような中で、今回の取り組みは吸音の重要性を改めて提示するとともに、一歩踏み込んで「音響拡散」まで包含した提案です。 音響拡散は、これまでの建築・内装設計プロセスにおいて本格的な導入が難しかった要素です。

ペンローズタイル型音響パネルの特長

今回受賞した技術は、同じパターンが繰り返されない「非周期構造」でありながら規則性と意匠性を備えた「ペンローズタイル」の幾何学形状を応用し、壁面に高い音響拡散性能を持たせた音響パネルです。

音を吸収するだけでなく適切に拡散させることで、矩形空間(直方体で平行な壁がある室)で生じやすい「フラッターエコー(音の往復反射)」を抑制して、豊かな響きも確保できるというものです。さらに、実用化にあたっては、有孔板の吸音機構を組み合わせることで、低音域の拡散不足を補完しています。音響拡散の考え方を、実建築の意匠・施工条件と両立させながら具体的な建築部材として実装した点が評価され、この度の受賞に至りました(写真-1)。

実証と実物件への適用

本技術は、小会議室での実証により効果を確認した後、TODA BUILDING4階の「TODA HALL & CONFERENCE TOKYO」にある2つのホール(写真-2)に適用しました。

本適用にあたっては、東京大学佐久間研究室が音響理論・解析を担い、当社がデザイン決定、音響設計、効果確認および実装、そして日の出工芸(株)がパネル製作を担当しました。3者の連携により、理論・設計・製作・実装を一体で進め、実物件への適用までつなげました。

今後の取り組み

今後も当社は、吸音をはじめとする音環境改善を推進するとともに、用途や空間条件に応じた、より質の高い音環境の実現に取り組んでまいります。また、こうした実践を通じて、建築における音環境の重要性と、吸音だけにとどまらない設計アプローチの意義を広く発信してまいります。